馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

パスハ@モスクワ

Привет!

家を出るときに外気温が13度だと言われたのですがどの上着を着ればいいのか分からず窓から通行人の服装をしばらく観察して見ることにしました。スプリングコートや薄めのダウン、ジャケットに厚手のコート、上着を脱いで手に持っている人など本当に多種多様です。中には半袖の人までいて、全く参考になりませんでした。仕方なくジャケットを着たのですがちょっと肌寒いです。なるべく日向を歩いて行きたいと思います。

昨日はロシアのイースター、Пасха(パスハ)でした。ロシアではこの日はクリーチと呼ばれる大きなパンを食べてお祝いします。ということで、土曜日に旦那が友達オススメのクリーチを買ってきてくれました。 これで130p(260円)だったそうです。安い。

去年はちょうど期せずしてセルギエフ・ポサードでこのクリーチを食べましたが、今回のは去年のものよりカップケーキに近かったです(去年は本当にパンでした)。家庭ではクリーチを手作りするらしく、この時期スーパーで買い物をするとレジ横に置かれた小麦粉の大袋を店員さんに勧められます。

バター、砂糖、卵、小麦粉を大量に使って作るクリーチをこの日に食べるのは、マースレニッツアから40日間ほど続いた「大斎」が開けたお祝いでもあるからです。敬虔な信者は大斎の間、復活するまでイエス・キリストがなにも口にしなかったことに倣って動物性の食品を避けた食事を取ります。この期間をロシア語でпост(ポスト)といい、レストランへ行くと「ポスト用メニュー」が通常メニューと一緒に出てくることが多いです。 これがそのメニューです。

さて、腹ごなしも終わったので、外も晴れているし暖かいし散歩に出かけます。金曜日のメトロ新聞に、モスクワの街中でのパスハの催し物一覧が載っていました。モスクワ最大の正教会、聖ハリストス大聖堂はこの日だけは観光気分で覗きに行ってはいけない気がするので、トベルスカヤ広場からスタートです。 可愛い卵で飾られた木が入り口に立っていました。パステルカラーで春の気分も盛り上がります。ついに冬が終わったんだなあ。

広場の奥では舞踏会が開かれていました。19世紀の衣装を身にまとったダンサーたちが優美なダンスを披露した後、21世紀の人たちにダンスレッスンをしてくれるというものです。 新聞によれば、時間によっては舞踏会ではなく、観客参加型のパスハの劇が上演されるそうです。面白そうです。

もちろんその周りでは色々な売店が出ています。今回はやはり卵型のものが多かったです。綺麗に装飾された卵から、卵型の塩胡椒入れ、丸っこいぬいぐるみなど。そのぬいぐるみの中に見知った顔を見つけました。 お前は…トトロではないか?売り子のおばちゃんも「そうそう!トトロ!」と笑顔です。体型が卵だと思われたのでしょうか。横の小トトロに至っては上下逆さまです。

それにしてもこの陽気だからか、トベルスカヤ通りから赤の広場、マネージ広場にかけてはかなりの人出でした。みんな冬の間どこにいたの?人が多いので自然と歩くスピードもゆっくりになります。暖かい春のモスクワを満喫できました。

赤の広場の目の前では何と桜が咲いています。 横にあるのは去年のクリスマスからずっと出ているツリーですが、気にしないことにしましょう。ここの催しが金曜日のニュースで報じられており、そのときにキャスターが「なんとここではサクラが咲いています!」と言っていたので、誰が何と言おうとこれは桜です。桜に卵が釣られています。日本の友人や実家からの桜便りを少し切なく見ていたので、造花でもここに来てお花見が出来て良かったです。人出に関しては本当に日本のお花見のようでした(人が多かった)。

欧米のイースターとは違い、ロシアのパスハには卵は出てきてもウサギは出て来ません(卵は復活の象徴だからです)。それでもやはり少しイースターを意識しているのか、ウサギが桜の間に立っていました。 長いけど可愛い。と思ったら、近くにリスや鶏もいたので、やっぱりあまり意識していないかもしれません。

他にも鳥かごの中に大量に卵が入っているなあと思ったら鶏だったり、 なかなか面白かったです。卵型の鶏って哲学的ですね。

じつは、この一連の催し物は全て慈善活動がテーマです。各広場にこんな木が置いてあり 下に銀行で寄付をする方法が書いてあります。寄付をした人はこのピンクの花びらを裏返して葉っぱにしてね、と書いてありました。

また、1812年戦争博物館の前の広場ではパターゴルフコースができています。ここも携帯電話からQRコードで指定のところに寄付をするとプロゴルファーからレッスンを受けられるチケットが送られてくるそうです。 この寄付金は身寄りのない高齢者や子ども、身体障がい者のために使われるそうです。

他にもトベルスカヤ広場では「本の表紙を描くワークショップ」が、他のところでも「卵の装飾をするワークショップ」など、様々なワークショップがこの形式で行われています。この催しは15日まで。

Пока!

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