馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

ウエストミンスター寺院と町歩き

Hi!

イギリスは今週から最高気温が27、8度になるようで、暑い暑いと(私のホストファミリーは)大騒ぎです。モスクワに続きこの環境で過ごしていると、夏の日本に帰れなくなるのでは、と私は密かに恐れています。

さて、前回の続き。
二階建てバスでウエストミンスター寺院まで戻ってきました。 入り口から長い列が伸びていたので、係員に「何分くらいかかりますか?」と聞いたところ「40分くらいでしょうか」とのこと。ゆっくり並ぶことにしましょう。列の中には折りたたみ式の椅子を持って来ている人もいましたが、流れ自体はスムーズなのでそんなに椅子の出番はないかと思います。むしろ観光に椅子を持って来るという発想がありませんでした。

地球の歩き方に載っている入場料は少し高かったのですが、実際には一人5ポンド(750円くらい)でした。中は本当に見事なゴシック様式の教会なのですが、歴代の王や女王が多く埋葬されている本堂は撮影禁止なので、建築の素晴らしさは現地で確かめてください。王族以外にも、著名な作家や政治家、学者も埋葬されています。シェイクスピアやジェーン・オースティン、チャーチルなど、知っている名前を探すだけでも楽しいです。そして同時に驚いたのが、墓石が床の一部を構成していること。ロシアの教会でも石棺が置かれているので墓石を踏むことはありませんでしたが、ここでは何気なく歩いていると自分の足の下に「ここに〇〇卿眠る」などと書いてあって慌てて飛び退く、ということが多々ありました。しかし気にしていると足を下ろす場所がなくなるので、こういうものなのか、と納得するしかありません。

またここは歴代の王・女王の戴冠式が行われた場所でもあります。ヘンリー8世やエリザベス1世とスコットランドのメアリー女王など、世界史で聞いたことのある名前と深い関わりを持つ場所なので、一見の価値はあります。そんな本堂は薄暗いので、出てすぐに眼前に広がる青々とした中庭がとても眩しく感じました。

この中庭をぐるっと囲む廊下の壁にも、さまざまな人が埋葬されており、墓石を見ることができます。そう考えると夜に来るには少し勇気が必要かもしれません。

そろそろ次の目的地へ。ウエストミンスター寺院から大英博物館までは、トラファルガー広場を通って40分ほどで着くので歩くことにしました。モスクワの公共交通機関が軒並み安いので、ロンドンの地下鉄やバスが高く感じてしまったのも一つの理由です。

しかし国会議事堂前からデモをやっていて、いくつかの道が封鎖されたり、ものものしい雰囲気だったりしました。私たちは目立たないように、トラファルガー広場へ向かうデモ隊について行きます。目的地が同じなので仕方がありません。どうやらトミー・ロビンソンという活動家がかなり重い罪を犯したギャングの裁判をライブ中継したために「平和を乱す」という理由で逮捕されたことに対する抗議のデモだったようです。野次を飛ばしている人たちとデモ隊が一触即発のところもあれば、ビール片手に友達とただ歩いているだけ、というような人たちもいて様々でした。そして同時に、観光客向けにバグパイプ演奏者がパフォーマンスをしている音楽が響き渡り、地下鉄駅の入り口では「神を信じてこの聖書を読めば新世界が開けます!」と演説している人がいたり、いろんな主張が混み合っていました。

ようやくたどり着いたトラファルガー広場。真ん中の高い柱は「ネルソン記念柱」でネルソン提督の功績を称えるために建てられました。5.5mの柱の上にネルソン提督が立っています。この柱については長谷川如是閑が『倫敦!倫敦?』という本の中で、100年以上前に書いたとは思えないほどコミカルに描いているので行かれた方、またはこれから行かれる方は是非。100年前とほとんど景色が変わっていない事実に驚きます。

予想外の出来事続きでここまでで結構疲れていたのですが、大英博物館はまだ先です。ナショナルギャラリーを通り過ぎて、劇場が林立するソーホーとコベントガーデンの間を歩きます。観劇の前後に気軽に入れるようなパブやレストランを見ながら、街並みを楽しんだら目的地はすぐそこです。 このスーツの仕立て屋なんて、映画「キングスマン」に出てきそうだ、なんて言っていると大英博物館に着きました。

1日目はもう少し続きます。

Пока!
Bye-bye!

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ロンドン観光1日目

Hi!

大阪でかなり大きな地震がありましたが、関西におられるみなさんはご無事でしょうか。さらなる余震がないことを祈っています。

現在、ロンドン郊外の村で旦那と共にホームステイをさせてもらっているのですが、こちらはモスクワより5度も気温が低くてかなり涼しいです。風が強いのか雲の流れが速く、さっきまで青空が広がっていたのに、もう今はどんよりしている、の繰り返しです。

モスクワを出る前に、いくつかイギリスを舞台にした映画を見て予習しました。その中の一つに「パディントン」があったので、空港から乗ったエクスプレスがパディントン駅に着いたときは旦那と大興奮。 前に座っていたロシア帰りのイギリス人家族が「ロンドンは初めて?ああ、パディントンを見てきたの!ここ出てるもんね、イギリス滞在楽しんでね」と声をかけてくるほどだったようです。私自身はイギリスは2回目ですが、前回はほとんどロンドンにいなかったので全てが新鮮でした。

観光したいところはあげればキリがないので、とりあえず地球の歩き方のモデルコースを参考にします。ウエストミンスター寺院を見学した後バッキンガム宮殿まで歩き、11時に始まる衛兵交代式を見て、ソーホーのあたりで昼食を食べたあと大英博物館まで散歩、という予定を立てました。

地下鉄ウエストミンスター駅を出ると目の前に広がるのがテムズ川。そして振り返るとあの有名なビッグベン! …だったもの。イギリスらしからぬ快晴も私らしいと思いましたが、やはり定休日女(この記事にも出てきます)も健在でした。ロンドンの象徴とも言えるビッグベンは、時計台としての役割をしっかり果たしていましたが、象徴としての仕事は少し怠っています。この周りには国会議事堂があり、さまざまな政界の著名人の像があるので、散歩していて楽しいです。 こちらの立派な建物が国会議事堂。

一人一人の像と写真を撮っているとウエストミンスター寺院を見学しないまま10:40になってしまいました。こういう時は時間が決まっている方から周った方がいいので先にバッキンガム宮殿へ行きましょう。新緑が作るトンネルを歩きながら、幸せを噛み締めます。本当に気持ちのいい日でした。道行く人々とすれ違うたびに挨拶を交わし、いいところに来たね、と旦那と言い合います。

宮殿までは歩いて10分ほど。馬のいななきが聞こえ、そろそろ交代式が始まることを予感させたので少し急ぎました。宮殿の前は とてつもない人だかり!毎日やってるんだよね?連日こんなに多くの人が見にくるの?ここで暮らすのは大変だろうなあ。

しかし11:00になっても交代式は始まりません。それから10分が経ち、20分が経っても何も起きないので、これはなんだかおかしいぞ、と近くに立っていた警察官に尋ねてみました。式はいつ始まりますか?すると彼はやや申し訳なさそうに「女王が帰ってくるまで式は始まりません。そしていつ帰ってくるかは私たちにも分からないんです。すみません」と答えました。女王を待つ?そういえばテレビで「女王の誕生日のプレゼントは〜」という話をしていた気がします。もしかして、とその場で女王の誕生日を調べてみました。現在のイギリス女王、エリザベス2世が生まれたのは4月21日です。しかし、例年イギリスの4月は雨が多いので、誕生日の式典をしても大抵悪い天気の中で行うことのなってしまいます。なので女王の公式誕生日は6月の第2土曜日と定められていて、その日にお祝いの式典を行うそうです。…つまり、その日がピンポイントで女王の公式誕生日でした。運がいいのか悪いのか、しかし私たちは式典を狙って来たわけではないので、そっとその場を離れました。

バッキンガム宮殿の周りの公園は広大で、さまざまな動物を見かけることができます。 これがイギリスにおける初リスでした。湖には白鳥と黒鳥が泳いでいるし、人々は犬を連れて散歩しているし、突然騎馬警官が森の中でたたずんでいるし 歩いていてとても面白かったです。

そうこうしているうちに気がつけばウエストミンスター寺院から反対方向にきてしまっていたので、二階建てバスに乗りました。モスクワに「トロイカ」というプリペイドカードがあるように、ロンドンには「オイスターカード」という公共交通機関で使えるカードがあります。 なぜ牡蠣なのかはわかりません。このカードがあると、切符の値段のほとんど半額で地下鉄(チューブ)やバスに乗ることができます。二階建てに限らずバスは大体1.5ポンド(220円ほど)、地下鉄は区間と時間帯にもよりますが2.4ポンド(360円ほど)とモスクワの公共交通機関よりも値段が高かったです。 個人的にテンションが上がったベイカーストリート駅のホーム。シャーロックホームズが描かれています。

さて、二階建てバスでロンドンらしさを味わいながら、ウエストミンスター寺院に入ります!

Пока! Bye!

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イギリスからみたワールドカップ

Hi, привет!

ついにワールドカップが開幕しましたね!私たちは直前にモスクワを出て来てしまったので、街が徐々に盛り上がりつつあるところしか見ていませんが、現在の街の様子を友達のSNSから覗いているとどうやら大変な人出のようです。

ここイギリスでもサッカーは人気なので、朝からラジオを聴いていてもワールドカップの話ばかりでした。あるコーナーではなんとモスクワと中継をつないで、色々と質問をしています。まだ開幕前なのに何を尋ねるのかな、と興味深く聞いていると「安全ですか?」「ロシアといえば寒いというイメージですが、何度くらいですか?」「そもそも何を食べていますか?」などの質問ばかりで思わず笑ってしまいました。そこからか…。しかし、おそらく今回初めてロシアに興味をもった日本の人も同じような質問をするかもしれません。世界的にロシアに対するイメージってそんなに変わらないのだなあと面白かったです。ちなみに最後の質問には「ボルシチという赤いビーツのスープを食べています」と答えていました。

そんなイギリスに来る時、モスクワの空港のチェックインカウンターで止められました。私のパスポートを何度もめくっては首を傾げます。ついにこちらに「イギリスのビザはどこですか?」と英語で聴きました。固まる私たち。そのまま係員さんは電話でどこかに確認します。「日本のパスポートを持った人が窓口に来てるんですが、彼らビザを持ってなくて…え、日本人はビザ要らないんですか!じゃあ通してもいいんですね!?」…そうやで。さっき言っても信じてくれなかったけど。

ビザで国を守っているのは十分理解していますが、やはりロシアが他の国から「つかみどころのない国」と思われているのは、実際に訪れるために超えなければならない心理的ハードルが高いからだと思います。そういう意味では、今回のワールドカップが正しく理解される一歩になってくれれば、と願ってやみません。

たまたま到着した日にアメリカのトランプ大統領が「G7にロシアを招き入れるべきだ」と発言したため、ホテルでテレビをつけるといくつかの局で「ロシアとどう付き合って行くか」を有識者が議論していました。イギリスでは今年初めに元スパイが旧ソ連製のものと思われる毒物で攻撃されたので、ロシアに対するイメージがかなり下がっています。この番組でも議論というよりは、ロシアがどれほど危険な国かを報道しているように見えました。

そしてこの話題が終わった頃にはワールドカップが始まりました。なんだかロシアを離れたはずなのに毎日なんらかの形で「ロシア」という単語を耳にしているのがなんだか変な感じです。

私自身いろんなところでイギリスと日本だけではなく、イギリスとロシアも比較しながら見てしまいます。そんな視点も入れつつ、イギリス生活を綴って行く予定です。

今ホームステイしているロンドン郊外の景色。ゆっくりと時間が流れていきます。

Пока!Bye!

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試験当日(後半)

Привет!

早速、前回の続きについて書こうと思います。

昼食はそのまま試験を受ける部屋で持参したものを食べてもいいし、本館の食堂に行ってもいい、という形式でした。お昼休憩は何時までか伝えられず、遅れることを恐れた私は部屋でおにぎりを食べます。1時間ほど経った午後2時、教室にはほとんど受験生が帰ってきていませんでしたが、試験監督がやってきました。「全然帰ってきていないじゃない!みんなどこに行ったの?食堂?何をしているのかしら…いいわ、今ここにいる人たちから始めましょう。次は文法のパートです」…それなら始めから休憩は1時間だって言っておこうよ。

試験中は部屋を出る試験監督が、問題用紙を配りながら「あなたは何時までね」と言って回答用紙に終了時間を書き込んでいきます。90分で150問という、かなり集中力を試される試験なのですが、他のレベルを受けている人が突然手をあげました。監督が近づくと、彼は「この問題がわかりません」と言います。それを聞いた監督は「ほら、この単語は過去形でしょ、じゃあこっちの時制は…?」とほとんど答えじゃないかというようなヒントを与えていました。そんなことが許されるのか。人によって終了時間が違うので、ここから次のパートに行くのは自己申告制です。監督を呼びに行くと、次はリスニングだと言われました。

教室の壁際に並んでいるパソコンの前に座ります。 これは試験後に撮ったものです。パソコン自体はハイテクで、液晶はタッチパネルでした。問題用紙を配られ、先に選択肢を読んでもいいし、早く帰りたい人はすぐ始めてもいいよ、と言われます。この試験、ルールは存在しているの…?どう考えても先に選択肢を読んだ方が高い点数が取れるので、みんな必死で読んでいました。

同じレベルの人たちがここまで終えるのを待って、最後の試験である「会話」に移ります。 念のため、この試験の説明の記事で書いた「会話」の内容をもう一度貼っておきますね。

誰かが話すことに驚いたり共感したりしながら一言返す(どの感情で答えるかは指示されます)もの、求人広告をみて電話をかけるロールプレイ、映画の1シーンを見て何が起こっていたか、どうしてそうなったと考えるかを5分ほど話すもの、あるテーマについて試験官との議論

これに関してはどれほど準備しても当日何がくるのか分からないので、自信がつきませんでした。同じレベルを受けていた五人が廊下に呼ばれて、二人と三人に分かれるよう言われます。私は三人の方でした。試験監督が「緊張してる?不安?」と聞いてきたので全力で頷くと「それが正しいわ」と言われました。どういう意味で。

別室に入って「記録のために録音させてね」と監督は自分の携帯電話を机に置きながら私たちに席に着くよう勧めます。「では、まず名前を言ってください」「なんでロシア語を勉強してるんですか」「ロシアにきてどれくらいですか」「趣味はなんですか」などに答えたあと、監督が「では、少しあるテーマについて話しましょう。なんの話がいいですか?ファッション?スポーツ?…スポーツにしましょうか」と言ってそこからスポーツに関する質問が始まりました。「あなたはスポーツをしますか?」「あなたの国で有名なスポーツは?」「どうしてスポーツは健康にいいですか?」「いいスポーツマンに必要なものは?」などなど。聞いていた内容と違うし、ウォーミングアップにしては長いな…と思い始めた頃、試験監督が言いました。「これで試験は終わりです。もう帰っていいですよ」…!?!?結果に関しては6日後に電話して確かめると始めに言われていましたが、私の横で試験を受けていた人が「確認なんですが、結果は六日後ですよね?」と聞くと「うーん、もしかしたら明日の午後以降に電話をかけてきてくれるとわかるかもしれない」と教えてくれました。全てにおいてこの試験に法はないのか。

これがプーシキン大学の本館。終始こんな感じだったので、周りから「手応えどうだった?」と聞かれても「分からない」としか言いようがありませんでした。

次の日は少し用事があったので二日後にドキドキしながら電話をしてみました。「あの、二日前に試験を受けた○○ですが、試験の結果を聞きたいです」「どの国出身ですか?」「日本です」「はい、…合格していますよ。火曜日に証明書を取りに来てくださいね」

合格しました!!

証明書とともにそれぞれのパートで正答率の表ももらえます。5パート中、4パート以上が66パーセントを超えていれば合格なのですが、私は文法だけ60パーセントで、あとは全て超えていたので合格だったようです。ちなみに2パート以上66パーセントを下回っていると、2年以内にそのパートだけ受け直すこともできます。試験自体がこんなに緩かったので、この試験自体の信用性が少し危ぶまれますが、試験勉強を含めいい経験にはなったと思います。

そして今、実は旦那の7週間に及ぶ英語研修でイギリスについて来ています。なのでこれからは少しロシアを離れて、イギリスでの生活について書く予定です。もし興味があれば少しでも読んでいただけると幸いです。よろしくお願いします。

Пока!

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受験当日(前半)

Привет!

さっきまで晴れていたと思ったら突然大粒の雨が降ったりやんだり、なかなか読めない天気が続いています。しかも気温はそんなに高くありません。せっかく一日が長いのになあ。

さて、ほとんどの検定試験では申し込みをしなければ、当日に行っても受けることはできません。ТРКИももちろん例に漏れず、自分が行きたい会場のホームページに書かれている申し込み方法に従わなければなりません。私が行ったプーシキン国立ロシア語大学(Государственный Институт русского языка и.м. Пушкина)のホームページによると、試験の前日までに電話して受験したい旨を伝える、とのこと。前日でいいの?ということで、1週間ほど前に電話してみましたがなかなか繋がりません。結局、1時過ぎから4時くらいの間のみ電話に出ると決めているようでした。ようやく繋がったn回目、繋がったことにホッとしながら「何月何日に試験受けたいです」というと「わかりました。10時にパスポートを持って来てください。それでは当日に」と言って切られてしまいました。…名前も聞かないんですか…?これはおそらく当日に突然行っても受けられる類の試験だったのではないかと思います。

メトロからバスに揺られていきます。住宅地の中に埋まるようにひっそりと立っている門を抜けると、キリル文字のモニュメントが無造作に置かれていました。 ちょっとギョッとします。目の前に見えている本館ではなく、その左にそびえる建物が試験会場です。

30分くらい余裕を見ていたはずなのに、モスクワ名物の渋滞に捕まったため最終的にはバスを降りて30分ほど走った私が汗だくで到着した時には、すでに受験生たちが申込書に記入をしているところでした。私も慌てて用紙を受け取り、記入を終えるとみんなで列になってぞろぞろと受験料を払うために会計まで向かいます。ここで注意なのが、支払いは現金のみということ。私の後ろにいた人はカードしか持っていなかったので本館のATMまで走らされていました。

そうこうしているうちに集合時間から1時間が経ち、やっと試験が始まります。この受験会場ではレベル毎に教室が分かれておらず、みんなで一緒に受けるので「じゃあ1の人は〇〇時まで、2は××時、3は△△時までね。あ、もう始めていいですよ」というようにゆるく始まりました。

初めは読解。問題用紙を開けてびっくり。対策の時に長文のテーマの傾向はだいたい掴んでいたのですが、それと全く違うものが出てきました。それでもマークシートなので答えは4択です。とりあえず全部埋めました。

試験終了だな、と思った時間に試験監督が教室に入ってきました。あれ、監督してなかったの?彼女は私たちに尋ねます。「今から少し休憩挟みたいですか?それともすぐ次のパートを受けますか?」全員が周りの出方をうかがって曖昧な答えを返していると「あ、じゃあ次の試験問題を配りますね」と言って手紙(ライティングの試験)が回ってきました。

この試験では2つの私的な手紙と、1つの公的な手紙を50分で書かなければいけません。公的な手紙は「一身上の都合で」などの決まった言い方が多いので、頭に残っているうちにその問題から解くことにしました。さあ、クレームの手紙か、はたまた申請書か、それともお詫びの手紙か?と思って試験問題を読んでみると「あなたはジャーナリズム科の学生です。この度新聞社での半年間に及ぶインターンを終えました。学部長にインターンでしたこと、そして学んだこと、それがどう未来に繋がるかを報告しなさい」という報告書でした。報告書の練習を全くしてこなかった上に、設定まで細かく決められています。私の持っている語彙の中でなんとか書き上げました。ほかの二つは対策通りだったのでひと安心です。

このパートが終わると、もう13時でした。試験監督に「お昼休憩にするか、試験を続けるか」と聞かれた瞬間、今度は何人かの「お昼休憩!」という声が揃ったのでようやく休憩に入ります。いつも教えてもらっている先生に「公的な手紙、報告書だった!」と報告するとすぐに返事が来ました。「何か書いた?」「もちろん」「よくできました!試験を受けるだけで偉いわ。そして合否のどちらでもあなたの人生になんら影響はないんだから」…先生、不合格になると思っていますね?

さて、残すところ3パートです。 Пока!

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ロシア語検定(ТРКИ)

Привет!

もう6月ですね!モスクワは日の出が3時50分、日の入りが21時過ぎなので一日が長く感じます。気がつけばこの日の長さを堪能するのも今回で3回目。2年前、モスクワに着いたばっかりの時にあまりに日が沈まないので驚いたのがついこの間のことのように感じますが、確実にこの街に慣れてきたことも実感します。

そんなこの2年間、ほとんどずっと週5日のペースで学校に通っていました。クラスが上がる時に簡単なテストはあるものの、 滅多なことがなければ不合格にはならないので気がつけば1番の古株で、一番上のクラスにいます。ただ、語学の常でいくら勉強しても知らない単語はあるし、聞き取れない時も多々あるし、何より話す時に流暢とは程遠いので中途半端にしかロシア語を習得できていないように常々感じていました。

そこで、だらだら続けるのではなく一つ目標を決めるのはどうかと思ったのです。そんな時一番分かりやすい目安となるのはやはり語学試験です。ロシア語の試験はいくつかありますが、私が選んだのはТРКИ(テルーカイー)というもの。単純に旦那が受けたことがあり、家に参考書があったからです。

ТРКИ とはТест по Русскому языку Как Иностранномуの頭文字をとったもので、直訳すると「外国語としてのロシア語の試験」です。Test Of English as a Foreign Languageの頭文字をとったTOEFLのロシア語版だと思っています(実際英語圏ではTORFLと略されるそうです)。TOEFLと同じで、ロシアの大学の試験を受ける上での基準になりますが、点数が出るTOEFLとは違って英検のように受けたレベルの合否がでます。

レベルは6つ。低い方から並べると ・基礎レベル(элементарный уровень)
・標準レベル(базовый уровень)
・1級(ТРКИ-1)
ロシアの大学を受験することができます
・2級(ТРКИ-2)
学士の資格を取ることができるレベル
・3級(ТРКИ-3)
プロの通訳レベル
・4級(ТРКИ-4)
ネイティブレベル

テストはどのレベルでも5つのパートから成り立っています。「会話(говорение)」「聴解(аудирование)」「語彙と文法(лексика, грамматика)」「読解(читение)」「手紙(письмо)」で、手紙は作文能力を見られるものです。

先生と相談して今回私が受けることにしたのは2級でした。私のレベルが1級と2級の間くらいだったので、せっかく準備するなら確実に合格するものではなく、挑戦しようということになったのです。その時が3月でした。友達が来たり親戚が来たり、バタバタしていたのが終わって本腰を入れて試験対策を始めたのが4月。実際の過去問を開いてみて驚きました。全然わからない。

この参考書に2回分のテストが丸ごと入っています。

まず、学校でよく長文は読んでいたので力試しと思って解いてみたのですが、語彙が足りずテーマしか分かりませんでした。文法は150問を90分で解かなければいけませんが、これも語彙が足りず、マークシートはペンを転がして埋めていく始末。ということでこの二つは語彙を増やさなければ話にならないということが分かりました。

手紙は3パートあります。試験用紙にいくつか載っている広告の中から一つ選んで友達に勧めるもの、学校や会社に出す公的な手紙(クレームやら申告書など)、そして新しく人を探しているという知り合いへ向けて、彼が出す条件に合った人を紹介するという手紙。これがなかなか大変でした。手紙の形式を覚えるのはもちろんのこと、言葉を尽くして何かを紹介することの難しさを思い知ります。

そして会話。誰かが話すことに驚いたり共感したりしながら一言返す(どの感情で答えるかは指示されます)もの、求人広告をみて電話をかけるロールプレイ、映画の1シーンを見て何が起こっていたか、どうしてそうなったと考えるかを5分ほど話すもの、あるテーマについて試験官との議論、など普段あまり使っていない語彙が求められるものが多く、先生と話せば話すほど自信を失います。即興で話すといつも以上に文法の間違いも犯します。ただ、2年間ロシア語圏から出ていないので、聴解があまり問題にならなかったのが唯一の救いでした。

試験が近づくにつれて憂鬱になっていき、2年間何をしてたのだ、と自問する日々を送りました。それでも、勉強は努力が確実に現れるというところが素晴らしいところですね。試験1週間前には文法問題の正解が増えてきました。手紙もケアレスミスはまだまだ多いものの、何を書けばいいかがパッと思い浮かぶようになりました。会話もちゃんと文章が口から出てくるようになりました。読解は一番はじめに解いた後、他のことに時間を取られて手をつけていませんでしたが、試験二日前にやってみると何が書いてあるのか理解ができるようになっていました。

先生も「すごい進歩ね!試験が二ヶ月後だったら確実に合格だわ!」と言ってくれました。試験は明後日だけど。

さあ、いよいよ試験当日です。続く。

Пока!

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魚週間

Привет!

ご無沙汰しています!大学の卒論執筆並みに勉強していました。それについてはまた後ほど。

先日、近所のペレクレストック(スーパー)の海鮮コーナーで見慣れた単語を見つけました。その名も「パンガシウス」…日本にいるときは近くのイオンでよく買って食べていました。ロシア語でも全く同じ名前で売られていたのです。しかもふた切れで80p(160円)程。 パンガシウスのムニエル、キノコソースのせ。他の白身魚に比べると身がしっかりしていて崩れにくくジューシーなので、調理もしやすい上に食べやすいという優れもの。おススメです。フライにしても最高でした。お酒によく合います。

内陸のモスクワではあまり魚の種類がなく、マグロなどは冷凍のものしか大抵手に入りませんが、先週1週間は違いました。「魚週間(рыбная неделя)」というイベントが行われたのです。 ロシア中から集められた魚たちの販売はもちろん、屋台ではその場で食べられました。赤の広場近くの革命広場にできた特設会場に足を踏み入れた瞬間、焼けた海産物の匂いが漂ってきます。シーフードが大好きなのにモスクワに住んでいる旦那と最終日の日曜日に行ったのですが、かなりの人出でした。 入った瞬間からエビやホタテなどのシャシリク(バーベキュー、通常は豚肉)を焼いていたので、思わず足を止めた旦那を引っ張って「一応一周見てから何を食べるか決めよう」と提案します。一歩進むたびに魅力的な食べ物が多すぎて、このままではお腹もぱんぱんになりそうですし、何より破産しそうです。

周りの人が食べていて美味しそうなものがありました。 揚げた小魚です。Корюшка(コリューシュカ)というこの魚は今が旬のサンクトペテルブルク産が有名な魚だそうですが、今回はサハリンのものでした。食べた瞬間…これはししゃもだ!と2人とも大はしゃぎです。一番大きい魚はなんと子持ちししゃもでした。日本にいるときはよく朝ごはんで食べていたので、懐かしい気持ちでいっぱいになります。 「イカが食べたい」と呟く旦那と次に見つけたのがこちらのバゲットに挟まれているもの。ちゃんとお手拭きも無料で置いてあります。中にはイカ以外にも、エビやマグロなどが選べました。こちらは注文してから5分後にとりにきてね、と言われたのでその間に次に食べるものを探しに行く旦那。

サンドイッチを受け取った私が彼を発見したのはフィッシュアンドチップスの列の中でした。こんなに揚げ物を食べて大丈夫でしょうか。 揚げたての魚とポテトをお皿に盛ってくれました。これで300p(600円)。魚も脂っこくなく、ポテトはカリッとしており、店員さんはイケメンで言うことがありません。

サンドイッチの方は中のドレッシングがびっくりするほど美味しかったです。もう少しでドレッシングのレシピを聞きにお店まで突撃するところでした。

ここで2人ともお腹がいっぱいになったためフードファイトは終了。販売の方を見に行きます。 子供達が釣りを楽しんでいるプールの水がどうしたらこうなるのかと言うほど汚くて驚きつつ、ショーケースに並べられた魚を見ながら歩いていると、 たこ!!たこです!一瞬買いそうになりましたが、よく値札を見ると1kg1800p(3600円)…まずモスクワの普通のスーパーでたこを目にしないのでこれが安いか高いか分かりませんでしたが、一匹何グラムか想像もつかず、買うのは諦めました。

この横にあった屋台ではないレストランスペースでは、牡蠣が一つ250p(500円)で売られていたり、モスクワにおける海産物の貴重さを改めて実感します。

青空のもと、普段はあまり食べない海の幸を堪能できて楽しい1日でした。

Пока!

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