馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

序章

Привет!

5月某日に行われた旦那の先輩との飲み会で、先輩のお一人の「カムチャッカ旅行は本当に良かった」というお話を聞きました。カムチャッカ!なんと魅惑的な響きなのでしょう。聞くところによると9月にはもう夜の気温がマイナスになるらしく、行くなら8月中…もうあまり時間がありません。どちらかといえばインドア派な旦那をイクラとカニと温泉の写真で説得し、7月末から8月頭にかけて、カムチャッカへ行ってまいりました! イクラの保冷袋の写真。クマの台座には「ここからロシアが始まる」と書いてあります。かっこいい。

谷川俊太郎作の「朝のリレー」という詩をご存知ですか?短いので引用しますね。

カムチャッカの若者が きりんの夢を見ている時

メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女がほほえみながら 寝返りをうつとき 

ローマの少年は頭柱を染める 朝陽にウインクする

この地球では いつもどこかで 朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ 緯度から 緯度へと

そうしていわば交替で地球を守る 

眠る前のひととき 耳をすますと

どこか遠くで 目覚まし時計のベルが鳴っている

それはあなたの送った朝を 誰かがしっかりと受け止めた 証拠なのだ

この詩を小学校低学年の教科書で読んだ時に大きな衝撃を受けました。私が毎日当たり前に過ごしている1日は、場所が変われば時刻も変わってしまうのか。世界はなんて広いんだ、と。このころから自分の知らない世界への憧れが強くなったように思います(この頃にはまさか世界最大の面積を持つロシアに住むなんて思ってもいませんでしたが)。なので、私にとって「カムチャッカ」とは広い世界の象徴のような言葉だったのです。これは何としても行かねば。

そうと決まれば早めに行動しなければなりません。旦那は先輩に詳細を聞いてくれ、私はインターネットでとりあえず検索してみることにしました。調べて驚いたことは2つ。1つ目は、モスクワとの時差が9時間もあること(日本とモスクワの時差は6時間)。どれだけ広いねんロシア。 これはウィキペディアからお借りしたロシアの時間帯を表した地図です。モスクワ時間で動いているのは左端の赤い部分。そしてカムチャッカは右端の濃い赤の部分です。これまでの旅行は奇跡的にモスクワ時間の枠から出ていなかったので、初めての国内時差にワクワクしますが初めから一番端は無茶かな。確かにこうみるとカムチャッカは「ロシアの始まり」ですね。

2つ目は、アメリカに最も近い軍事基地として、1999年まで外国人の立ち入りが禁止されていたこと。二ジニー・ノブゴロドといい、閉鎖都市多いですね…。ロシア人の立ち入りも規制されていたらしく、今でも広大な自然がほとんど手つかずのままで残っています。そのため、カムチャッカの主な観光資源である自然を見に行くためにはガイドが必要なので、今回は先輩に教えてもらったツアー会社にお願いしました(こちら。英語もあります)。だいたい行く期間と、現地でしたいことを旦那にメールしてもらうとすぐに返事がきます。三日間のなかなか良さそうなプランだったので、モスクワからお金を振り込みました。

それと並行して航空券と宿泊先を手配します。出発の一ヶ月半ほど前とあまり余裕がなく、帰りのみ直行便になりました。今回のフライトプランはこんな感じです。 やはりロシアの端から端まで飛ぶとあって、一人55000p(11万円)しました。飛行時間も帰りの直行便で9時間、行きはハバロフスクでの乗り換え時間2時間半も含めると12時間半です。一瞬だけ「これ日本に帰る方がいいんじゃ…」という考えが頭をよぎったのは否定しません。

フライトが決まれば、次は宿泊先です。カムチャッカでは旅行者でもアパートを借りることが多いらしく、私たちもアパートメント・ホテルで4泊しました。途中ツアーで一緒になったロシア人曰く「ホテルは色々と問題が多いんだよね…」とのこと。確かにリゾート地ではないので、過剰なサービスを期待するとがっかりしそうです。 これが私たちのアパートの外観。一部屋にキッチンもベッドもあり、ロシアに来る前に二ヶ月ほど暮らしたマンスリーマンションを思い出しました。それでも歯ブラシや歯磨き粉は「今買ってきました!」という状態で置いてあるし、タオルは2日に一回変えてくれるし、ゴミ袋は毎日捨ててくれているし、かなりサービスは良かったです。

旅行前日、このアパートのオーナーから「明日泊まりにくるやんな?」という確認の電話をもらい安心する一方で、「日程が近づいたら連絡するね」と言っていた旅行会社からは何もなく不安なまま(一応こちらから電話をすると、到着した日の夕方に電話する、と言われました)、私たちはモスクワの空港へ向けて出発しました。

これからまたしばらくはモスクワを離れてカムチャッカ編が続きますが、どうぞお付き合いください。

Пока!

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二クーリンサーカス

Привет!

暑いですね。この間大家さんが家賃を取りにきてくれた時に「この部屋クーラーないのね!つけてあげられるかもう一人の大家と相談してみるわ!」と言ってくれたのですが、もう遅いです。今年はもう夏が終わるし、来年の夏には引っ越しているかもしれないので、クーラーをつけるために部屋に業者さんが何日も来るかと思うと、少々我慢できます。

語学学校の私のクラスに先週までチェコ人の女の子が来ていました(かなりできる子だったので今週は上のクラスへ上がっていました)。一緒に勉強を始めた1日目、彼女は「2週間しかないモスクワ滞在で行きたいところリスト」を私に見せてくれたのですが、あまりにも多くて一緒にルートを考えたりしました。その中で「サーカスへ行かない?もしかしたらもう行っているかもしれないけれど、二クーリンサーカスの方へ。ボリショイサーカスより面白いって聞いたの」と誘ってくれたのです。私自身去年9月にボリショイサーカスへ行ってから、あまりにも周りに「なんであえてそっちへ行ったの!」と言われ続けていたのでもう1つの二クーリンサーカスへ行ってみたかったので、快く承諾。旦那も誘って3人で行ってきました。

メトロのЦветной бульвар (ツヴェットノイ・ブリバル)駅から歩いて2分ほどというアクセスの良さも嬉しいこの二クーリンサーカスは1880年に創立したロシアでも最も古いサーカスの1つです。だからサーカスと言うと「古い方?大きい方?(ボリショイは大きいという意味)」と聞かれることがあります。 外見はこんな感じ。土曜日の昼公演ということもあり、子供達で溢れかえっています。あ、もう夏休みだから毎日こんな感じかもしれません。

このドアの前には、創立者であるユーリ・二クーリンの銅像が立っており、記念撮影をする人の列ができています。銅像といっても下の写真のような感じで、親しみやすさが溢れていました。さすがサーカスの設立者です。

友人とは座席で待ち合わせだったので、チケット確認を済ませると開演前で賑やかなロビーを旦那と二人で見て回りました。入ってすぐにワラビーと猿が写真撮影のブースで子供達とポーズをとっていて面食らいました。初めは機械仕掛けの人形かと思いましたが、本物です。その後も犬や、白い部分が多いパンダ、馬など様々な動物が子供達と記念撮影をしていました。 トラまでいるやん。

なんとか席を見つけ、友達とも合流し、ショーが始まるのを今か今かと待ちました。1週間前に買いに行ったのですが、一番安いチケットは全部もう売り切れてしまっていて、1000p(2000円)のお席に。こういうのは上を見るとキリがありませんが、1000pでもちゃんと見えて良かったです。 休憩時間にわざわざ正面に行って撮った写真。サーカスでも生バンド演奏で、ピエロがこのバンドとコントをするシーンなどもあり音楽も楽しめます。

さあ、会場が暗くなって、いよいよショーの始まりです。上演中は撮影禁止でした(撮っている人は怒られていました)。初めは空中ブランコ、それからは猿の可愛い芸、巨大なエッフェル塔の上で人間の身体能力の限界に挑戦するショー、板のような細いトランポリンを使ったパフォーマンス、そしてアシカのショーと続きました。舞台上にシートが引かれて、アシカが登場した時には「ここは水族館か」と突っ込みましたが、魚というご褒美をあげながらお兄さんもアシカも頑張っていたので見ていてほっこりしました。 これはパンフレットです。ここに全部のパフォーマンスが載っていました。右下にいる黄色い服のおじさんが、それぞれのパフォーマンスの間、場面転換の際にピエロとしてコントを披露してくれます。一度などはコントの相手が熊で、ヒヤヒヤしました。

そして20分の休憩時間。 ロビーには二クーリンさんとこのサーカスの歴史を紹介するパネルもありました。20分ではとても読み切れる量ではなかったので諦めましたが このように小物や衣装なども展示されていて、見ていて楽しかったです。昔パフォーマンスに使ったピロシキなどもありました(さすがに作り物でした)。

席からロビーに出ようとした瞬間に、旦那に突然「日本語が書いてある!」と言われました。いやいや、そんなまさか…とそちらをいてみると ほんまや!

私たちが騒いでいるのでこのドアの前で警備をしていたおじさんはかなり訝しそうな顔をしていました。休憩時間も終わる頃、やはり我慢できなくなって「写真を撮ってもいいですか?」とお願いしてみます。まだ訝しそうなおじさんに許可をもらって撮影し終わると(先ほどの写真)、急に彼に「これ何なん?」と聞かれました。「いや、これ日本語で…私たち日本人なのでびっくりして」というと「これ日本語なん!みんな中国語やと思ってた!おい、これ中国語じゃなくて日本語らしいで!」と最後には近くで働いていた別の従業員に話しかけていました。突然話しかけられたその女性は「え、日本語!?あなたたちは…ああ、日本から来たの!それなら本当ね。ここの人全員、これを中国語だと思ってたわ。これどういう意味??ああ、意味はそんなに変わらないわね」…なんだか大ごとになって来ました。「それにしてもなぜ日本語?ここに来るアジア人は99パーセント中国人なのに。誰も分からないじゃない、ね?」一緒にいた友達も「もうここまで来たらチェコ語でも書いておいてくださいよ」と乗ってきました。思わぬところで日露交流(?)を感じることができて嬉しかったです。

休憩の後は30分ほどのマジックショー。よくテレビで見るようなベタなものばかりでしたが、アシスタントの女性が美女でセクシーな衣装だったので、それだけで見ていて幸せでした。そして脱出ショー(鎖で板に括りつけられた男性を、水槽の中に入れてしまうもの)では私の両脇に座っていた旦那と友達が「もう見てられない…息ができない」と同じ反応をしていたのが面白かったです。そんなこんなで幕を閉じた三時間のショー。年齢制限もないし、家族みんなで楽しめる良質なサーカスでした。

さて、(日本に比べればなんてことない)モスクワの暑さに耐えきれず、今から北のほうへ避暑へ行ってまいります。5日ほどブログをお休みする予定です。みなさまいい夏を!

Пока!

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「猿の惑星:グレート・ウォー」

Привет!

何度か書いたことがありますが、私は映画を見るのが好きです。ロシアでももちろんアメリカやイギリスの映画を公開しているので、邦画より洋画をよく見ていた私としては本当に有り難く、しかも日本で見るよりはるかに低価格なので毎週でも行きたいくらいなのですが、やはり「言葉の壁」というハードルがあります。

今年の夏映画は豊作で、好きなシリーズの新作や面白そうな映画が続々と公開されていたのですが、ロシア語吹き替えしかないのでかなり悩みました。中でもアメリカンコミックスの大御所、マーベル作品の新作である「スパイダーマン:ホームカミング」は大画面で見るのにふさわしいと思ったものの、あのシリーズの特徴である小粋な会話をロシア語で理解できる気がしなかったのでいつか日本で見ることにしました(同じ理由で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2」も諦めました)。最近日本でも公開された「怪盗グルー」の新作も、ミニオンがロシア語を喋らないので行こうか悩んでいるうちにロシアでの公開が終了。残るは「猿の惑星」しかありません。

1968年に公開されたアメリカ映画「猿の惑星」の前日譚として製作された3部作の三作目です。オリジナルは見ていないくせに、この前日譚のシリーズが大好きで、ロシアにも全二作のDVDを持って来ていました。こちらで旦那に見せたら、彼も気に入ったので二人で見に行くことに。

私がこの映画をロシアで見ることにしたのは、単純に「猿が話すロシア語なら理解できるかもしれない」と思ったからです。一作目では主人公の猿、シーザーが人の言語を解するようになり、単語レベルで話し始めます。二作目ではもう少し流暢になっていたので、今回シーザーと私自身の言語がどれだけスキルアップしたか確かめるつもりで見に行きました。

ちなみにこの映画のサブタイトルは日本で「大戦記」にするか「聖戦記」にするか一悶着あったそうです。読み方はどちらも「グレート・ウォー」にしていたそうですが。ロシアでは一言「война(戦争)」でした。「猿の惑星」の部分は「планета обезьян」となります。そのままです。

日本公開は10/12なので感想詳細は書きませんが、見終わった後にはこのシリーズを見届けられた満足感でいっぱいでした。そして相変わらず劇場の照明がつくのが早い。最後のシーンが終わって、一度画面が暗くなってからエンドロールに入ると思いますが、最後のシーンがまだスクリーンに映っている時に電気がつきました。余韻に浸らせてください。

今回人間の言葉で話す猿は二人(映画の内容から「ふたり」と言わせてください)出てくるのですが、見ていて驚きました。どちらが言っていることも、ほとんど全て分かるのです!知らない単語もいくつかありましたが、小声で横にいる旦那に「〇〇ってどういう意味?」と聞ける程度(分からない単語ばかりだと、質問すらできないとこの一年でわかりました)。私の言語レベルはかなり飛躍したのではないかと一人劇場の暗闇の中でニヤニヤしていたのですが、人間が話すパートになった瞬間分からなくなりました。猿の話すレベルで油断していたので完全に耳が付いて行きません。この猿たちはなんでこれが聞き取れて会話できるの…。

猿同士で会話しているシーンで、どこか既視感を覚えました。この単語レベルで、このスピードで話しているところ…あ、語学学校の教室だ。先生も、街中で私と話してくれるロシア人たちも、言葉を選んでゆっくり話してくれているのだと実感しました。勉強になります。

それでも猿たちはロシア語の格変化も間違えないし、ややこしい移動動詞も完璧だし、とりあえずはこの猿レベルで話せるようになりたいな…と劇場を去る頃には新しい目標ができていました。

他の話せない猿たちは手話で会話するのですが、流石のロシアでもここには字幕がつきます(英語字幕にロシア語吹き替えで流されたらどうしようかと思いました)。この字幕が消えるのが速く、読むスピードの向上も求められます。その中で主人公、シーザーはずっと「цезарь」と書かれていました(発音はツェーザリ)。皇帝を意味するцарь(ツァーリ)と読み間違えた私は「いつから皇帝になってん…」と思いながら見ていましたが、最後の方で気がつきました。これレストランのメニューでよく見る、シーザーサラダのロシア語と一緒やん!と。ちゃんと初めからみんなシーザーと呼んでいたのです。やはりいつもより分かることが多かったからか、日常生活でよく目にするロシア語の答え合わせをしているようでした。

次は何を見に行けるように勉強しようかな。モチベーションが上がります。そしてモスクワ在住の皆さん!日本で去年公開された「君の名は。」が9/7から劇場公開らしいですよ!

Пока!

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インドフェス

Привет!

モスクワに引っ越して来てから昨日で一年が経ちました。様々な人に国内外から支えてもらいながらなんとかやってこられたなあ、ロシアもそんなに悪い国じゃないなあ、としみじみとしながら家に帰ると、お湯が出なくなっていました。…噂には聞いていた「お湯管チェック」の時期がやって来たか…。実は以前住所を入れるといつからお湯が止まるか教えてくれるサイトを教えてもらったので27日からだということは知っていたのですが、完全に失念していました。それにしても、タクシーもアプリで呼べるような21世紀の(一応)先進国で、まだ10日間もお湯を止めるのです。何か他に方法はないものでしょうか。我が家は先達たちのおかげでボイラーが付いているので、今のところ不便はしていないのが救いです。

さて、先週の土曜日に友達から聞いたインドのイベントに旦那と二人で行って来ました。 Facebookでこのようなイベントページばかりみていると、最近「こんなのも興味ない??」とモスクワで行われるイベントを表示してくれるようになりました。現代社会、便利だけどちょっと怖い。でも行ってみたいものばかりです。

そんなこんなでインドフェスへ行く予定にはしていたのですが、タイミング悪く旦那がお腹を壊してしまいました。土曜日の午前中に来ていた家庭教師にも「彼に今インドカレーを与えるのは危険かもしれないわ…」と帰り際に言われる始末。少し悩みましたが、旦那が大丈夫だと言うので行ってみることに。

場所はFLACON、地下鉄灰色線のДомитровская(ドミトロフスカヤ)駅から歩いて10分もかからないところにあります。 ここはよく若者が集まる場所として見ていたので気になっていた所でした。なるほど至る所にDJスペースがあったり、デザイナーが直接フリーマーケットのように服を売っていたり、たくさんの人で賑わっていました。

周りの建物は壁一面に落書きがしてあってオシャレですし、中にはバスが埋め込まれている場所まで! どことなくユニバーサルスタジオジャパンのニューヨークエリアを思い出しました。そういうテーマランドのような雰囲気だったのです。

DJの音楽がお腹に響く…と呻く旦那と一緒にインドフェスの会場を探します。やっと建物を見つけて中に入ると、思ったより狭いスペースに様々な人がお店を出していました。

お腹が空いていた私たちは真っ先にフードコーナーへ直行しました。もともと今日来ることにこだわったのも私が「本場のナンが食べたい」と言い始めたからです。辛いものは苦手なのですが、ナンだけは昔から大好物なのです。なのでフードコーナーをパッと見たときはがっかりしました。…ハンバーガーとかジェラートとかしかないやん…どこがインドやねん。

もう少し奥へ進むと、インドらしさが見えてきました。 でもここにもカレーとナンは置いていません。とりあえずタンドリーチキン(これまで食べた中で最高)とチキン巻き(?おそらくチキンとスパイスをトルティーヤで巻いたもの)を頼んで食べました。

食べ終わりましたが、諦めきれないのでもう少し奥へ進んでみます。カレーのようなもの(札にはカレーとは書いていなかったのです)がありました!店員さんに「この中で一番辛いカレーをください」と突然自分の今の状況も考えずに突っ込んでいく旦那。店員のお兄さんはニヤッとしたかと思うと、何も言わず、ご飯の上にカレーをかけました。慌ててお兄さんの向こうに小さなナンを発見したので「それ!それもください!」と私が言うと「ピロシキも?」と確認しながら追加してくれました。え、ナンってロシア語でピロシキって言うの?中に何も入ってなくても?聞き間違いじゃないと思っています。 そうやってやっとありつけたカレーは、後からくる辛さで痺れました。旦那は「全然辛くない」と言っていたので、辛いのが苦手と言われているロシア人向けだったのかもしれません。

奇跡的に旦那の体調が悪化せず腹ごしらえを済ますことができたので、インド製品コーナーもみて回ることに。はちみつやアクセサリー、インド茶がほとんどを占める中、会場の一画でヘナ(三ヶ月くらいで消えるタトゥのようなもの)もやっていました。興味はあるのですが、肌が弱いので諦めます。

そしてあるお店で私の好みの服を売っているのを発見!白いシャツやワンピースにカラフルな色で刺繍がしてあるものです。尋ねると「1000pだよ」と言われたのでせっかくだし買うことにしました。悩みすぎてその場を動かない私に、店員さんが「ちょっと割引しますよ」と言ってくれます。10分弱考えて、やっと選んだのがこちら。 900pになりました。この間これを着て学校へ行くと、先生、生徒を問わず様々な人から「なんて素敵なシャツ!」と褒めてもらい、色々と満足度が高かったです。

ロシアからはなかなか行きにくい国でもこのようなイベントがあるといいですね。また機会を見つけて行きたいと思います。

Пока!

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アイスクリーム大国

Привет!

外を歩いていても空気がぬるいのを感じて、ついに夏服を解禁しました。ただ、衣替えはしていません。夏服ばかりを詰めたスーツケースから半袖の服を出して着てはまた同じ場所に直す予定です。2週間後にはもう寒くなっているんでしょ、知っているんだから!

それにしても太陽が雲に隠れている時はそうでもないのに、出ている時は溶けそうになります。それでも冬季にはあれだけ恋しかった日光です。できるだけ浴びられる時に浴びなければ、と考える辺りロシアに染まってきたなあと思います。また日本にいる時よりアイスクリームを食べたいと思う回数が増えました。スーパーに行くたびにアイスクリームコーナーを覗いてしまいます。 こちらはこの間1日の楽しみに夜まで取っておいたアイスクリームです。クリームブリュレ味。ロシアでは、バニラ味、チョコレート味、イチゴ味に並んでクリームブリュレ味がメジャーです。美味しいのでいつも選んでしまうのですが、食べながら「クリームブリュレってこんな味だったっけ」と思っています。あのお菓子の醍醐味って炙ったカラメルを割る時ですよね。何がこのアイスクリームに「クリームブリュレ」と言わせているのでしょうか。

それはいいとして、このそこはかとなく古さを感じさせるパッケージのアイスクリームは、Чистая Линия社のものです。ロシアでよく見かける会社の1つですが、どことなくソ連時代っぽいので長い歴史があるのだろうと思っていたら2001年にできた会社だそうです。(公式ホームページ(ロシア語)はこちら)

他には この48 копеек 社のものもよく見かけます。これはネスレの子会社らしく、味も形もいろいろな種類があります。

スイスのアイスクリーム会社、Movenpick(モーヴェンピック)はスーパーなどにはおいていませんが、アイスクリームのスタンド(店員さんが入れてくれるところ)がよく出ています。この会社に知り合いのいるクラスメイトが言うには、ロシアは世界の中でも一、二位を争うアイスクリーム市場だそうです。−10度でもアイスクリームを食べながら歩いている人がいるもんなあ。

そういえばこの間のMAKSで 何かが歩いていました。ちなみに前に回っても顔はありませんでした。どこかでみたことあるなあと考えていると、思い出しました!テレビでこのアイスクリームのCMをしていたのです。ロシアってアイスクリームの着ぐるみまで作っちゃうの…?しかも確かCMによるとこの棒付きアイス、棒の部分も食べられるはず。

私がそう主張し始めたので周りも興味を持ってくれたのか、MAKSの後に我が家で行われた飲み会の買い出し班が人数分のこのアイスクリームを買ってきてくれました。 まずみんなが驚いたのはкошмарики(カシュマリキ)というこのアイスクリームの名前でした。悪夢という意味のロシア語です。なんでや。悪夢なんて名前のアイスクリームを誰が買うのでしょう(少なくともここに複数名いますが)。

ぶどう味のアイス部分を食べ終わると、やっと棒部分に取り掛かります。棒を覆っているカバーを剥くと、 何かが出てきました。とりあえず噛んでみます。ガリっという音がしたのでラムネかと思いましたが、溶けない上に噛んでいると弾力が出てきました。これは…ガムです。

味はすぐなくなるわ、そもそも長いわ、あまりガムとしては出来が良くなかったのですが、アイデアとしては良かったと思います。次は是非ラムネにしてほしいです。

Пока!

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MAKS2017③

Привет!

暑いです…いや、25度くらいで暑いなんて言ってられないのですが、この一年でめっきり暑さに弱くなってしまった気がします。だからと言って冬の屋内は日本より暖かいので、寒さにも強くなっていません。ヒトとして進化していないことに少し焦ります。

まだまだMAKSについて書きますよ!今回個人的にメインは航空ショーだったので「12:00から始まる」と聞いてワクワクしていました。前日に行かれた方が綺麗な写真や動画を撮られていたこともあって自分でも頑張ろうとしたのですが、これが一番の出来でした。 写真って難しいですね…。

12:00から始まったショーは、それ以降ずっと続きました。地上展示を説明してくれている間も戦闘機の大きな音が常に聞こえている状態で、初めの方こそ地上を見ればいいのか空を見ればいいのかわからずに「目が足りない!!」と思っていましたが、途中から空の方を諦めてしまいました。戦闘機の音を聞いただけで種類がわかる人に憧れます。 もう一枚、色が薄いのですが、ロシアの国旗の色(赤、青、白)の煙を出しながらのアクロバティック飛行も見えました。旦那とこれがMかハートかで少し論争したのですが、下の部分がくっついたのでハートだと思います。

今回、飛行機やヘリコプターも面白かったのですが、もう1つ人混みの中に突如現れるお土産や飲食物のスタンドも興味深かったです。この日は直射日光が強く、どのスタンドで聞いてもアイスクリームは売り切れでした。そしてお土産物屋さんで買ったと思われる帽子をかぶっている人の多いこと!私も欲しくなったので覗いてみたのですが、MAKSと書いてあるだけのものか「海軍」と書かれたものしかなく、デザイン性に乏しかったので諦めました。もちろんTシャツもたくさん販売されています。軍用機の写真の横に「できるだけ高く」と書かれたものは買おうか本気で悩みました(男性用しかなかったのと、旦那は着ないと言い切ったので見送りました)。その中で思わず笑ってしまったのはこれ。 「わたしを信じて。パイロットですから」と英語で書かれたものです。この世で信じてはいけない単語3位ですよね。他にもマグネットやら戦車と戦闘機のおもちゃや、グジェリ焼きで出来た飛行機まであり、なかなか面白かったです。

また、平日には盛り上がる屋内展示も充実しています。 主にエンジンやタイヤなど、部品のメーカーが自社製品を展示しており、横には商談ブースまで作られています。一般のお客さんには人気がないからか、最終日だからか、ほとんどの会社が撤収しそうな雰囲気でしたが、大きなエンジンを目の前で見ることができ、興味深かったです。もちろんロケットの部品も。「下町ロケットというドラマでみた世界だ」と思いながら歩いていました。

珍しいのはイランの企業が来ていたこと。 軍事的な秘密が多いイランの企業がこういう場に参加するのは珍しいのだそうです。

いろんな意味でロシアの広さ、強さを知ることができた、貴重な1日でした。2年に一度なので次の開催は2019年!モスクワ市内からのアクセスは少し悪いですが、行ってみる価値はあると思います。

Пока!

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MAKS2017②

Привет!

この間、ぼーっと地下鉄のホームを一人で歩いていると、初めて警察に呼び止められました。すぐに質問が始まるのかと思えば、一度敬礼して「あなたは学生ですか?」と聞かれたので少し面食らってしまいました。敬礼を返すべきか本気で悩みつつ「はい」と答えると(語学学校に通っているし、学生ということでいいでしょう)、「あ、じゃあいいです、すみませんでした」…彼は暇だったのでしょうか?少々物足りなさを感じながらも、学校へ向かいました。

さて、日曜日に行って来たMAKS(国際航空宇宙サロン)の続きです。第一回目はこちらからどうぞ。 車コーナーを抜けると、ひたすら人と飛行機!滑走路脇に飛行機がこれでもかと並んでいます。人が多いせいもありますが、広すぎて自分が歩いている滑走路の端が見えません。ロシアは大きいなあ。

実は今回誘ってくださった方が航空機やエンジンについてかなり詳しく、日本語で説明を聞くことができました。本当にありがとうございます。全ての機体についてお話しすることはできませんが、面白かったものをいくつかご紹介しますね。

こちら、ミグ21v。今回の展示の中では一番古いものだそうです。なんと第二次世界大戦の時から活躍していたもの。普通ジェットエンジンが機体の下や横に着いていますが、これは技術もまだ発達する前なのでジェットエンジンそのものにコックピットが付いている構造になっているとか。

こちらは上に何か気球のようなものを乗せていますね。あそこにはなんとソユーズ(ロケットの一部)を入れたのだそうです!さすが宇宙産業が進んでいるロシア。この飛行機は発表された時には世界中が「ほんまにそれ飛ぶんか」と疑ったそうですが、立派に飛んで打ち上げ場所までロケットを運びました。この「単純に上に乗せる」という感じがいいですね。

次の飛行機にはキノコを乗せてみました。これはキノコ好きのロシア人の茶目っ気…ではなく、あれ全部がレーダーだそうです。あまりのパワーに「今ここで起動させたら、この会場にいる人全員が焼け死んでしまうかも」と言われた時にはどうしようかと思いました。ちなみにあのレーダー1つで四国くらいの範囲が監視できるそうです。見る方も大変だろうに。会場内でもこのキノコは目立ったいたので、万が一迷った時の集合場所に決まりました。

お次はヘリコプターです。会場には飛行機と同じくらい、戦闘機も並んでいました。こちらのヘリコプター、一般的なものと違うのはその上に乗っている翼部分です。二重になっていますよね。普通のヘリコプターのような羽だけでは実は機体の部分がくるくる回ってしまいます(だからドラえもんのタケコプターは物理的にすごいことが起こっているのです)。なので、ヘリコプターの尻尾の部分にもう1つ羽をつけてその問題を解決しているのですが「一箇所に二枚の羽をつけて逆回転させれば問題解決やん!天才!」という思いつきで作られたのがこの機体。なので、背が高くなりましたが後ろに余計なものはつけなくてよくなりました。また、もう1つ他のヘリコプターと違うのは、座席を着脱可能にしたことです。よく映画などで戦闘機が攻撃されたら座席ごと脱出するシーンがありますよね。ヘリコプターは羽を止めれば緩やかに着地できるので、基本その脱出機能はつけていないそうなのですが(というより羽を止めないと体が切断されかねません)、この機体は羽を一箇所にまとめたおかげで少し余裕ができて、座席を脱出する機能もつけてみたそうです。ただ、あまり実用性は無いので、そこまで売れなかったとか。後ろ部分をスッキリさせたかったからか、軍用ヘリコプターにしては珍しく座席を横に並べたのも敗因だったのでしょう。

こちらは世にも珍しい、世界で2つしかないタイプの戦闘機。というのも、ミグ〇〇(何番か忘れてしまいました)とどちらを実用化するか争って負けたので、もう作らなくなってしまったからだそうです。

そしてミグといえばこちら。 あの、シリア空撃に使われたものです。いまのロシア軍では最も広く使われたものだそうで、建物や小さい範囲の攻撃に優れています。ああ、ロシアにいる実感が湧いて来ました。

こんな軍用機の中で可愛い飛行機を発見! 旦那に「この飛行機と一緒に撮影して」と言われたので写真に収めていると、横から「それ、農薬散布用ですよ」と言われました。なんでこの並びでここに置いてあるの…?いや、可愛いからいいんですが。なんでだろう。

そして今回初お披露目のミグ35がこちら!先ほどの青い、一番使われているミグ29の進化版だそうです。

他にも世界最大のヘリコプターや、軍用機の前の部分がガラス張りになっていて偵察できる機体など、数も性能も「ロシアの本気」をみた気がしました。宇宙や戦闘機など、ロシアらしい単語もたくさん聞いて大満足です。また、知らない知識も増えて、本当にためになった1日でした。

明日は他の展示とショーについてお伝えします!

Пока!

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