馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

街の日

Привет!

パリではかなり気温が上がっているそうですが、モスクワでは連日15度以下だそうで、もう秋なのか…とあまりのことに驚いています。そんな中ヌルスルタンでは近頃最高気温が30度を超えていて、かなり日差しも強いので外に出ると溶けそうになります。湿気はない方なんだけどな…。それにしても真冬は-40度まで下がるのに、夏も30度以上になるなんて!これ以上気温差が開かないことを祈るばかりです。

さて、日本では3連休だと思いますが、こちらでは先週末でした。7/6の土曜日が「街の日(かつてはアスタナの日、だったのですが名前が変わったので…ヌルスルタンの日とはあまり聞きませんでした)」だったので、月曜日がその振替休日となったのです。ロシア語の先生からこの話を聞いた時、私は街中のイベントにできる限り行ってみようと心に決めました。先生にどこでやっているか聴くと「至る所で何かしらやっているわ」とのこと。とりあえず色々な広場に行くことにします。

まず初めに向かったのは街のシンボル、バイテレク。ただ、ここの広場では何も行われていなかったのでショッピングセンターのハン=シャティールへ伸びる一本道を歩き始めました。 天気も良く、休日なので家族づれで賑わっていました。この写真の感じでも「賑わっている」と思う私はかなりこの街に慣れてきたのかもしれません。
道沿いには屋台のようなものが出ています。この日だけではなく、2週間ほど前にこの道を通った時も屋台は置いてあったのですが、商品を並べて店を開けているのは1、2店舗でした。ところがこの日はフルでオープンしています(ちなみに1週間後にも行ってみたら、同じくらい開いていました)。ちょっと覗いてみると、フェルトでできた小物から、色とりどりの石で作ったアクセサリー、革製品、お洒落なTシャツなど多種多様なお土産が並んでいました。

ハン=シャティールの横にある広場は時々イベントをしているので、この日も盛大に「街の日」を祝っているものと思い、向かってみると おお!何かやっています!

近づいてみると看板はカザフ語でよくわからないのですが、ロゴやお店を見ている限りカザフスタンのアクタウ地方からやってきたお肉や乳製品、パンなどを屋台で売っているようです。ただ、この日はとても暑かったので会議机の上にそのまま置かれているお肉の鮮度には疑問を持ってしまいました…。
入り口に置かれていた巨大なビニールの人形も、よくみると愛嬌があります。 真ん中の女性が器を持っているのは「お客様歓迎」の印ですね。

さて、あまり「街の日」を感じられていない私は不完全燃焼で2017年の万博会場まで足を伸ばしましたが、そこでは夕方から夜にかけてコンサートをするらしく、舞台を建てている最中でした。なんだか2016年に私が個人的に1週間間違えていた「モスクワの日」を彷彿とさせます。

こうなったら他の広場にも行ってみようと思い、博物館とピラミッドの前にある独立広場にも行ったのですが、そこも何かのイベントの準備中。本当は明日なのか??

この日はあまり収穫を得られず家に帰ってきました。次の日、休日出勤した旦那を見送ってからインターネットでイベントがないか調べてみることに(今から思うと前日からこうするべきでした)。すると独立広場でカザフの民族楽器、ドンブラのコンサートが開かれるというではありませんか!しかし開始時間は12:00。この情報を得たのが13:00。慌てて家を飛び出して会場へ向かいました。 実はこの日、7月7日はドンブラの日だそうで、毎年ここでコンサートをしているそうです。しかも、年齢に関係なくドンブラを弾ける人が集まってきて、4曲ほど披露したとか。こちらの政府発表によるとなんと当日は最大で1000人以上もの人が演奏したとのことです。見たかった…。

私が行った頃にはかなり椅子が片付けられていましたが、それでもどれほどの人が参加したのかを感じられました。意気消沈して帰ろうかとも思ったのですが、広場に真っ白に輝くユルタを発見。 図らずもユルタとモスクの共演になりました。

入り口には「カザフスタンの伝統工芸博物館」と書かれており、足を踏み入れてみると いろんな作家さんのドンブラが置かれていました。しかも試演してもいいとのこと!上の写真のドンブラはとても綺麗なカザフ模様が描かれていますね。私はこの時までドンブラが二弦しかないということを知りませんでした。時々耳にしていた音色からは想像がつかなかったのです。 テレビではドンブラのチャンネルがあるほど人気の楽器なので、弾ける人もかなり多いようです。試演している人たちもほとんどが自分のドンブラ入れを担いでいました。

模様はかなり自由なようで、もちろんカザフ模様は美しいものもたくさんありますが、作家さんによってはこのように動物を描いているものもあります。鷹と馬!かっこいいですね。

おそらくアマチュアの人だと思われる人が、そこに置かれていたドンブラで演奏を始めると、見ていた人が他のドンブラを取って同じ曲を弾き始め、突然凄まじいセッションが始まった時もありました。弾けるようになったら楽しそうです。

外にはユルタを半分に切って屋台にしているようなお店もあります。 お土産もたくさん並んでいましたが、ドンブラをはじめとしたカザフの楽器を売っているお店も!
名称が気になっていたけれどこれまで聞く機会がなかった楽器もありました。 この下に置かれているものは「コムズ」という名前で、指ではなくヴァイオリンのように弓で引くものです。今回音色は聞けませんでしたが、ロシア語の先生曰く「コムズは少し寂しい、悲しい音がする」とのこと。先生はドンブラが好きなようで「ドンブラはすべての感情を表すことができる」とべた褒めしていました。

また来年も7月7日にドンブラの1000人の演奏会するかなあ。次は行きたいです。

Пока!