馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

世界の車窓から

Привет!

せっかくシベリアまで来たんだったら…そして帰り方も自分で決められるんだったら、シベリア鉄道に乗ろう!ということになりました。列車でモスクワまで帰るのは時間もなかったので「列車の中で一泊してつくような、モスクワまで飛行機も出ている大きな街」という条件で探したところちょうど良かったのがクラスノヤルスク。しかもちょうど知り合いも住んでいるということも分かり、列車のチケットを取ろうとしたのが出発の1ヶ月前でした。

シベリア鉄道はロシア語でТранссибирской магистрали( トランシビリスコイ マギストラーリ)と言います。ネットでこの文字とチケット、とロシア語で入れてもなぜか表示されるほとんどが英語のサイトで、どのサイトでも席を選ぶ画面に進めません。値段は7000p(14000円くらい)だということと何時発かも分かったのですが、チケットが買えないので諦めてロシア国鉄(ржд)のサイトで調べてみると、同じ時間の列車が出てくるではありませんか。値段も一人3000p(6000円)ちょっとと、ほとんど半額です。シベリアを走っている列車は実質シベリア鉄道だよね、ということでこのチケットを押さえました。

実際は違うのかも知れませんが(旦那は最後まで懐疑的でした)、私は一応シベリア鉄道に乗った気でいます。ただ、いつかはモスクワ-ウラジオストク間を列車で駆け抜けたいなあ。

ちょうど雪が降り出したので「それっぽい」写真が撮れました。イルクーツクが始発ではないので、この駅には30分ほどしか止まっていません。その間に自分たちの車両を見つけるのは少し大変でした。列車の中で移動させてくれればいいのですが。

四人部屋(クーペ)を予約していたので、列車に乗り込むとそこにはすでに先客がいました。ちょっと強面のロシア人のおじさんです。ただ、手に「全てはチョコレートの中に」という本を持っていたので少し和みました。バレンタインを意識していたのかな。

しばらくするとこの車両の担当の人がやってきて、シーツとタオルだけではなくスリッパや歯ブラシ、水などを持って来てくれました。そして白い箱も。中身は チョコレートバーとミントガム、塩と胡椒にケチャップでした。ケチャップ…?担当者とは続けて「あなたたちには一回分の食事が付いてきます。いつがいいですか?6時くらい?」「いいですね。6時ってどこの時間でですか?(イルクーツクとクラスノヤルスクは1時間の時差があります)」「到着する場所の時間です」「クラスノヤルスク時間ですね」「じゃあ10分前に呼びにきます(と言いながらメモに18:00と書く)」「ちょっと待ってください、6時って夕方の!?クラスノヤルスクには17:00に着くんですけど」「そうでしたっけ?じゃあ15:00にしときます?」「そうします」というやりとりをしました。チケットを買う時から付いてきたこの「時間問題」チケットや電光掲示板に表示されているのはなんと「モスクワ時間」です。 列車の中の掲示板も。横に長く、時間帯は7つもあるロシアならではなのですが、この事実を知らずにチケットに書かれている時間だけを見て動くと酷い目にあいます。担当者もこの問題に関しては苦手なことがよく分かりました。

また、鉄道に乗る上でもう一つ心がけたほうがいいなと思ったのは、食料を持ち込むこと。今回私たちは何がいいか分からずほとんど何も持ち込みませんでしたが、同じ部屋のおじさんは次から次へと色々なものを出していました。角砂糖も100個ほど入った箱ごと、お菓子にパン、そして30分ほどどこかの駅に止まればホームの売店でビールや食べ物を買い足しています。お湯は無料でもらえるので、ティーパックさえ持ち込めばお茶がずっと飲めるのも羨ましかったです。 この格好いいコップは担当者に言うと貸してもらえます。気に入ったら買うことも可能。6000円くらいします。そしてティーパックも列車中で買えるのですが、めちゃくちゃ高かったです。砂糖も10円くらいしました。

それでも18時間乗っていると、時間を持て余す贅沢な状況になります。他の車両を偵察するときに凍った連結部分を配られた薄いスリッパで歩いたり (いつ足を滑らすかヒヤヒヤしました)

来る前に買ったカードゲームをするには場所が足りなかったので諦めたり、食堂車まで行ってみたり、単純にお話ししたり、余裕のある時間の使い方ができました。

食堂車ではそんなにお腹も空いていなかったのでデザートの中でも量が少なそうな「冬の夢」というメニューを選んで注文すると、ウェイトレスさんがぎょっとしながら「それレモンですよ」と言いました。「レモンに砂糖とコーヒーをかけているんです」 これは…コーヒーというかインスタントコーヒーでは?横にあるのは「カットフルーツりんご」を頼んだはずなのに「今りんごなくてオレンジしか用意できない」とのことで強制的にオレンジになったものです。

それにしても窓から見える景色は本当に綺麗でした。 これは友達が撮った写真ですが、こんな景色がしばらく続きます。 カーブでどうしても列車の先頭が撮りたくて頑張った写真。

ああ、今ロシアにいるんだ、と心から感じることができた18時間でした。面白かった!

Пока!

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