馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

魚の卸市場

Привет!

最近は氷点下15度前後が続き、かなり気温が上がってきました。そしてそんな気温なのに空は晴れているのです!先生も「世界が春に向かって進んでいるね」と大きな規模で喜んでいました。

さて、かつて魚屋さんについての記事を書きましたが、 mickymm.hatenablog.com 今回はサーモンを一匹丸ごと買える卸市場のような場所に行ってみたのでご紹介します。こんな内陸国に住んでいても海の幸が高頻度で食べたくなるのは島国のDNAがなせる業なのでしょうか。

とりあえず住所だけ聞いて一人で下見に行ってみました。バス停から歩くこと30分、この時点で少し帰りたくなっていましたが「魚」と書かれた看板が見えてきました。 どうやらこの辺りのよう。さすがに築地のような場所を想像していたわけではありませんが、想像以上に店の表に魚が見えないので不安になってしまいます。ちなみにこのお店に入ってみましたが、家の近くのお魚屋さんのような場所で、クーラーボックスのような冷凍庫の中に切り身が入っていましたが、鮭一匹丸ごとは売っていませんでした。

少し進むと、入口のような場所が。 ここから中に入るのかな…。でも屋内に入れるようなドアは鍵がかかっていたり、先ほどのお店のような場所ばかりです。まさか鮮魚が並んでいるとは思っていませんでしたが、もう少し魚が並んでいて活気があるものだと思っていました。今にも凍りつきそうな、想像以上の過酷な場所でした。

ついに市場らしいお店を発見。 奥に見えている白いコンテナの中にたくさんの箱が積まれており、その前に立っている人に声をかけると「鮭?あるよ」とその箱の一つからカチコチに凍った鮭を一匹引っ張り出して見せてくれました。ここか。この日は下見だったので、お礼を言って箱の中に戻してもらいました。

別の機会にここへ車で行くという先輩にお願いして、一緒に連れてきてもらいました。先輩は鮭を丸々一匹買って海鮮鍋をするつもりだったのです。 コンテナの扉にはこんな紙が貼ってあり、その日に在庫がある魚の種類が書いてあります。左上の紙には鮭の重さに応じた値段が書いてあり、それをみながら「7kg級のものを」とお願いします。コンテナの中で待機しているおじさんはいくつか鮭を出して見せてくれるので、好きなものを選ぶのですが、私には凍っている鮭はどれも同じに見えました。
紙に書かれている数字は1kgあたりの値段のようで、実際の鮭の重さを測って値段が付けられます。つまり7kgちょっとで28000テンゲほど。日本円にして9000円ちょっとですね。これを丸々持って買えるのは大変な上に冷蔵庫にも入らないので、お支払いをしている間に店の奥にある糸のこ機で切ってくれました。この時丁寧に「3等分?4等分?」と聞いてくれますが、文字通り3等分(あるいは4等分)で、別に部位に切り分けてくれるわけではありませんがありがたいです。

レジと糸のこ機しかないお店を出た瞬間に「エビは?」と聞かれました。海鮮鍋に入れたかったのでとりあえず出してもらいましたが、お目当ての尾頭付きではなかったので断ります。するとその店員さんは「あっち(入り口を出て右にある建物)に俺の店があるから、そこに行ったら尾頭付きのエビがあるよ」と教えてくれました。

次に目指すはその店です。とりあえず尾頭付きのエビ(もちろんカチコチ)を発見し、確保した後にほかの海鮮を物色していると、突然肩を叩かれました。驚いて振り返ると先ほどのおじさんです。「エビ見つけた??ここにあるよ」「もう取りましたよ!ほら。ありがとうございます」とアフターケアまでしっかりしていてびっくりしてしまいました。エビも安くはないですが、お正月に見るような立派な大きさです。私は瓶詰めのアンチョビを買い、お店を後にしました。

幸せの図。次の日に先輩のうちに呼ばれて行くと、しっかり解凍された鮭とエビの鍋を出してくれました。鮭のアラとエビのかしらからしっかりダシが出ていて、本当に美味しかったです。

みんなで美味しい美味しいと食べていると、次に出てきたのは漬け鮭と刺身。 その会には5人いたのですが、みんなお腹いっぱいになりました。買える前に先輩の冷蔵庫を見せてもらうと、まだ凍った鮭が…。7kgはとてつもない量だということがわかりました。

美味しくて楽しいサーモンパーティーでした。

Пока!

日本について質問されたこと

Привет!

大騒ぎしていましたが、昨日はそれほど温度が下がらず日中は-26度ほどでした。これならバスで市場へ行けます。家の中が暖かいので軽装になりがちですが、分厚めのコートを羽織ると寒さはほとんど感じませんでした。タイミングが悪くバスを20分ほど屋外で待っていたのですが、自分のことより購入した生卵は凍ってしまうのではないかと心配でたまりません。結果は全く凍っておらず、卵かけご飯を楽しめました。よかった。

ロシア語を習い始めてから、タクシーの運転手さんだけでなく先生とも話すことができるようになり、現地の人と触れ合う機会が増えました。そうなると日本に特別な興味や思い入れのないカザフに住んでいる人の日本に対するイメージが垣間見えます。今日はその中で印象に残っているものをいくつかご紹介したいと思います。ちなみに先日、タクシーに乗ったら「生きている日本人!初めて見た!」と言われました。もうすぐで「じゃあ生きていない日本人には会ったことがあるんですか」と聞きそうになりましたが、大人なのでやめました。

最近多いのは「テレビやインターネットで見たんだけど、本当?」というタイプの質問。ロシア語の先生は毎授業の導入としてこの手の質問をしてくるのですが、毎回「それどこで見たの?」というものばっかりです。例えば「酒って日本のウォッカって聞いたんだけど、アルコール度数は40度あるの?」など。これに「酒はそこまで度数が高くない。15%くらいかな」と答えると「そんなに低くて酔える?酔えなかったらアルコールを飲んでいる意味がないでしょう?」と言われました。これだから強いお酒の国は。先生によるとソ連時代は男性がウォッカを、女性はウイスキーを飲むのが普通だったそうです。
忘れられないのはとか「邪魔になったおばあさんを捨てる山があるって本当?」と怯えながら質問されたことです(先生はご年配の方です)。一瞬何のことか分からず固まっていると、一緒に授業を受けている友人が「姥捨山か!」と小さく叫びました。ああ、なるほど!え、どこでそれを?「本で読んだのよ」…誰がその本をロシア語で書いたんだ。
続けて「あ、レイカンってなに?」と聞かれました。霊感?冷感?友人は前者を、私は後者を思い浮かべたのでそれぞれ説明したのですが、先生が聞きたかったのは本の文脈から前者だったようです。これは「精神」と「霊」の違いを説明するのが大変でした。イスラム教における死後の世界について勉強すべきだったかもしれません。それにしても先生はどんな本を読んでいるのでしょう。

また、休暇の話をしている時に聞かれたのが「日本では、部下が休みを取らないと上司がとても怒って、週末や長期休暇を絶対取らせるんでしょう?」ということでした。思わず「え、それはどの世界にある日本の話?」と聞き返してしまいます。「そう、じゃああの噂はおとぎ話だったのね」と返されました。ちなみにいろんな国から来た生徒を見ている先生によると、日本や韓国はハードワーカーで仕事をしすぎだという印象がある一方、アラブ諸国ではいつ働いているのかと聴きたくなるくらい休暇が長いそうです。カザフスタンについては「普通」とのこと。日本の社会人の夏休みや冬休みが長くて1週間だというと「どうやって旅行行くの?」と聞かれました。その中で行くんですよ。

先日ロシア語の授業に行こうとした時に先生から電話があり「今日の天気は最悪だからお休みにするね」と言われました。通常これくらい曇っていて雪が降っていたら暖かいのですが、なんとこの時は-20度以下だったのです。風も強く、体感気温は-40度でした。それは休講になるわ。

ある時、タクシーの運転手さんに「日本ってこれからどんどん沈むの?」と突然聞かれました。え、そうなの?私も初耳です。「沈まないんならよかった!いつか行きたいと思ってたから。南極の氷が溶けて日本も沈むってインターネットで見たんだよ。カザフはしばらく大丈夫そうだけど」と言われたのですが、確かにそう思うと日本と対照的な地理だよな、と一人考えながら「おそらく沈むとしてもあなたが生きているうちは大丈夫だから安心して日本に行ってみてね」と伝えます。日本人にとってもカザフスタンはあまり馴染みがない国ですが、反対にカザフの人にとっても未知の国なんだろうな、といつも思います。それでも「日本人だ」と伝えると「やっぱり!日本人はカザフ人と顔立ちが似ているからね」と親近感を持ってくれているようで、嬉しいです。これからもどんな質問が来るか楽しみにタクシーに乗ってロシア語の授業に向かおうと思います。

Пока!

服のお直し

Привет!

昨日からの3日間がこの冬一番の寒さになりそうで、明日はついに氷点下40度になるのではと噂されています。そのため、今日中にバザールに買い出しに行こうと思っていたのに面倒くさくなってしまって結局明日家から出なければいけないようになってしまいました。反省の意味を込めてここに記しておきます。一方で、どこか氷点下40度を体験してみたい気もしています。本当にそこまで温度が下がるかな…?昨日は外が吹雪いていたので、少し暖かいのだろうと思って外に出ると氷点下20度でそのまま踵を返そうかと思いました。アスタナに来て知ったのですが、風速1mで体感気温が1度下がるそうです。そしてこの町はかなり風が強いので、多くの場合表示されている気温より10度から15度ほど体感気温が下がると覚悟しておいたほうがいいです。ちなみに風速20メートルを超えると当局から注意喚起のメールが来るのですが、最近は3日に一度ほどの頻度で届きます。気象庁のホームページ(気象庁|予報用語 風の強さと吹き方)によると、風速20メートル以上で何かにつかまらないと立っていられないほどの強さです。治安はいい街ですが、命の危険を時々感じます。

さて、そんな寒さの中、旦那は毎日スーツを着て仕事に行っています。ユニクロのヒートテックの上下は欠かせないそうですが、それでもあまり寒さは感じていないようです。そんなある日のこと、帰ってきた彼のスラックスに大きな穴が開いているのを発見しました。そういえば以前氷の上で滑ったといっていましたが、そのせいでしょうか。もう今となっては原因が分からないので、古くなっていたのもありこの機会に新しいスーツを買うことにしました。

mickymm.hatenablog.com この記事で出てくる、ショッピングセンター「ケルエン」はほかのところに比べると男性のスーツを取り扱っているお店が多いのでここへ向かいました。既製品だけではなく、仕立ててくれるお店もいくつかありましたが、とりあえず今回はぶら下がりを買うことにします。いくつか試着して、値段とサイズと色がちょうど気に入ったものに決めましたが、既製品の常でスラックスは長めでした。試着したときに店員さんに「裾上げはいくらですか?」と尋ねると「このお店ではなく、いったん購入してから向こうの洋装店でお願いします」とのこと。そういいながら店員さんが旦那に合う丈で印をつけてくれます。

レジでお支払いをしているときにもう一度詳しく聞いたお店の場所へ行ってみると、ショッピングセンターのメインではない出入り口の脇にひっそりとありました。 このショッピングセンターには何度も来ているのに初めて見たほどです。ここでは裾上げをはじめ、いろいろな服のお直しをしているようで、ドアをくぐると決して広くはない部屋の中でミシンが5台ほど並んでおり、それぞれの前で女性が忙しそうに働いていました。 これでお店の全体像です。みなさん一生懸命なので、入店した私たちに全く気が付きません。邪魔してはいけないと思いつつ、小声で「こんにちは」と言ってみましたが誰も顔をあげないので、もう少し大きな声で「すみません!」と言ってみました。すると作業していたうちの一人が顔を上げて「はいはい、どうされました?」とこちらに近寄ってきてくれました。「このスーツの裾上げをしてほしくて」というと、入り口近くにあった更衣室を指さし「あの中で着替えてください。計ります」と指示されました。印をつけてくれたスーツ店の人には悪いのですが、やはりこの場で計ってもらうほうが安心です。 計測されている図。 計り終わると、引換券を渡しながら「明日の午後7時以降にできます。お代はその時で。2500テンゲ(800円ほど)です」と店員さんは言いました。

二日後に引き取りに行くと、抱えている仕事が多いのかかなり探し回った後、ちゃんと出てきました。小さなお店なのでレジもなく、4000テンゲを渡すと作業をしてくれた人が自分のお財布を持ってきて、お釣りを渡してくれました。作業した人がそのままお金をもらう制度なのかな。仕上がりはさすがプロで、裏地まできれいに処理してありました。今度は破れた服とか持っていこうかな。

ここ以外にも、こんなアトリエが街中にたくさんあります。バザールの洋服コーナーの近くには必ずアトリエが2、3あり、出来もとてもいいと聞きました。またあるお店では着物をワンピースにリメイクしてくれるそうで、いろいろと試してみるのも楽しそうです。

Пока!

タイトル回収

Привет!

前回、カザフスタンのファストフードのことを書きましたが、全世界的に展開しているチェーン店の中でもカザフスタンで人気なのがスターバックスです。スターバックスといえばご当地マグカップが有名ですね。以前この記事で紹介しましたが、 mickymm.hatenablog.com カザフスタンのカップは特にお気に入りです。これ以来毎日使っています。そしてこのカップ以外には期間限定メニューが国によって違うくらいで、ほかのメニューは世界共通なのだと思っていました。こちらのサラダコーナーを見るまでは。 一見どちらも普通のサラダですが、なんと左にあるのは「馬肉サラダ」です。馬肉サラダ…。日本やロシア、イギリスなどほかの国で見たことがないので、おそらくカザフスタン(あるいは中央アジア)限定だと思われます。ご当地メニューがあったとは。

この一週間後、週末に郊外にある大型スーパー「メトロ」に連れて行ってもらいました。アスタナはそんなに大きくない町なので、少し車で走るとすぐ地平線が見えるようなだだっ広い場所に出ます。メトロはそんな土地にぽつんと立っているのですが、その日はメトロの前に黒いものが点在していました。今は冬で雪が積もっているので黒いものは目立ちます。遠くから「あれはなんだ」と見ていたのですが、近づくにつれてその正体がはっきりしてきました。 え、もしかして…馬…?馬の群れが雪の中でたたずんでいたり、雪の下の草を食んだりしているのです。カザフスタンといえば馬のイメージがあったので、ブログのタイトルにもそこからインスピレーションを得ていたのですが、アスタナが想像以上に都会で馬を全く見かけませんでした。そうこうしているうちに本格的に冬に突入したので、本物の馬を見るのは次の春までお預けだなあと思っていたところだったのです。こんなところで出くわすとは。遠くから見るとなんだか牛のようですが、間違いなく馬です。こんなところで会えるのか。

今から思えばこの時から馬との縁があったのかもしれません。そのあとすぐに知り合った方がこの地で乗馬をしていると聞きました。しかもご好意でその乗馬クラブに友達と共に連れていってくださるというではありませんか。カザフスタンでしたかったことナンバー1の乗馬がかなってしまいました。その方曰く、アスタナには3,4個ほど乗馬クラブがあり、施設のレベルはそれぞれのクラブにより全く違うとのこと。今回連れて行ってくださったところはかなりしっかりしているところでした。そしてその後ほかの人から聞いた話も併せて考えると、どこの乗馬クラブでもほっておかれるそうです。

乗馬場にはかなり立派な馬が5頭いて、そのうち一頭は競技の練習でバーを飛び越えたりしており、そのほかにはそれぞれインストラクターさんが横についていました。そのうちの一人と一頭に近づくと、インストラクターさんは馬の上に乗るのを手伝ってくれた後「これまで乗った経験は?」と聞いてきます。牧場の引馬体験は何度もしたことがあるのですが、おそらくそれを聞かれているわけではないようなので、「一度だけ」と答えます。今から10年ほど前にモンゴルの草原でもっと背の低い馬に乗ったことがあるのですが、ほとんど感覚を覚えていません。インストラクターはその話を聞くと、「とりあえず、手綱はこうもって。できるだけ馬の顔に近いところで持つんだ。そう、そして前に進むときはお腹をけって。方向転換は手綱をしっかり行きたい方向に引っ張ったらこいつはわかるから。とりあえず壁際にトラックがあるからその上を歩いてみようか」と優しく教えてくれました。彼は馬をひいてはいないものの、横について一緒に歩いてくれます。なんだ、ちゃんと見てくれるやん、と思っていたら私と同じくらいの経験しかない友達はインストラクターなしで一人で歩いていました。のちに聞くと「基本操作を教えてくれたあとは『行ってらっしゃい!』といわれただけで、そのあと声をかけられることといえば『もっと早く歩きたい?走りたい?』とか『日本って島が何個あるんやっけ?』とか『日本では馬食べる?』とかだけだった」そうです。それは彼女の筋が良かったからなのか、そのインストラクターさんのやる気がなかったからなのかは不明です。私のインストラクターさんはこまめに「もっと手綱意識して」「馬が首を下げても振り落とされないようにしっかり合わせて」とアドバイスしてくれます。一度「日本って馬いないの?カザフではみんな子供の時から乗れるよ」といわれました。本当に!?でも確かに日本では馬に乗る機会はほとんどありません。馬は賢いので、こちらが怖がっていたり反対に調子に乗っているとばれそうだと思い、馬の気持ちになってみることにしました。しかしそうすると「なんで人間を上に乗せなければいけないのだ」という思いでいっぱいになってきたので、申し訳ない気持ちになります。しかし一時間もする頃にはしっかり指示通りに動いてくれるようになり、気怠さもなくなり(はじめは私を乗せて嫌なのかと思うくらい気怠げに歩いていたのです)、すこし心が通じ合えた気がしました。

次の日にはお尻の骨と背筋、腹筋、その他下半身の筋肉が痛みましたが、もっとうまく乗りこなしたいので今後も通おうと思います。ほかの乗馬クラブにも行ってみたいです。

Пока!

カザフスタンのファストフード

Привет!

いつもバザールに行くと大根を買って帰るのですが、ついに今日顔なじみの店員さんに「いつも大根買っていくけど、これ何に使うん?」と聞かれました。「煮たり焼いたり」というロシア語がぱっと出てこずに頭の中で必死に辞書をめくっていると、彼女は続けて「食べるん?」と聞いてくるではありませんか。あ、そのレベルから疑問に思っていたの。そもそもあなたは野菜を売っているのではないのか。確かにほかの人が大根を買っているのを見かけたことはありませんし、そういえばモスクワのスーパーでもおばあちゃんに「これどうやって食べるの?」と聞かれました。店員さんには「もちろん食べるよ。日本の食卓には冬になると大根をよく使うの」と返しました。すると彼女は「ああ、韓国や日本ではよく食べるって聞いたことがあるわ。なるほどね」と納得した様子。ちなみに大根はロシア語でもДайкон(ダイコン)と呼ばれています。最近スーパーやバザールにも並ぶようになったのかな。韓国語でなんというかご存知の方がいらっしゃったら、コメントで教えてくださるとうれしいです。

さて、今日はアスタナでのファストフード事情のお話。カザフスタンに来てすぐの記事で「マクドナルドが初めてこの国に上陸したのは2016年で全国で10店舗」だという話を書きましたが、ケンタッキーは国全体で9都市44店舗、モスクワで人気のバーガーキングも9都市40店舗あるのでマクドナルドが特別少ないようです。それでも全国で40店舗というのは多くはありませんが。私が日本のケンタッキーで一番好きなメニューはビスケットなのですが、それはロシアにもカザフスタンにもメニューに載っておらず、バーガーとツイスター、鶏肉がたくさん入ったバスケットが中心となります。ランチセット(ビジネスランチと呼ばれています)が安くてお得です。バーガーキングについては日本であまり見かけなかったので違いが思いつかないのですが、ロシアとの違いは全くありません。

一方でマクドナルドはロシアとも日本とも少し違います。まず豚肉は基本使われないので、バーガーのパテも牛か鶏か魚です。そしてロシアではセットが全くなかったのですが、カザフスタンのマクドナルドにはありました。日本のセットは基本的にバーガーとポテトとドリンクですが、なんとカザフスタンのセットにはナゲットとポテトとドリンクのセットがあるのです。ナゲットの量も選べるので、マクドナルドで一番好きなメニューがナゲットの私は大喜びしています(誰も聞いていない)。ただ、いつも頼んでしまってから出てきたものを見て「健康に悪そうだなあ」と思います。揚げ物ばっかりで、色合いが全体的に茶色いのです。

ところで、せっかくカザフスタンの話をしているのだから外国から入ってきたファストフードのお店ではなく、カザフスタン独自のお店が知りたいという声が聞こえた気がするのでご紹介します。 このHardee'sです(真冬になるとお店の前で立ち止まって外観をとるという発想がなくなってしまいます。袋の写真でご了承ください)。全国で14店舗しかないのですが、アスタナは街が小さいからかよく目にします。ほとんどがガソリンスタンドにくっついいるのですが、アルマトイの山間にあるスケートリンク、メデウでも見かけました。リンクわきにお店があるのでスケート靴のままハンバーガーが食べられます。 先日、初めて行くことになりました。その時はお持ち帰りにして友達のお家で一緒に食べるという計画を立ててお店に入ろうとすると、なんと店員さんが内側からドアを開けて迎え入れてくれたのです。確かに外気温が氷点下20度なので外側のドアの取っ手は凍り付く冷たさです。その取っ手に触れる直前という絶妙なタイミングでドアを開けてくれ、笑顔で迎え入れてくれました。ここは本当に旧ソ連の国か、と疑ってしまうサービスの良さ。注文してからカバンの中で行方不明になった財布を探している間も笑顔で待っていてくれるし、持って帰るためにビニール袋をお願いするとなんとこちらに渡す前に袋の口を開いてくれました。この店員さんが特別気が利くのかと思っていると、よく来る友達によれば「基本的にサービスがいいよ」とのこと。 ちなみにソフトドリンクを頼むと紙コップを渡されて自分でジュースを入れるよう言われました。この方法であれば氷やジュースの量を調整できるので良いですね。

さあ、食べてみましょう。 このポテトの量に、ケチャップは二つもつけてくれました。実際このいいサービスを受けるまではロゴマークに書かれている星の笑顔が胡散臭いと思っていたのですが、いまなら心からの笑顔だと信じられます。バーガー自体はパンが柔らかくポイントが高かったのですが、この日のパテは焦げていてかなり香ばしかったです。さすがに毎回焦げているということはないと思うので、またチャレンジしてみようと思います。

ガソリンスタンドについているのでドライブスルーも充実しており、車で行くと寒い思いもせず、ガソリンも入れられて一石二鳥のようです。カザフスタンに来られた際はぜひ!

Пока!

街中のカザフ文様

Привет!

今日はまた日中も氷点下30度近くまで気温が下がり、外は晴れ渡っていました。外に出る気がしなかったので家の中で用事を済ましていたのですが、ふっと改めてリビングを見ると、クリスマスツリーがまだそこに立っているではありませんか。二か月以上飾っていたのでほとんど壁紙に溶け込んでいるかのように思っていたのです。気が付けばあれほど街中のあちこちに飾られていたクリスマスツリーも先週から徐々に片付けられていき、今はもう見かけなくなってしまいました。それにしても私は毎年2月が目の前に迫ってくる頃までクリスマスツリーを片付け忘れます。来年こそ1月7日が終われば片付けたいものです。

日本にいる友達から「Netflixでカザフスタン見たよ!アスタナって近未来都市なんだね」というメッセージが来ました。こうやって多くの人にカザフスタンやアスタナの知名度があがるのは素敵なことだなあと思います。黒川紀章さんが設計したこの町は「近未来的だ」といわれることが多く、確かに新市街地を通ると自分がどこにいるのかわからなくなりますが、この街の素敵なところは、よく見るとそんな近未来都市のあちこちに伝統的なカザフ文様が潜んでいることだと思います。私はそんなエスニックな模様がとても好きなので見つけると思わず写真を撮ってしまいます。今日はこの4か月弱で撮りためたカザフ文様を写真と共に紹介したいと思います。

まずはこちら。 先日の日本文化祭が行われた青少年宮殿のドアです。木製だということもポイントが高いですね。ただせっかくの模様を隠してしまう「飲食禁止」の張り紙があるのでマイナス10点。

こちらはアスタナのナザルバエフ空港で見つけたもの。透明なところに描かれているので見つけにくいのですが、その分見つけた時に嬉しくなりました。デザインとしてはシンプルなので周りの風景にも溶け込んでいますね。

そしてこちらはアスタナ・オペラのバルコニー部分に描かれていたカザフ文様。大きな模様と細かい模様が組み合わされていて、メリハリがあっていいですね。建物の外観はボリショイ劇場のようなのですが、この模様によって「カザフスタンの劇場だ」ということを知らしめているので30点加点。ちなみに舞台の幕にも小さくカザフ文様が描かれています。

新市街地の中でも不思議な形の建物が集まっているバイテレクとハン=シャティール間の道にあるショッピングセンター「ケルエン」はほかのショッピングセンターに比べるとカザフ文様が多いのでお気に入りの場所です。 特にフードコートの天井には草原と砂漠、そしてラクダの隊商が描かれていて異国気分を味わえますし、そのフードコートへと伸びているエスカレーター横につられている謎のオブジェと柱はカザフ文様の宝庫です。それが上の写真。別に光るわけではないのですが、この形と色合いが模様を引き立てています。一方で銀色の柱に描かれた文様は目立ちませんが、よく見ると描かれているのは一種類ではないところにこだわりを感じます。

先述したバイテレクとハン=シャティールを結ぶ遊歩道にもカザフ文様がありました。 ベンチも横の壁も違う種類のものが描かれているのに統一感があり、見事の一言です。ここを歩くと夏で15分、冬は20分ほどかかるのですが、この模様のおかげで幸せな気分で散歩できます。冬は下が凍っているのであまり模様を見る余裕はありませんが。

そして実はハン=シャティールの入り口に掲げられている文字の横にもカザフ文様が潜んでいます。夜になると光るのですこし模様がぼやけてしまうのが残念ですが、昼間ははっきり見えます。ちなみにこの写真を撮ったのは秋だったので雪は全くありませんが、今はこのテント型の建物には雪が積もっています。雪の重みでこの優美な曲線が壊れてしまわないのか心配になりながらいつも見ていますが、そんなに柔らかくは作られていないようです。

そういえばいつかこのショッピングセンターの真ん中に大きな国旗が飾られていたことがあったのですが 国旗の左端にもちゃんと文様が描かれています。それにしてもこの国旗のデザインといい、色合いといい、何度見てもほれぼれしてしまいます。

さて、カザフ文様の魅力に気が付いたあなたに朗報です。ユーラシアバザールなどのバザールでは、裁縫道具を売っているお店があるのですが、そこのショーウィンドウにカザフ文様のリボンが並んでいました。ここでこのリボンを購入すれば好きなだけお家でカザフ文様を眺めていられます!お店によって色合いや模様が違うので、自分の好みのリボンをぜひ見つけてくださいね。 趣味全開の記事でしたがここまでお付き合いいただきありがとうございます。また第二弾もどこかでしたいです!

Пока!

お絵描きの時間

Привет!

最近は気温を見て外出する服を決めるのも面倒で、外が曇っていて霧が出ていたら暖かい、外が晴れ渡っていて見晴らしがよかったら寒い、など勝手に決めて防寒着を用意するのですが、先日家を出るときは霧が出ていたのに、エレベーターに乗っている間に霧が晴れて青空まで出てきたのでとても寒かったです。でも雪の後に気温が下がると樹氷がたくさんできるので散歩が楽しく、思わず長時間外にいてしまいます。おかげで今少しのどが痛いです。

お友達から「絵を描きに行きませんか?」とお誘いをいただきました。何を隠そう、私は絵の才能が皆無です。できれば日常で簡単な絵も描くことを避けて生きてきました。美術の成績は悪すぎて記憶から消してしまいましたが、高校で選択しなかったのは確かです。ということで、筆を持つのはおそらく中学生以来になります。そこまで考えたところで、久しぶりに絵をかいてみたくなりました。しかも聞くところによると、手本をまねて書くということです。これなら何とか形になりそう。

アスタナの中心を通るイシム川沿いに、マンション群「ハイビル」があります。外国人が多く住むこのマンション群は、それぞれの建物の一階がスーパーやレストラン、その他いろいろなお店になっているのですが、このハイビルの一角に「コミュニティーセンター」があり、そこではジムやスイミングプール、ヨガ教室などが入っています。そしてそのコミュニティセンターの中に小さなアトリエがありました。 左手直ぐのところにドアがあり、右手にはあと3人ほど並べるスペースが広がっているだけの本当に小さな場所でしたが、居心地はとてもよかったです。壁にかかっている絵は買えるそうで、下に置いてある絵がお手本として使うもの。かなりの種類がありました。先生が一人で一度に教えてくれるので、一緒に受講するメンバーでどの絵にするか前もって決めておきます。今回私たちが描く絵はこちら。 鯉ですね。これは見本です。インスタグラムにどんな絵があるか載っているので、その中から選びます。アスタナはインスタグラム文化で、お店の情報やイベントの情報もすべてインスタグラムで情報収集することが多いです。ここのアカウントは「artspace.astana」で検索!facebookもあるようです。

アトリエに入ると、用意されているエプロンをつけて、キャンパスの大きさを選びます。先ほどの写真のキャンパスは小さいサイズの35×45㎝で、大きいサイズは40×50㎝です。受講料も含めて小さいサイズで書く場合は5000テンゲ(1700円弱)、大きいサイズは6000テンゲ(2000円)ととてもリーズナブル。 夢が広がる真っ白なキャンパス。プラスチックのお皿にアクリル絵の具が乗せられたものが先生から手渡されます。そのあとは先生の指示に従って、筆を使い分けながら絵の具を混ぜて背景を塗り、魚の輪郭を描きました。先生は説明を終えると生徒である私たちのところに来て見回りながら「ここもっと丸くして」「これは細すぎる」など的確に指示を出してくれました。そしていよいよ体の色付けです。見本を見てもらえばわかるように様々な色が混ざり合っているので好きなようにやらしてくれるのかな、と思っていると順番があるようで「まず赤を作って、このあたりに筆をおいてー」と指示されました。途中「青と黄色で何色になるかな?」と聞かれたりもします。 途中経過。絵の具は途中でなくなってもたっぷりもらえるので安心して使えます。色むらがあるほうが「芸術」のようでかっこいいように思ったのでかなり自由に塗りました。何度か見に来た先生は、はじめのほうこそ「ここはもっと赤いほうがいいよ」や「この緑はもう少し濃いほうがよくない?」といっていたのですが、最後になってくると「うーん…好きにしていいよ」といわれました。お手上げだったのでしょうか。ただ、目の色とひげにはこだわりがあるようで「早く目を描いて!」といわれます。目を描いてしまうと表情が決まってしまうのでかなり緊張しましたが、結局私の魚の種類を決定付けたのはひげでした。どう頑張っても細くならなかったひげを持つ私の魚はどこか鯉というよりどじょうに近くなってしまいました。 特に下の魚が。色合いも黒っぽくしすぎたのがいけなかったのかもしれません。それでもやはり自分で描くとかなり愛着がわきます。そんなに悪くないやん。

上手に書けないとストレスがたまるのではないかと心配していたのですが、そんなに変なことにはならず、また周りの人と笑い合いながらかけるので良いリフレッシュになりました。またほかの絵にも挑戦してみようかな。ワインのお店で、ワインを飲みながら絵を描くイベントもやっているそうで、それにも参加してみたいです。

Пока!