馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

カザン旅行記-博物館②

Привет!

昨日年が明けてから初めて会ったロシア人に「あけましておめでとう!だいぶ遅いけど」と言うと「今日は旧正月だからセーフ」と言われました。そうか、1/7がクリスマスなら一週間後の1/14は正月ですよね。でも今ではその習慣はほとんど残っていないそうで、みんな1/1に祝います。なんでクリスマスだけ残ってるんだ…。

今日は一番書きたかった博物館について書こうと思います。その名も「ソビエト博物館(Музей социалистического быта)」です(訳が若干違いますが)。

もともと社会主義国のソ連が崩壊したことは授業で習って知っている程度。グラーク博物館などで当時の上層部のことはなんとなくわかっても、市井の生活が全く想像できなかったので、知りたい という気持ちはずっとありました。

私たちと入れ違いでカザンに行かれたジョディさんからここの博物館が面白かったと聞き、楽しみにしていました。例のごとくTripadvisorで前もって調べると評価が高いのです。しかも揃いも揃って「オーナーが素晴らしい」や「管理人がめっちゃいい人」というコメントばかりです。興味が湧いて来ました。 入り口はこじんまりとしていて、入るとこんな風景です。階段を登って二階へ向かいます。

博物館の入り口に綺麗なお姉さんが立っていました。入ろうとすると「どこから来たの?日本!コンニチハ!ここで入場料を払ってね」と流れるような説明です。初めから中国人だと決めつけずに聞いてくれて、日本語まで話してくれたことだけで好感度が高くなりました。

こんな感じでソ連時代のものが所狭しと並んでいました。正直、博物館としてはこの部屋と、もう一つ不安になるような螺旋階段を上った先にある部屋だけなのですが、ものが多いことと当時の服を自由に着て撮影できるということの二つの点でなかなか見終わりません。訪れている人もかなりいて、みんな思い思いの時間を過ごしていました。 部屋の目立つ位置にこんなゲームがありました。今写真を見返すと「チケット売り場で声をかけたら、15カペイカ(ルーブルより小さい単位です)で遊べるよ」という張り紙が読めましたが、旦那と二人して後半しか読まず、持っていた10カペイカ2枚をなんの疑問も持たずに機械に入れてしまいました。うんともすんとも言いません。まあ昔のゲームだし壊れているのかなーとその場を離れ、展示を見ていたところ、ロシア人の子供が15カペイカを入れても動かない、とオーナーに訴え始めました。そこで私たちもミスに気がつきます。オーナーはさっと機械を開けて、詰まっていた私たちのコインを取り出し、あっという間に直しました。私たちが謝ろうと近づくと「君たち日本人なんだって?この博物館は気に入った?」と笑顔で話しかけてくれます。「かなり気に入りました!あの、げーm「何か質問とかある?どれが好き?」と本当に気さくに話してくれるので謝るタイミングを逃してしまいました。ああ、みんなが言っていたのはこのオーナーか。 そのあと3回やらせてもらうために100p払って受け取った15カペイカ。現代のとは違います。旦那がやろうとすると、さっきゲームを終えたばかりのロシア人のお客さんがやり方の説明とコツを教えてくれ、めっちゃ応援してくれました。簡単にいうと魚雷を敵艦に当てるゲームです。

オーナーに話を聞きたくて、もう一度話しかけに行きました。この博物館は、26年かけて彼が集めたコレクションだそうです。ところどころに収集に協力してくれた(多分有名な)人とオーナーが一緒に写っている写真が飾られています。本当に質問すれば一つ一つ丁寧に教えてくれるし、実物を見せてくれるし、素敵な人でした。 ブログで紹介したいから撮らせて!とお願いした快く承諾してくれたオーナー。彼が持っているのは1986年出版のソ連時代子供達がロシア語を学ぶのに使っていた詩集です。私たちがロシア語を勉強中だというと、なんとプレゼントしてくれました。一生大事にします。

オーナーは人気者なので、忙しい時には入り口のお姉さんが案内してくれました。 性的なものがダメだったソ連時代に禁止されたアーティスト一覧。よく見るとチンギス・ハンやU2、ACDC、ヴァン・ヘイレンなど有名なアーティストが載っています。博物館にはこれらのアーティストのポスターも展示してありますが、禁止されていたので隠し持っていたものだそうです。

「残念だけど日本とソ連はあまり仲良くなかったでしょう。だからみんな日本のことはよく知らなくて、木材が豊富だということは知っていたから、テレビなども外側の枠は自分で作っているらしい、という噂だったのよ」なんていう面白い話も聞けました。 映画などビデオの再生機。映画を見るにも機材が高くて、持っている人が「今日はこの映画を流します」と告知、見たい人はその家に集まってお金を払って見ていたそうです。

そのお姉さんがお土産に、とくれたバッジ(右)とお土産で売っていたモスクワオリンピックのマスコットキャラクター、ミーシャ(左) 右のバッジは、ソ連時代の学生がつけるバッジだそうで、真ん中の人はレーニンです。彼は子供の頃あまり成績が良くなく、退校になったこともあります。バッジの下には「いつでも準備万端」の文字。

本当にこじんまりとした博物館でしたが、1時間半以上いてかなり楽しめました。メジャーどころではないけれど、かなりオススメの場所です!

Пока!

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