馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

イスタンブール・グルメ(二日目)

Привет!

少し時間が空いてしまいましたが、トルコ編最終回です。この旅行でトルコの料理がどれほど美味しいかを知ったので、ご飯の話で締めるのがぴったりだと思ったのです。イスタンブールでの二日目はトルコ旅行の最終日だったので、とりあえずこれまで食べていないものを見つけると食べてみるようにしていました。そんなお料理の数々をご紹介します。

①ドネル・ケバブ トルコ料理といえばこの巨大な肉の塊を想像する方も多いでしょう。私たちもせっかくトルコに来たのだから食べなければと思っていたのですが、なかなか勇気が出ませんでした。というのも、去年まで住んでいたモスクワにもヌルスルタンにもドネルケバブの屋台が(シャウルマやシャワルマという名前で)たくさん並んでいるのですが、衛生状態があまりよくないと聞いていたからです。モスクワの語学学校での友達も「あっちの屋台は3回行って2回も当たった上にまずかったけど、こっちの屋台は6回中2回しか当たっていないからこっちの屋台がいいよ」などと教えてくれました。いや、そもそも1回でもあたったならもう行かなければいいのに。でもイスタンブールはドネルケバブの本場です。勇気がなく食べずに帰ると後悔する気がしました。あたった友達も美味しいから何度も通うのかもしれない。

極度の空腹でふらふらとガラタ塔から出てきた私たちは、目の前にあった肉の塊にそのままふらふらと引き寄せられました。接客業の人はみんな人懐っこい笑顔をむけてくれるのですが、このお店の人も例にもれずとてもいい笑顔で奥から出てきました。「ケバブかい?鶏か牛を選んで、それからお肉はトルティーヤ(ラップ)とホットドッグのパンとどっちで包もうか?」と言いながら串刺しの巨大な肉に向き直ります。「ビーフで!そしてトルティーヤに包んでください。あ、お水も一つ」7月下旬のイスタンブールは過ごしやすいながらもとても暑く、みるみるうちに手持ちの水は減っていきます。「了解!ちょっと待っててね。ところで日本人かい?イスタンブールは初めて?」店員さんは口と同じくらい手も速く動かしてあっという間にドネルケバブが完成しました。「ありがとう!これがトルコで食べる初めてのケバブなんです」「そうなのか!それは正しい店を選んだよ」と店員からのお墨付きをもらったので、次の目的地へ歩きながら出来立てのケバブにかぶりつきます。

ケバブってこんなに美味しいの!お肉の濃い味が、野菜とトルティーヤに完璧に合います。お肉も濃いとは言っても辛くも重くもなく、香ばしさが口いっぱいに広がるので、どんどん食べられました。せっかく買った水を飲むのも忘れて、旦那と取り合うように二人で食べました。あまりにも美味しかったのでさっきのお店に戻ってもう一つ注文しようかと思いましたが思いとどまって次へ行きます。

②イカリングとムール貝のフライ ガラタ塔からイスティクラール通りを歩いていくと、魚市場がある通りの横に上の写真のようなアーケードがあります。このアーケードの下には海鮮レストランがいくつか連なっています。今回の目的はイカフライ。旦那がイカフライをどうしても食べたいといっていたのですが、前日の屋台ではどこも売り切れていたのです。前日から注文する気だったので席に着くなり「カラマル・タワ(イカのフライ)」とトルコ語で注文する旦那。私は前日のムール貝のピラフ詰めが忘れられず「ミディエ(ムール貝)…」とつぶやくと「ムール貝のフライはどうですか?」と店員さんが私の意図を汲んでくれました。トルコ語は食材の名前の語彙ばかりが増えていきます。 イカは柔らかく、塩だけのシンプルな味がイカのおいしさを引き立てます。イカは好物というわけではなかったのですが、これを口に入れた瞬間に好きな料理になりました。そして想像できますか、ふわふわのムール貝を。ピラフ詰めは味の引き締まった歯ごたえのしっかりしたムール貝だったのですが、フライにするとこんなに食感が変わるとは思いもよりませんでした。この国は揚げ物が美味しい。

③スイーツ イスタンブールでは数百メートルごとにトルコアイス屋さんがあります。屋台でトルコの民族衣装のベストと帽子をかぶったおじさんにアイスを注文すると、アイスをすくう棒と、粘りが強いアイスをつかってパフォーマンスをしてくれます。おそらくこのパフォーマンスは調べると動画が出てくると思うのでぜひどうぞ。パフォーマンスを堪能した後、アイスの値段を聞くと「50リラ」とのこと。え、二つで1000円?ということは一つ500円!ちなみにアイスはトルコ語でドンドゥルマと言い、アイスで有名な街マラシュの頭2文字をもらった「MADO」という名前のアイス屋さんが街には本当にたくさんあるので、パフォーマンスは別に興味ないという人はこちらでもいいかもしれません。MADOはヌルスルタンにもあります。

トルコはこのアイスをはじめとして美味しいスイーツがたくさんあります。その中でも前から気になっていたキュネフェを注文してみました。 写真からもわかるように、チーズが使われたこのお菓子は、とても甘いです。金属製のお皿の上に、素麺を細かくしたような生地(カダイフ)を敷き詰め、チーズをのせ、またカダイフを満遍なく敷き、焼き上げます。仕上げに甘いシロップとピスタチオの粉をかけたら完成です。歩き疲れた体にこの甘さはしみわたりました。サクサクのカダイフの食感は楽しく、チーズとシロップが合うのでどんどん食べられるのですが、半分を超えたあたりでチーズの重さとシロップの甘さが効いてきます。個人的には2人で一つを食べるのが得策かなと思いました。その時横で旦那が食べていたのはライスプディング。 これもトルコで大人気なので、甘いお米が大丈夫だという人はぜひ試してみてください。

こうして楽しかったトルコ旅行は幕を閉じました。見たかったものを見、食べたかったものを食べ、してみたかったことをして、そして想像以上に素敵な人やものに出会えた旅でした。旦那にこれまで行った旅行先で一番良かったのは?と聞いてみると「トルコ」と即答するほど印象深い国になりました。これだから旅はやめられません。次はどこに行こうかな。