馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

お洒落なカフェと夜行列車

Привет!

寒いです。朝起きると家の周りにうっすらと雪が積もっていました。昨日19度だったのに…夕方には雨が降って来ましたが、それが夜更け過ぎに雪へ変わるなんて。

今回はサンクトペテルブルクのお洒落なカフェも発掘しました。朝ごはん用に、と教えてもらったSicaffeというところです。 イサク聖堂とエルミタージュの間にあります。こういう質素な入り口がお洒落カフェの条件なのでしょうか。知らなかったら入らないな、と思いながら入ることが最近多いです。

入ってすぐのところにドラムセットが置いてあったので、夜はジャズの生演奏が聞けるのかもしれません。そんな演出もすんなり似合ってしまう、シックな内装でした。

ここも朝ごはんメニューが充実しています。セットにはなっていないのですが、豊富な種類で迷っていると「卵」という文字を見つけました。いや卵って。ザックリやな。気になったので注文してみると「卵をどうしますか?なんでもできますよ」と言われました。なんでも?言葉に詰まっていると「スクランブルエッグでも目玉焼きでもゆで卵でもオムレツでも」と助け舟を出してくれたので、とりあえずオムレツでお願いしました。注文を繰り返した後店員さんは「ここは無料Wi-Fiがありますよ。そしてトイレのコードは1111です」と言い残してキッチンへ消えました。

思わず、旦那と「今トイレのコードって言った?Wi-Fiの間違いじゃなくて?」と確認し合います。考えていてもしょうがないので行ってみることに。 ドアの横で何か光っています。これか!映画のスパイになったような気分でコードを入れ、何食わぬ顔でトイレへ入りました。暗証番号付きのトイレなんて人生で初めてです。

しばらくするとお料理が運ばれて来ました。オムレツがスキレットに入っています!なんてお洒落な朝食でしょう。 パンも50p(100円)でこの量です。朝ごはんをモスクワのカフェで食べたことはありませんが、全体的にサンクトペテルブルクの方が物価は安い気がしました。モスクワが高すぎるのかもしれませんが。出る直前にツアーの団体さんが入って来たので、有名なカフェのようです。

今回の旅行は、サンクトペテルブルクへはサプサン(新幹線みたいな高速列車)で、モスクワへの帰途はいつもと嗜好を変えて夜行列車。サンクトペテルブルクを22:50に出るため、駅についてびっくり。 二階建てです!これまで何度か寝台列車には乗りましたが、二階建ては初めてでした。

部屋にはすでに水とお手拭き、塩コショウとガムが置かれていました。箱まで可愛いです。 ベッドにシーツを掛けていると車掌さんが「朝ごはんが一つついていますがなにがいいですか?」と聞きにやって来ました。ハンバーガーを頼むと「一緒にお茶はいかがですか?」と重ねて聞かれます。あ、じゃあお願いします、と言うと「1人50pです」…そうやった、お茶は有料やった。

疲れて眠い体に鞭打って、探検に出かけます。食堂車まで4、5車両通って行かなければなりません。その度に階段を上がるか下がるか(連結部分と同じ高さにはないから)しないと行けないのでいい運動になりました。

やっと着いた食堂車も二階建て! これは二階のレストランです。一階はバー兼キッチンのようで、クラブミュージックが常にかかっていました。一階で作った料理を二階のレストランへ写真右手前のエレベーターで上げるようです。

ほかの場所へ行くのに比べてモスクワ-サンクトペテルブルク間は乗っている時間が短いですが、かなり快適に過ごせました。今はアエロエクスプレスも二階建てになっているそうなので(出会ったことはありませんが)、また乗りたいです。

Пока!

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サンクトペテルブルクのホテル(四軒目)

Привет!

もう雪もほとんど溶けきったので、冬用の靴を脱ぎ捨ててスニーカーを履き始めた昨日、雪も氷もない駅の真ん中で滑って転びました。ついでに柱に腕を打ち付けて痛いです。皆さんも春だからといって羽目を外しすぎず、気をつけてくださいね。

場所があっちこっち行きますが、今日は先日のサンクトペテルブルク旅行の話です。これであの素敵なヨーロッパ風の街に行くのは4回目ですが、毎回違うホテルを使っています。大体は私たち夫婦に日本から遊びに来てくれた人の3人で行くことが多いので、一室が2部屋に分かれているところを探して予約していたのですが、今回はサンクトペテルブルク在住の友達が紹介してくれたところを予約しました。 Dashkova Residenceという名前のホテルで(これはレセプションの写真です)、ここ2年で出来たらしく綺麗な上に部屋数が多い素敵なホテルでした。受付のお姉さんも愛想が良かったです。予約時にカードで支払いをしていたのを忘れて、現地でチェックインするときにもう一度言われるがまま支払うというトラブルもありましたが、受付のお姉さんが自分ですぐに気がついて、その場でちゃんとキャンセルしてもらえました(「こういうのはご自身でいつ払ったか把握しておかないといけませんよ!」とお姉さんに怒られました)。

2泊、3人で一室9000p(18000円程)とお手頃価格なのに、部屋が二つに分かれている上にバストイレも二つあったのです。有難い。廊下にはお湯が出るウォータークーラーもあるし、言うことなしです。

特筆すべきは、このホテルの立地の良さ。 イサク聖堂とネヴァ川の間にある青銅の騎士像から500mのところにホテルはあります。上の写真奥に見えるアーチから入って徒歩2、3分で着きます。こんなに中心部にあれば、ここからサンクトペテルブルク市内の有名な観光地へはほとんど歩いていけるのです。あまり時間がないけど、観光地を回りたい人にはオススメのホテルでした。

朝ごはんは一回400p(800円)でバイキング形式のものをつけられるそうですが、私たちはホテルのすぐ横にあるカフェへ行きました。 店名も書いていない代わりに営業時間は嫌でもわかるこのドアを開けると落ち着いた雰囲気のカフェがありました。

しかも朝ごはんメニューが豊富なのです。カーシャ(ミルク粥)とクロワッサンと飲み物で199pだとか、ブリヌイにスィルニキ 、オムレツ、なんでも200p以下で食べられます。サラダバーまであるので旅行中なのに栄養も偏りません。 気がつけば理想的な朝ごはんが目の前に広がっていました。

店内の様子はこんな感じです。 お客さんも適度にいて、居心地が良かったです。観光が待ってなかったらもう少しゆっくりしたかった、と思えるような素敵なカフェでした。

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パスハ@モスクワ

Привет!

家を出るときに外気温が13度だと言われたのですがどの上着を着ればいいのか分からず窓から通行人の服装をしばらく観察して見ることにしました。スプリングコートや薄めのダウン、ジャケットに厚手のコート、上着を脱いで手に持っている人など本当に多種多様です。中には半袖の人までいて、全く参考になりませんでした。仕方なくジャケットを着たのですがちょっと肌寒いです。なるべく日向を歩いて行きたいと思います。

昨日はロシアのイースター、Пасха(パスハ)でした。ロシアではこの日はクリーチと呼ばれる大きなパンを食べてお祝いします。ということで、土曜日に旦那が友達オススメのクリーチを買ってきてくれました。 これで130p(260円)だったそうです。安い。

去年はちょうど期せずしてセルギエフ・ポサードでこのクリーチを食べましたが、今回のは去年のものよりカップケーキに近かったです(去年は本当にパンでした)。家庭ではクリーチを手作りするらしく、この時期スーパーで買い物をするとレジ横に置かれた小麦粉の大袋を店員さんに勧められます。

バター、砂糖、卵、小麦粉を大量に使って作るクリーチをこの日に食べるのは、マースレニッツアから40日間ほど続いた「大斎」が開けたお祝いでもあるからです。敬虔な信者は大斎の間、復活するまでイエス・キリストがなにも口にしなかったことに倣って動物性の食品を避けた食事を取ります。この期間をロシア語でпост(ポスト)といい、レストランへ行くと「ポスト用メニュー」が通常メニューと一緒に出てくることが多いです。 これがそのメニューです。

さて、腹ごなしも終わったので、外も晴れているし暖かいし散歩に出かけます。金曜日のメトロ新聞に、モスクワの街中でのパスハの催し物一覧が載っていました。モスクワ最大の正教会、聖ハリストス大聖堂はこの日だけは観光気分で覗きに行ってはいけない気がするので、トベルスカヤ広場からスタートです。 可愛い卵で飾られた木が入り口に立っていました。パステルカラーで春の気分も盛り上がります。ついに冬が終わったんだなあ。

広場の奥では舞踏会が開かれていました。19世紀の衣装を身にまとったダンサーたちが優美なダンスを披露した後、21世紀の人たちにダンスレッスンをしてくれるというものです。 新聞によれば、時間によっては舞踏会ではなく、観客参加型のパスハの劇が上演されるそうです。面白そうです。

もちろんその周りでは色々な売店が出ています。今回はやはり卵型のものが多かったです。綺麗に装飾された卵から、卵型の塩胡椒入れ、丸っこいぬいぐるみなど。そのぬいぐるみの中に見知った顔を見つけました。 お前は…トトロではないか?売り子のおばちゃんも「そうそう!トトロ!」と笑顔です。体型が卵だと思われたのでしょうか。横の小トトロに至っては上下逆さまです。

それにしてもこの陽気だからか、トベルスカヤ通りから赤の広場、マネージ広場にかけてはかなりの人出でした。みんな冬の間どこにいたの?人が多いので自然と歩くスピードもゆっくりになります。暖かい春のモスクワを満喫できました。

赤の広場の目の前では何と桜が咲いています。 横にあるのは去年のクリスマスからずっと出ているツリーですが、気にしないことにしましょう。ここの催しが金曜日のニュースで報じられており、そのときにキャスターが「なんとここではサクラが咲いています!」と言っていたので、誰が何と言おうとこれは桜です。桜に卵が釣られています。日本の友人や実家からの桜便りを少し切なく見ていたので、造花でもここに来てお花見が出来て良かったです。人出に関しては本当に日本のお花見のようでした(人が多かった)。

欧米のイースターとは違い、ロシアのパスハには卵は出てきてもウサギは出て来ません(卵は復活の象徴だからです)。それでもやはり少しイースターを意識しているのか、ウサギが桜の間に立っていました。 長いけど可愛い。と思ったら、近くにリスや鶏もいたので、やっぱりあまり意識していないかもしれません。

他にも鳥かごの中に大量に卵が入っているなあと思ったら鶏だったり、 なかなか面白かったです。卵型の鶏って哲学的ですね。

じつは、この一連の催し物は全て慈善活動がテーマです。各広場にこんな木が置いてあり 下に銀行で寄付をする方法が書いてあります。寄付をした人はこのピンクの花びらを裏返して葉っぱにしてね、と書いてありました。

また、1812年戦争博物館の前の広場ではパターゴルフコースができています。ここも携帯電話からQRコードで指定のところに寄付をするとプロゴルファーからレッスンを受けられるチケットが送られてくるそうです。 この寄付金は身寄りのない高齢者や子ども、身体障がい者のために使われるそうです。

他にもトベルスカヤ広場では「本の表紙を描くワークショップ」が、他のところでも「卵の装飾をするワークショップ」など、様々なワークショップがこの形式で行われています。この催しは15日まで。

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古い塔

Привет!

昨日は窓が外れるのではというくらいの強風でしたが、今日はすっかり快晴!ヨーロッパのイースターは先週でしたが、ロシアのイースターことパスハは今日です。深夜にすぐ近くで花火が3、4発打ち上げられていました。キリストの復活を盛大に喜んでいる感じがしていいのですが、なかなか眠れず困りました。

前回の記事で書いたボリショイ劇場でのバレエは2時に始まり、終演したのが6時前。夕食はこの近くで、ということになりました。観光客向けと聞いていたので行ったことのなかったレストラン「古い塔(старшая башня)」へ。 マネージ広場に来ると嫌でも目に入るこちらの建物は、一階がお土産物屋さんになっています。ドアを開けると本当に中世のお城に迷い込んだようです。愛想のいいクロークのおじさんにコートを預け、彼に案内されてエレベーターへ。笑顔のおじさんに「ごゆっくり」と言われながらドアがゆっくり閉まると、3階まで上がります。

時間も早めだったからか、あまり人も多くなく、落ち着いて食事ができました。店員さんも皆中世のような、ベージュの麻でできたシンプルな服を着ています。案内された席からは先ほどまでいたボリショイ劇場が綺麗に見えました。 本当に塔の中から見ているようです。

メニューを見てもどれも値段が張るわけではなく、色々なお料理を楽しめるような価格設定で安心です。まずサラダに頼んだのはこちら。 レストランの名前がそのままつけられた「スターラヤ・バーシュニャ」です。たしかに…言われれば塔に見える…かな。一番下にはナスが、そしてピクルス、パプリカ、トマト、レタスがクリームチーズを挟みながら積み上げられています。運んできた店員さんが「お分けしましょうか」というのでお願いしたらちょうど崩れないように真ん中で切ってくれました。プロの技です。

メインに注文したのは、キエフ風カツレツでした。旦那が「ここはそれが有名らしいよ」と言ったからです。 カツレツの中にバター棒を入れていたんだろうなと分かる穴が開いていて、周りの肉にもバターの味が染み込んでとても美味しかったです。マッシュドポテトも柔らかすぎず、ちょうど良くてどんどん食べてしまいましたが本当にお腹がいっぱいに。

それでもデザートも頼もうと旦那がいうので一つのチーズケーキを2人で食べようと注文すると、 めっちゃ細いのが来ました。しかもバラの花付きです。なんとボリショイ劇場の前にこっそり旦那が「デザートの時一緒に持ってきてください」とお願いしていたそうです。すごい。何度見てもこのチーズケーキに笑ってしまうのですが、そういう気も使ってくれる(あらかじめ分けて出してくれる)ところが嬉しかったです。

こうやって今年の誕生日もとてもいいものになりました。

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夢のボリショイ劇場

Привет!

昨日(4/6)はいろんな「シャーロック・ホームズ」をテレビで放送していました。理由を考えてみたのですが、もしかして「4(シ)ャー6(ロック)」だから…?というところまで思いついて、4、6を「シ、ロク」と発音するのは日本語だったと思い出しました。じゃあなんでだ。

先日、誕生日を迎えました。モスクワで過ごす2回目の誕生日です。なんと今回は旦那にあのボリショイ劇場に連れて行ってもらいました! 公式ホームページで注文したら、家までチケットを届けてくれるそうです。届いていたのは全く知りませんでした。でもあの外から眺め続けた劇場に入れるのです。テンションが否応なしに上がります。

外観は皆様ご存知だと思うので少し遊び心があるものを。これ、かなり難しかったのですがもう少し離れればできる気もします。どちらかにしかピントが合わない…。

ボリショイ劇場には歴史的なホールと近代的な新館があります。上の写真は歴史的な方。この外装は1825年にできたものですが、その後も何度か火事に遭ったり、老朽化したりで2005年から6年間は大修築されたそうです。旦那はちょっとうっかりしたところがたまにあるので、もしや新館では、と一瞬不安になったのですが、私の考えを見透かしたのかチケットを出しながら「ちゃんと歴史的なホールやで」と先に教えてくれました。

とりあえず中に入りましょう。 階によって壁の色が違います。地下一階にあるガルデロープでコートを預け、席がある3階まで階段で上がります。パステルカラーが可愛い。そして顔がアジア系だからかみんな英語で話しかけてくれます。

ここから入ります。案内のおばあさんにチケットを見せると「あ、ボックス席ですね」と言われテンションが上がりましたが、多分一階席以外ボックス席だと思います。

オペラ座の怪人(大好きなミュージカル)の世界やん!!!バレエが始まる前から気持ちが最高潮に達してしまいそうです。周りの席の人たちと写真を取り合いっこして、堪能しました。それにしても収容人数がすごかったです(改装前の情報は2150席)。

ちなみに演目は「アンナ・カレーニナ」でした。バレエはセリフがないので一応見に行く前にあらすじを知っておかないとよく分からないところが出てくるのですが、以前ミュージカル版を鑑賞したことがあるので話の流れはバッチリです(その時の話はこちらから)。これはトルストイ原作なので舞台が日露戦争前後の話でしたが、今回のバレエは現代に舞台を持ってきて、踊りも かなり現代的でした。クラシックバレエしか見たことがなかった私はかなり驚きましたが、クラシックバレエより感情表現が激しくて観客の感情まで激しく揺り動かされるものでした。とりあえず本当に不倫は良くないですね。

2時間ほどの第一幕が終わって休憩時間です。軽食コーナーへ行くと さすがボリショイ、キャビアあるやん。 値段を聞くのが怖かったので聞いていませんが、あれは瓶ごともらえるのでしょうか…。

大人しくマカロンとパイナップル詰め合わせをいただき、時間が許す限り劇場散策へ出かけます。 一階席から撮った天井と貴族のボックス席。上のシャンデリアがいつ落ちてくるかと不安になりますね。映画のオペラ座の怪人はシャンデリアを全てスワロフスキーで作ったそうですが、あれはどうなんだろう。

ちなみにあのボックス席の真横の席からだと舞台が一部見えないので少し離れたところをお勧めします。私はボックスから二つほど離れた席だったのですが十分に見えました。 カーテンコールの様子。

モスクワにいるからには一度は入ってみたかったので夢が叶いました。しばらくは「ボリショイ劇場に入ってんでー!」と街行く人に声をかけたくなる衝動に駆られて大変でした。

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バー「Mitzva」

Привет!

来週月曜日には最高気温が17度まで上がると聞き(現在4度)、服装をどうするべきか悩んでいます。まだバイカル湖でも来ていたコートの前を開けて羽織っていますが、10度以上の時ってどんな服装だったっけ…。スマホの写真フォルダーが撮影場所や写っている人ごとにアルバムを作れるなら、気温ごとにもアルバムを作って欲しいです。何人かには需要があると思います。

さて、2年近くモスクワで暮らし、何人か日本から来てくれた人々を案内しているうちに「モスクワのことならなんでも任せて!」と知った気になっていましたが、ただの傲慢でした。驕れる者は久しからず、旦那の妹さんに「バーとかパブに行ってみたい」と言われて「あ、サポート外だ」と思い知ります。

もう来客予定はありませんが、せっかくなのでモスクワのレストランならいいところも悪いところも知ってるという私のロシア語の先生に「というわけで、いいバーやパブはありませんか」と聞いてみました。彼女は嬉々としてそれぞれの特徴を説明しながら7つほど紙に書き出してくれます。せっかくなので週末に行ってみることに。

その7つのおすすめの中でも「一番はここ!ここは行って!」と強調されたのがここ、Mitzva(ミツバ)です。

メトロはノボクズネツカヤ(Новокузнецкая)駅からピャートニツカヤ通り(ул. Пятницкая)を5〜8分ほど歩き、一本大通りから外れたところにあります。この駅に来たのも初めてだったのですが、このピャートニツカヤ通りにいい感じのレストランやバー、パブが並んでいたのです。もっと早めに来ておけばよかった。トレチャコフ美術館からも歩いてこられるので、芸術鑑賞の後にどうぞ。

この日は私に時間があったので、下見としてミツババーの前まで昼間に行ってみました。 え…ここ…?ドアの横にある黒板にかろうじて「ミツバ」と書いてある気がしますが、信頼している先生から聞いていなかったら絶対場所を変えていました。週末に行くなら予約が必要、と聞いたので前もって予約した時間に改めて来た時はドアを開けるのをかなり躊躇しました。いや、ここそんなに人来るか…?

ドアを開けると薄暗い階段が地下へ伸びていて、もう帰りたくてたまりません。階段の下にあった、セルフでコートをかけられるクローゼットを開けてびっくり!私たちのコートをかける場所がないくらいたくさんのコートがかかっていたのです。

案内された席に着くと、メニューがやって来ました。 巻物で。ここはイスラエル料理を扱っているバーで、メニューを見ても固有名詞ばかりでまったくどんなものか想像がつきません。とりあえず理解できたチップスを頼んでみました。

飲み物は?と聞かれます。先生からカクテルがおススメだと言われたのですがメニューにはビールしか載っていませんでした。美人な店員さんに「カクテルってあります?」と聞くと「もちろんですよ。ただ、うちにはカクテルメニューがないので、お客さんの要望を聞いて作っています。どんなのがいいですか?甘め?辛め?フルーツはどうしますか?」 …おお、バーっぽい会話です。とりあえず2人とも「甘めでフルーツ」ということで一致しました。旦那は木苺、私はバナナをチョイス。

奥にあるのが旦那のですが、なんか可愛いものがきました。私のバナナカクテルは湯のみみたいなものに入っています。一口飲んで「おいしい!」と大きめの声で2人揃ってしまいました。一緒に来たチップスも、カリッとしていて油っこくなく、そのままで食べても横についているコクのあるマヨネーズにつけてもおいしいという一品で、大満足です。

でもせっかくだからイスラエル料理を食べてみたくなりました。二杯目のカクテルに旦那が「辛めので!唐辛子?入れてください」という強気の注文をしたので、ついでに「これに合う料理ってどれですか?」と聞いてみます。そうですね…これは本当に辛いから…と言いながら店員さんが選んだのがこちら。

ファラフェルです。豆をすりつぶしたものにスパイスを混ぜ、ボール状に成形した後揚げているそう。周りはカラッとしていて硬く、中は豆なのでヘルシーにも感じる一品。イスラエル料理は初めて挑戦しましたが美味しいですね!

これだけではまだ物足りなかったので、シャクシュカという料理も追加します。 いくつかの食材の中から唯一知っているロシア語だったナスを選びましたが、この料理は何かしらの食材をトマトで煮込んだ料理のようです。少しスパイスが効いていて辛めでした。横についているパンもふわふわで美味しいし、文句なしの一品です。

私は二杯目のカクテルに中辛でオレンジ風味のもの注文しました。 おそらくウォッカベースだったのでアルコール度数は高そうでしたがこれもかなり好みの味でした。これらのカクテルは一律600p(1200円)。少し高めでしょうか。ちなみに二つのグラスの間にある巻物はメニューです。

店内もおしゃれだし、カクテルはどう頼んでも外れがないし、イスラエル料理は美味しいし、混み具合もちょうど良くて、とてもいい気分で店を出ることができました。

また特別な日にしっとり飲みに来たいです。

Пока!

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夜の訪問者

Привет!

木々に小さな蕾がつき始めました。来週からは最高気温も二桁ですし、冬が終わりますよー!相変わらず気温の変化が突然です。

通い続けている学校では、先週まで「家のトラブル」をテーマにロシア語を学んできました。例えば「電球が破裂したらどうするか(!)」とか、あの悲劇もあったので「火事の場合は」、「家の鍵を持たないままオートロックがかかってしまったら」ほかにも「トイレが故障したら?」「エレベーターに閉じ込められたら?」「水が出なくなったら?」などのケースに対応できるようにいくつか単語を勉強してから生徒同士でロールプレイをするのです。クラスメイトから演技が上手いね!と言われましたが、だって…いくつかのシチュエーションに身に覚えがあるから…。先生、もうちょっと前にこの授業を受けたかったです。

話は変わって昨日の夜。8時ごろ、夕食後のダラダラ時間を過ごしていると、突然ドアがノックされました。うちのアパートは、共有廊下へのドアにはチャイムが付いているのですが、部屋へのドアにはチャイムがついていないのです。初めは聞き間違いと思いました。あるいは他の部屋へのノックかと思い無視していたのですが、4、5回ノックされると流石に気になってきます。旦那と作戦会議をしようにも音が邪魔をしてくるので、とりあえずドアの覗き穴から見て見ることにしました。人生で初めて使う覗き穴からみた旦那は「スキンヘッドで髭面の男性が立ってる」と一言。絶対怖い人やん(見た目で判断するのは良くありませんが)。

でもどうしようもないので「どなたですか?」とドア越しに聞いてみるも、返事はくぐもってよく聞こえません。意を決してドアを開けました。そこに立っていた長身でガタイの良い男性はこう切り出します。「一年近く隣に住んでいる者ですが…しまった、書類とか全部車の中だ…ドアの鍵が壊れてしまって家に入れません。あなたのところのバルコニーって東側についてますよね?バルコニーをつたって窓から入らせてもらえませんか」…このシチュエーションは!この前授業でやったロールプレイだ!もう実践!?進◯ゼミもびっくりの速さです。

その男性があまりにも申し訳なさそうなのと、あまり怖い感じはしなかったので(めちゃくちゃ見下ろされてるけど)、旦那と一瞬日本語で相談してから承諾することにしました。すると「じゃあ2時間後にまた来ます。寝てないですか?」と聞かれました。

あと2時間あるのでとりあえずバルコニーの洗濯物を取り入れたり、片付けたりしました。バルコニーといってもこんな風に 半分部屋の中みたいになっています。片付けるついでに外側を見てみたのですが(写真は今朝撮りました)、 …え、これ不可能じゃない?

2時間待っている間に色々と不安になってきました。もし彼が足を滑らせて落ちたら?救急車って何番だっけ?もし彼が強盗で、家に入れたが最後刃物でも出されたら?断りたくなってきました。宿題も全く手につかないので平気な顔で作業をしている旦那に話しかけると「とりあえず来たら外をみてもらって無茶やからやめろって言ってみようか。ホテル探してもらって。もし強盗だったら…あっちは1人だしこっちは2人だからなんとかなるやろ。そもそも予告してから来るギャングがいるか?」と言われました。なぜ私が殴り合いの頭数に入っているのでしょうか。

そうこうしているうちに2時間が過ぎ、約束通りまたノックされます。こういうところは慎重な旦那がドアの覗き穴から確かめて一言「3人に増えてる!」…嘘やろ。数で負けてるやん。

2回目のノックで観念してとりあえずドアを開けてみました。さっきの男性と、彼と同じ体型(大きい)の男性、そして迷彩服を着て頭には地下鉄にいる警察のような帽子を被った小柄な男性が1人。手には箒とロープが握られています。もうこれあかんやつや。

でも「やあやあ、すみませんね。お願いします。お邪魔します」と口々に言いながら玄関で靴を脱ぐ3人を見て、ちょっと安心しました。まさか強盗に来て靴を脱ぐ人はいないでしょう。バルコニーの方へ案内すると、まず初めの男性がうちの窓から身を乗り出し、箒の柄で自分の家の窓を開けました。それだけで大喜びの3人。次に小柄な男性が上着を脱ぎ、Tシャツの上から体にロープを巻きつけました。ロープのもう片端は初めの男性の体に巻きつけます。そして小柄な男性が軽業師のようにひょいっと窓の桟に乗り上がると、外側にかろうじて出ている足場の上に降り立ちました(二つ目の写真で少しだけ下の方に見えているものです)。ここで彼が靴を脱いでいることを思い出して本当に肝が冷えたのですが、彼は一回もバランスを崩すことなく隣人の窓に辿り着…「ロープ短い!届かへん!」という声が聞こえてきました。初めの男性がギリギリまで窓に体を近づけたので、なんとか窓から入れたようです。「ウラー!(万歳)」という声が聞こえ、こちらも「ウラー!」となりました。もう1人の男性が何をしていたかというと、携帯電話で一生懸命撮影していました。記録係だったようです。何しに来てん。

「ウラー!」と言いながらうちに残った2人は玄関へ急ぎます。途中で私たちに「本当にありがとう、もし君たちの鍵が壊れたら遠慮なく言ってくださいね、彼が行くので!」と言ってくれました。気持ちだけ受け取っておきます。

口々に「ありがとう、ありがとう」と言いながら彼らは靴を履いて去ろうとし、すんでのところであの軽業師の荷物が全部うちにあることを思い出して戻ってきました。無事撤収が終わったあと、1時間ほど隣の部屋から打ち上げパーティーの様子が聞こえてきます。

ひさびさに「そういえばここロシアだった」と思い出す出来事でした。あまりにもタイミングが良過ぎて「学校からの抜き打ちテストか」と思いましたが、どんな人が横に住んでいるのかわかって良かったです。

Пока!

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