馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

サンクトペテルブルクでの出会い

Привет!

ロシア文学を読んだことはありますか?来る前も、そして来てからもどこか陰鬱としたイメージしかなく、あまりちゃんと読んでいなかったのですが、母が「これは面白いよ」と教えてくれた短編小説があります。1836年に発表されたゴーゴリの「鼻」というお話です。iBookなどでも無料で翻訳があるので機会があれば是非。なんといっても設定が凄まじいのでご紹介しますね。

サンクトペテルブルクのヴォズネセンスキー 通りに住んでいる理容師(イワンさん)がある朝、朝食に出てきた食パンを食べていると中から人の鼻が出てきました。この鼻は常連客の八等官コワリョーフさんのだ、昨日の施術中に手が滑ってしまったのか…と気づいたイワンさんは何とかしてその鼻を捨ててしまおうと出かけます。一方朝起きたら突然鼻がなくなっていたコワリョーフさんはネフスキー大通りを歩きながら必死で探します。途中服を着て歩く自分の鼻と出会ったり、新聞社に広告を出してもらうよう頼みに行ったりするコワリョーフさんの努力は実るのかーーというお話です。

サンクトペテルブルクの各所が出て来るので知っているとより楽しめますし、読んでから行っても「ここがあの…!」という楽しみ方ができます。そして私たちは理容師の住んでいたヴォズネセンスキー通りにこの鼻の彫刻があると聞いて探しに行きました。 ありました。思ったより「鼻」です。ちゃんと周りには「コワリョーフの鼻」と書いてあるのですが、小説を知らない人からしたらちょっと度肝を抜かれる光景です。イサク広場から伸びるこの通りを20分ほど歩かないといけませんが、見つけると少しテンションが上がります。私たちがカメラを向けて写真を撮ったりしていたので、通行人はみんな何があるのかと見上げていました。

彫像といえば「青銅の騎士」という銅像もあります。 イサク聖堂とともに。これはエカテリーナ2世の命で建てられたピョートル1世の像なのですが、プーシキンがこの像を題材にして書いた詩「青銅の騎士」が有名になったため、この名前が定着しました。

どこかで「この馬のあげた前足を下ろす場所がないことが、ロシアそのものを表しているようだ」と誰かが揶揄したと聞いたことがあったので、この像を前にした時の私と母の第一声が「下ろす場所あるやん」でした。よくある四角の台座ではなく、躍動感のあるこの花崗岩はフィンランドから2年もの年月をかけて運んだそうです(ウィキペディアより)。規模がすごい。

お次はネフスキー通り。この辺りはパフォーマーがかなり多く、至る所から音楽が聞こえてきたり、銅像のふりをした人が突然動いて通行人を驚かしたりしていました。その中でも気に入ったのはこちら。 かなり厚い底の靴をはいて、何も言わずに立っているこちらの方が持っている箱に10pを入れて、丸い穴に手を入れると、細長い皮に筆記体で書かれたおみくじのようなものが引けます。私のものには「高貴さを失わずにがんばれ」みたいなことが書いてありました。母には「真実は真実だ」、旦那のには「力で勝とうとするな」と。ネフスキー通りのドームクニーギのあたりからエルミタージュまでで2、3人見かけ、人がひっきりなしに引いていました。こういうちょっとしたエンターテイメントも楽しめるところは、モスクワより観光地らしいなあと思いました。

さて、いよいよこのサンクトペテルブルクを離れて最終目的地へ向かいます。その話はまた明日。

Пока!

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サンクトペテルブルクのホテル

Привет!

突然ですが、ロシア語で「教室の」はклассный、「美しい」はкрасивый、「赤い」はкрасный と言います。昨日テレビで私の青春時代にお世話になったテレビ映画「ハイスクール・ミュージカル」が放送されていたのですが、ロシア語表記では"Классный мюзикл"となっていました。当時一緒にハマっていた友人に思わず「美しいミュージカルって言うんやって!」とメールをしてしまった後で、見間違いに気づきました。慌てて訂正しました、「赤いミュージカルやって!」と。なんでそんな名前やねん、とブログのネタにしようと思ってよく見てみると、間違っていたのは私でした。「教室のミュージカル」という名前だったのです。恥ずかしい。

さて、サンクトペテルブルク3日目はエルミタージュへ行ったのですが、ここについては前に書いたので省略します。あ、敷地内で猫に出会いました。ほんまにいるんや!そして観光客は3月の1.5倍から2倍でした。相変わらず音声ガイドは面白かったです。

もうそろそろ次の土地に移ってしまうので、この地で3泊お世話になったホテルについて書こうと思います。 前回泊まったアレクサンダーハウスと同じようなリビング+2部屋という形態を探していたところ、この「ステイブリッジ・スイート」というホテルを見つけました。写真のようにキッチンとテーブル、リビングが真ん中にあり、両端にそれぞれの部屋が付いているタイプです。また各部屋にシャワーがあり、混雑しがちなバスタイムもバッチリです!ただ、歯ブラシは有料なので歩いて5分もかからないところにあるスーパーで購入することをお勧めします。ホテルで買うと一本200pとか言われました。

寝室はこんな感じです。朝食も毎朝バイキングがあり、ドリンクの種類が豊富でした。願わくばブリヌイが欲しかったです(すっかりロシアに来てからブリヌイ好きになりました)。

実はここに泊まる10日ほど前に突然登録していた旦那のカードからお金が引き落とされました。調べてみると「ホリデイ・イン」の受付が引き落としたようなのですが、朝の9時だし、泊まった覚えもなくて詐欺にあったのかと思いクレジットカードを作り直してもらっていました。そして初日にチェックインと同時に支払いをすると、なんと支払い先が「ホリデイ・イン」となっているではありませんか。ステイブリッジ・スイートだと思っていたこのホテルはホリデイ・インが親会社だそうです。紛らわしい…銀行にカードを作る手間をかけてしまいました。その10日前に引き落とされたのは保険金とかで、1週間後には返ってきます。びっくりした。

しかし、何よりこのホテルの魅力は立地の良さ!地下鉄まで歩いて5分ほどです。地下鉄青線の「モスコフスキー・バロータ(Московские Ворота)」という駅が最寄りです。バロータというのは門という意味のロシア語ですが、駅から出るとその理由がすぐに分かります。 どーん。ここから「モスクワ通り」が伸びています。サンクトペテルブルクまで来てモスクワ通りに泊まるのかとも思いましたが、そもそもこの門は1829年の露土戦争の勝利を記念して建てられたものだそう。凱旋門ですね。

ここからであればネフスキー通りの駅まで二駅ほどですし、ツァールスコエ・セローに行くマルシュルートカが出るКупчино駅へも一本で行けるので大変便利です。

さあ、いよいよ最終目的地へ移動します! Пока!

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ロシアの日

Привет!

今日だけは少しモスクワに話を戻しますね。

久しぶりに何もない週末だったので、日曜日に次の日までの宿題を終わらせて旦那と散歩に出かけました。赤の広場では何か大型行事の準備を進めています。 へー、ロシアの日っていうのがあるんだ。しかも6月12日ってもうすぐ…というか明日!というところまで思ったところで気がつきました。もしかして月曜日祝日?慌てて先生に赤の広場でメールをします。「明日って授業ありますか?なんかロシアの日だって聞いたんだけど」すぐに返事が返ってきました。「ごめん、言い忘れてたわ!明日授業ないで!いい祝日を過ごしてね♪あ、もし他のクラスメイトが知らないようだったら教えてあげて」まじか。旦那も「そういえば明日休みや」とか言い始ました。色々と初耳です。 さて、この「ロシアの日」というのは比較的新しい(20年ほど)祝日だそうです。1990年、かろうじてソ連時代のロシアでは連邦諸国が次々と自国の主権宣言をしており、ソ連の人民代議員大会(いわゆる政府ですね)が焦り始めて6月12日に「国家主権に関する宣言」を採択します。内容はほとんどなく、象徴的な意味でしかなかったそうですが、この日は「独立記念日」と呼ばれるようになりました。まだこの時は翌年にロシア自身がソ連から抜けることになるとは誰も予想していなかったにも関わらず。そういうわけで、何の何からの「独立」かわからないまま祝日だけはあったのですが、1998年にエリツィンが「ロシアの日」と呼称を改め、今の形になったそうです。

「ロシアの日」にちなんで、今日までトベルスカヤ通りや赤の広場の歴史博物館前、コローメンスコエをはじめとしたモスクワの各所では"Времена и эпохи(時間と時代)“というイベントが行われていました。歴史博物館前では19世紀や20世紀の服装、移動手段などが展示されています。 説明によると、ヨーロッパでは19世紀ごろに消えたこのような衣装も、ロシアでは20世紀半ばまで着られていたそうです。

昔ながらの自転車や車の展示(中には当時の服装をしたおじさまと運転手が座って談笑していました。なんていい仕事なんでしょう)、ロシア各地のお土産の屋台、レモネードやアイスクリームの屋台などが並んでいます。こどもが寝転べるハンモックやメリーゴーランドなどもあり、家族連れで賑わっていました。なぜか身長を測ってくれる人もいて、二人で測ってもらいました。思っていたより1mm伸びていました。わーい。

ここまでは日曜日のことで、まだ当日ではありません。本番は今日だ!ということで、トベルスカヤから赤の広場まで歩くという作戦を立て、トベルスカヤ駅から降りようとしたら、出口がしまっていました。またデモがあるという噂があったので、そのせいかしら。仕方なく赤の広場に近いアホートヌィ・リャード駅から地上に上がります。

なんとトベルスカヤ通りと交差しているアホートヌィ・リャード通りの両方が歩行者天国になっています。ひたすら人、人、人。空にはヘリコプター。会場内にあった地図を見ると、 それぞれテーマの時代があるようです。あれ、私たち遡ってるな…。

会場内では中世の騎士が戦っていたり フェンシングをしていたり、プロレスをしていたり(それぞれの時代の服装で、です)、何かと戦っていたかと思うと、第一次大戦のコーナーでは200p(400円)で炊き出しをしていたり (見ていると蕎麦の実にパンという炭水化物を配っていました) 歩行者天国の真ん中に銅像が一晩にして建てられていたり、めちゃくちゃ楽しいです。

お腹が空いたら こんな優しいお兄さんが作ってくれるオイルたっぷりの骨つき鶏肉にもかぶりつけます。

それにしても こういうの、普段はどこにあるのでしょうか…。祝日を全力で祝うロシア、楽しいですよ!

Пока!

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ペテルゴフ(スタンド編)

Привет!

やっと気温も20度近くなってきて長袖シャツだけで出かけられるようになってきました!何度になったら半袖を着れるのか忘れてしまったのですが、30度くらいからでしたっけ…?

さて、今日中にペテルゴフから帰りたいので、書いていこうと思います。残念なことに、この日はいろんな電子機器の充電が保つか心配だったので、今回の記事は写真少なめでお送りします。ご了承ください。

前回の記事に出てきた噴水を見て回っているとお腹もすいてきます。そんな時でも大丈夫!モスクワの公園もそうですが、もちろんペテルゴフの下の公園でも至る所に食事を提供している屋台があり、道の両端にはベンチが並んでいます。不思議な魚介類が食べられるレストランへの案内を横目に見つつ、せっかくなので屋台のハンバーガーを食べることにしました。 右手前にあるのがまだ空いていない屋台です。近づいていくと店員さんに「英語は話せますか?」と英語で聞かれました。「ロシア語も大丈夫ですよ」と旦那がロシア語で答えると「良かった!ご注文は何にしますか?ハンバーガー?どのタイプにします?ほとんどのお客さんには英語で接客するので、ロシア語が話せて嬉しいです」と言われました。勉強していて良かった!と思ったのも束の間、こちらが理解できると思ったからか「それ(私たちが注文したもの)もいいですが、ベーコンがとっても美味しいのでこっちのタイプがオススメですよ!ソースはこの味がいいですね」と本当に嬉しそうに言うので、思わずオススメの方を注文してしまいました。そちらの方が少し高かったので上手くやられた感もありましたが、笑顔に免じて気にしないことにします。そしてやっぱりベーコンが本当に美味しかったです。ハンバーガーを受け取るときに「Thank you!おっと、ロシア語で良いんでしたよね、Спасибо(スパシーバ:ありがとう)」と言われたのも微笑ましかったです。

お土産の屋台もたくさん出会いますが、それと同時に多かったのがアイスクリーム屋さん!昨日の「いたずらの噴水(道)」を抜けると広場に出るのですが、広場の3辺にアイスクリーム屋さんが出ていました。味は多分同じなのですが、時間帯と屋台が向いている方向には気をつけなければなりません。中の1つは直射日光が当たる方向にアイスクリームが向いていたので、溶けてドロドロになっていました。コーンを用意して、ほぼ液体になったアイスクリームを入れているのを見てしまった私たちはそっとその屋台を離れました。

やはり我慢できず、他の屋台でアイスクリームを購入しましたが、そこは珍しくたくさんのトッピングが用意されています!テンションが上がった旦那がどんどん追加していった結果、なかなかの値段になっていました。さっきのハンバーガーの方がちょっと安かったよ…。母と私はイチゴとシャンパン味のアイスです。シャンパンに惹かれて購入しましたが、当たりでした!美味しかったです。

急に中学生くらいの子たちに声をかけられて記念撮影をしたり、開放感あふれるバスに乗って公園の奥、アレクサンドリア公園へのエクスカーションに参加したり (狩用の公園だったようです)

満喫して帰路につきました。忘れかけていましたが、帰りの切符をちゃんと買わなければなりません。往復切符が買えなかった話をして「そんなん知らん」と言われたらどうしようかと震えながらチケット売り場で行きのレシートを見せると、一言も話す間も無く帰りのチケットが割引されて3枚出てきました。良かった!

船乗り場ゲート付近にあるお手洗いはかなり混んでいたので、諦めてゲートをくぐりました。その瞬間出てしまう船。次の船は30分後です。それならさっきのお手洗いに並んでも良いか、と旦那を桟橋において母と戻ろうとすると、ゲートのおじさんに「ダメ」と言われました。焦った私は片言のロシア語になってしまい「向こう 行きたい、トイレ必要なんです」みたいなことを口走っていましたが、向こうの主張は変わりません。次の船が来たら、中にトイレがあるから、とたしなめられて桟橋へ戻りました。 そんなに急いではいなかったのですが、桟橋へ戻って冷静になると先ほど口走ったことが恥ずかしくなって来ます。ゲートのおじさんが見ているかもしれないので、10分後に船が来たら一番に乗り込みました。

また30分かけてエルミタージュの裏へ帰ってきました。楽しかった!

Пока!

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ペテルゴフ(下の公園編)

Привет!

ふと授業中に窓の外を見ると白いものが舞っていたので「雪!?」と思いましたが、この時期のモスクワ名物、ポプラの綿毛でした。「夏の雪」とも呼ばれるくらい綺麗ですが、友人曰く「これから掃除の度にふわふわ漂ってイライラすることになる」そうなので、今から覚悟していきたいです。

そんな綿毛などなかった春のサンクトペテルブルク、というよりペテルゴフの続きです。 地球の歩き方のペテルゴフの地図です。こんな風に150もの噴水があるそうで、形が面白いもの、彫刻が美しいものなどがたくさんありました。

例えばこちら。「太陽の噴水」という名前で、よく見ると真ん中に太陽のような丸があり、そこから放射線状に水が出ています。なんだかすごい光景。

噴水と噴水の間も森になっており、晴れていたので本当に気持ちがいいお散歩コースでした。ただ、やはり噴水を見続けているとどうしても飽きてしまいます。そんな時はこちら「いたずらの噴水」たちがオススメです。 これは「いたずらの噴水(イス)」です。一見普通の椅子ですよね。どこが噴水なんだ…と見ていると、見物人の一人がベンチに近づいた途端… 石畳から突然水が!思っていたより広範囲です。だから周りでみんな誰か行かないかと見ているんですね。自分が犠牲にはなりたくないようです。このイス型噴水は三方をエカテリーナ棟、モン・プレジール宮殿、バスハウスに囲まれた中庭にあるのですが、対角にも同じベンチが置いてありました。こちらは石畳から常にチョロチョロと水が出ているままです。旦那にフロンティア精神を発揮してベンチに座ってきてくれとお願いしましたが、断られてしまいました。私が行くしか仕方がありません。暖かい日だったのでカーディガンを一番上に羽織っているだけだった私は、彼の撥水性のあるダウンを着込み、荷物を母に持ってもらい、二人に最後の別れを告げていると、周りに観光客が集まってきます。すごいプレッシャー。意を決して石畳の上を歩き、ベンチに近づこうとすると…

なにも出てきません。水は相変わらずチョロチョロでているだけでした。見物人達はがっかりしたように溜息をついて散っていきました。噴水の真ん中で取り残される私。えっと…何か期待に添えなかったようでごめんなさい。私もちょっとがっかりしました。動いているベンチの噴水では、遠足で来たと思われる小学生の団体や中学生の団体がきゃあきゃあ言いながらびしょ濡れになって遊んでいました。そしてなんと、ずっと見ていた私たちはこの噴水の仕掛けに気がついたのです!ここでは明記しません。気になる方は直接現地でご確認ください。おそらく位置を変えながら20分も見ていると分かると思います。

ここで「いたずら」シリーズが気に入った私たちは次なる噴水を求めて歩きます。 こちらは「いたずらの噴水(傘)」です。 (おそらく)何分か間隔で傘の端から水が出てくる、という噴水でした。ここも水が出ていない時に突然現れた数人が傘の中に入って記念撮影していました。ここは(タイミングを見計らえば濡れないと知った)旦那が意気揚々と入っていきました。

お次は「いたずらの噴水(かしの木)」です。 水でよく見えませんが、真ん中にかしの木が作ってあり、その枝という枝から水が出続けています。今思い出しましたが噴水なので当たり前ですね。ただ、これを初めて見ると「どこがどうなったらいたずらなのか」と思わないでもありませんでした。この謎は写真右奥にある白いベンチに観光客が座ろうとした時に解けました。

なんと、背もたれから勢いよく水が出て来たのです。座ろうとしていた人は悲鳴をあげて逃げていました。周りで見ていた若者は運試しをするかのようにそのベンチの前を行ったり来たりしはじめました。実はこのベンチ、写真で見えるものの向かいにもう1つ設置されており、そこからも水が出ます。しかし同時に2つからは出ないようでした。昔の貴族がこの「いたずらの噴水」3つではしゃいでいるのが簡単に想像できて、幸せな気持ちになります。

そこからチェス盤の形をした噴水まで歩こうとしていると、小道の周りに人だかりが見えてきました。そこにある看板には「いたずらの噴水通り: 13時、14時、15時に始まります」と書いてあるではありませんか。なんでも「1721年、ピョートル1世の案で作られ、2001年に再築」したそうです。時計を見ると13:58。なんというタイミングなのでしょう。人だかりの後ろから腕を精一杯伸ばしてカメラを構えていると、横のおばあちゃんに「あそこ空いていますよ!」と教えてもらって駆け足で場所を確保します。

始まりました。 駆け抜ける子供や若者達。楽しそうだなあ。ところで、全ての「いたずら」シリーズで腕にギブスを巻いた10歳くらいの男の子が挑戦しているのを見かけたのですが、なんとなくどうしてその子が腕を怪我したのか分かる気がします。そういう子嫌いじゃないで。

もう少し続けます!ひとまずПока!

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ペテルゴフ(宮殿編)

Привет!

部屋の中にいると外の気温が分からず、しばらく窓から外を歩いている人を観察していたのですが、長袖シャツに上着を羽織っている人もいれば、半袖で歩いている人、ダウンを着ている人まで歩いて来たので大混乱に陥りました。結局シャツに薄手のカーディガン、上着を着たのですが、私にはちょうど良かったです。今ダウン着ている人は真冬どうしてたの…?

さて、3日しかないサンクトペテルブルク滞在を満喫するために毎日のメインを決めていました。1日目はツァールスコエ・セロー、そして2日目はペテルゴフです。ペテルゴフとはこれまたサンクトペテルブルクの市街地から30kmほど南西に行ったところにあるピョートル皇帝の夏の宮殿及び広大な庭園を指します。 この日も天気が良かったので素敵な写真が撮れましたが、風下からこの写真を撮った時はまあまあ濡れました。奥に見えているのが宮殿です。

ここへはサンクトペテルブルクの中心にあるエルミタージュの裏から船でネヴァ川を進み、たどり着くことができました。インフォメーションセンターに行くとネヴァ川沿いに2つほど船の乗り場がある(運営している会社が違うそうです)と聞きましたが、今回使ったのはエルミタージュの真裏にある船着き場の方です。もう1つは見つけられませんでした。あらかじめ場所と時間を確認していたおかげで、当日の朝はスムーズに行けました。エルミタージュ側からペテルゴフへは朝の10:00から17:00まで30分ごとに出港しています。帰りは11:00から18:00までの間で30分ごとです。片道35分ほどかかります。また片道チケットなら800p、往復なら1400pでした。 チケット売り場はこんな感じ。右奥にチラッと見えている緑色の壁はエルミタージュです。10:15ごろに着き、チケットを買おうとすると何か紙が貼ってあります…「天候が悪化する可能性があるので片道チケットのみしかご購入頂けません」なんだって…!チケット売り場のおばさんに聞くと「そうなんです…でもこのレシートを帰りのチケット売り場で見せてもらえたら600pにしますよ」とのことでした。帰りまで天気が持つように、無事に帰って来られるように祈りながら船に乗り込みました。 ひたすら海。どんどん岸から離れて行くので「ついにフィンランドへ着いてしまうのではないか」と心配になりながらも、市街地から離れたサンクトペテルブルクの街並み(かなり工業地帯です)も見ることができました。船の中ではサンクトペテルブルクのグッズを売りに来ています。本やDVDを初め、結構派手な傘まで広げてプレゼンしていました。こんな晴れた日に傘を買う人がいるかいな、とこの時は思っていました。

やっとペテルゴフに到着!桟橋を渡ると、チケット売り場にぶつかりました。ここで買えるのは「下の公園(нижний парк)」のチケットなのですが、すでにインターネットで買っていたので引き換えるだけでした。ただ、普通のチケットブースで引き換えなければならないので、ここのチケットは現地購入でいいと思います。 入場すると、ひたすらまっすぐの道を歩きます。所々にレストランの案内があったり、ハンバーガーやアイスクリームのスタンドがあったり、リスが遊んでいたり、散歩にぴったりです。写真左手に見えている川をさかのぼるように歩いて行くと大きな噴水があります。その上には宮殿、そして宮殿の奥に「上の庭園」があります。北方戦争に勝ち、大国となったロシアにふさわしい宮殿を、と時の皇帝ピョートル1世が建てたこのペテルゴフは、宮殿(上の公園)と下の公園の落差を利用して作った噴水で有名です。 それがこちら。ここだけで銅像が37体、噴水は64個あるそうです(地球の歩き方より)。そして真ん中にいるのはライオンを倒すサムソン。1700年から1721年の大北方戦争でスウェーデンに勝利したことを記念して作られたので、ライオンがスウェーデンを、サムソンがロシアを表しています。かっこいいのですが、ずっと見ているとあまりにもライオンの口から出ている噴水でサムソンがずぶ濡れなのでかわいそうになってきます。

階段を登りきると宮殿が。ツァールスコエ・セローのエカテリーナ宮殿と同じく横に長いので、人がたくさんいるところが12:00から開くというチケットブースの列だろうと最後尾に並んでいると、急に肩を叩かれて「ここロシア人だけやで」と言われました。なんてこった、と周りにいた警備員の人に聞くと、反対側だと言われます。そちらはもうすでに入り口が開いており、11:50ごろにはもう入れました。12:00からという情報はなんだったんだ…。

中は一切撮影禁止だったので写真はありませんが、部屋ごとに違った見事な内装でした。他の宮殿と違うのは、戦勝記念で建てられているので爆破された船や戦争の生々しい様子が描かれて飾ってあるところでしょうか。また、ある部屋はエカテリーナ宮殿のような「絵画の間」になっていたのですが、描かれているのは若い女性だけ。ちょっと怖くなって係の人に尋ねると「貴族や村娘など、国中の若い女性をモデルにして描かれたんですよ」とのことでした。寝顔とかもあるんですけど…。宮殿の中は豪華な部屋の鑑賞から始まり、最後はそれぞれの部屋の裏にある小間使いの部屋を見て終わる、という順路になっていました。ちょうどその間にあるピョートル1世の秘密の部屋には木製の調度品が置かれていて、それまでの金で飾られた部屋とは違って落ち着いていたので少し親近感が湧きます。

さて、次回は噴水の鑑賞です! Пока!

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イサク聖堂

Привет!

やっと22度になりました!暑い!周りは半袖ばかりです。そして路上のいちご売りを毎日見ていて食べたくなっていたところ、お友達から親切にも分けていただいたので春を感じました。練乳を買い忘れていたので次の日に持ち越そうかと思いましたが、蜂蜜とヨーグルトで同じような味が出せるという裏技を編み出しました!美味しかったです!

さて、クラスメイトからはいつも何か食べている事で有名な私ですが、サンクトペテルブルクではたい焼きを食べたあとイサク聖堂までの3kmを歩きました。このようにきちんと摂取したカロリー分は消費しているので大丈夫です。 ちょっと横から見たイサク聖堂。横のバスから大体の規模を想像していただけるでしょうか。資料によると縦・横・奥行きがそれぞれ100mほどだそうです。立方体の箱に入りそうですね。前回の滞在ではこの大きな聖堂の周りを一周するだけに留めていましたが、今回は中に入りました。ひとまずは、上に。下の長方体の部分が聖堂になっており、この写真では少し見えにくいですが、上の金色のドームから下に伸びている柱の足元は歩けるようになっています。ここからはサンクトペテルブルクの街が一望できるのです。

上の写真のバスが止まっているあたりにチケット売り場があり、聖堂に入るチケットと上に登るチケット(別売りなのです)を買うことができます。手に入れたチケットを握りしめて正面入り口に周ると、右に展望台への入り口が、左に聖堂への入り口があると買いてありました。とりあえず右へ。すぐに螺旋階段が始まります。 気が遠くなりそうです。聖堂部分を螺旋階段で登るので仕方がありません。この写真はやっと終わりが見えた頃に上にカメラを向けて撮った写真です。そろそろ目が回って足を滑らしてしまいこれまでの努力を無駄にしてしまうのではないかと思い始めたころ、ようやく螺旋階段が終わりました。そこからは若干シースルー(つまり下が見える)鉄網でできた階段が展望台まで20段ほど伸びています。

その階段を登りきると、やっと展望台です! 左奥にエルミタージュが見えます(緑の建物です)。母はこういう時のために日本から「ジオラマ風」の写真が撮れるカメラを持って来ていました。そのカメラにかかれば、聖堂前のイサク広場も こんな風になります。このカメラ欲しい。

一通り満喫した後は、登って来た階段のちょうど裏側に降りる階段があるので、ひたすら下を目指します。登るときに気がついたのですが、螺旋階段には10段ごとに数字が書かれていました。登る時も降りるときも、どんどん数字が減っていくので少し勇気が出ます。 もっとポップな感じにしてくれてもいいねんで。シースルーの階段も合わせると、250段くらいであったと思います。思ったより少なくて驚きました。そして反対側の階段でおりて来たので当たり前なのですが、正面玄関の真裏に出て来てしまいました。また聖堂の周りを半周して今度は中に入ります。

1819年から40年もの年月をかけて作られたこの聖堂は、修道士である聖イサクから名前がとられました。先ほど展望台からみた前の広場も、この聖堂もやはり第二次世界大戦時には大変だったそうですが、修復が終わり綺麗な姿を見せてくれます。 イコン画もかなり現代的です。中は大理石や孔雀石が使われているらしく、重厚感がありました。そしてロシアに来て、聖堂の中では初めてみたステンドグラスもあります。 テーマはキリストの復活だそうです。

血の上の救世主教会とは全く違った、それでいてやはりロシアらしいイサク聖堂はサンクトペテルブルクで訪れるべき場所の1つです。オススメ!

Пока!

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