馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

ヌルスルタン近況

Привет!

バス停でバスを待っていたら、突然小さなシャボン玉の群勢に囲まれました。びっくりして本から顔を上げると、少女が笑顔で私の前でシャボン玉を作り出しているではありませんか。彼女はある程度シャボン液を吹いて満足すると、私の横にいた女性の前でまた同じようにシャボン玉を作り始めました。シャボン玉の妖精なのかな。

ようやくバスが来た時には、ポツポツと大粒の雨が降り出していました。近頃一日の中で天気の移り変わりが激しいのです。風が強いからか雲の流れが早く、さっきまで青空が見えていたと思ったらもう空が雨雲で覆われていたりします。今日もそんな感じで、大粒の雨はみるみるうちに激しくなり、バスに乗り込んだらもうスコールのような痛そうな雨になっていました。雷までゴロゴロし始めます。まあでも、私はもうバスの中だから大丈夫、と安心して空いていた席に座りました。バスが動き始めると、肩のあたりが濡れています。頭にも手にも雨が当たるので不思議に思って周りを見渡すと、バスの窓は全開な上に天窓まで開いていました。ほとんどの人は濡れるのも気にしない様子で座っていましたが、5分もしないうちに外と変わらない濡れ方になってきたので、みんなで協力して窓を閉めてまわりました。前から思っていたのですが、こちらの人は不条理にもあまり逆らわずにある程度は黙って耐える傾向がある気がします。

そんな国民性だと思っていたので、月曜日の朝に友人から「昨日デモがあったらしいけど大丈夫?」というメールが来たのには驚きました。デモをするんだ。そのデモがあった日曜日は大統領選挙が行われていました。うちのポストにも案内のカードが入っていましたよ。 中を開けるとカードの上側がカザフ語、下側はロシア語で「選挙するから自分を証明できるものを持って、○○まで来てね」と書いてありました。聞くところによると、投票所ならどこでもいいわけではなく、自分が登録している住所の最寄りの指定された投票所に行かなければいけないようです。カードの○○の部分は手書きで指定された投票所ナンバーが書かれていました。そもそも私はカザフ人ではないので投票権はないのですが。

ロシア語を習っている大学も投票所になっているらしく、入り口にも看板がありました。 正面玄関を入ってすぐのところもいつもはガランとしたホールになっているのですが、前日にはカザフブルーの布で仕切られた投票ブースが置かれ、大きなカザフスタンの国旗も飾られていました。

この日は市内のバスが無料で乗ることができたので、政治には参加できませんがその恩恵だけ受けることができました。そもそも今回の選挙は、3月に突然辞任したナザルバエフ前大統領の後継者であるトカエフ大統領が、3月に就任した時は前大統領に指名されただけで選挙もしなかったので、その正当性を確立するために、本来は来年4月に予定されていた大統領選を繰り上げて行ったものです。なので今回の選挙の結果は…火を見るよりも明らかでしたが、トカエフ大統領に決まりました。

水曜日。家でごろごろしていると、突然銃声が聞こえて飛び起きました。しかも銃声は一度ではなく、10回以上続けて鳴り響いています。とりあえず音が止んでから散歩がてら現場(博物館前の独立広場)を見に行ってみると、柵が置かれており、近づけないようになっていました。 後から聞くところによるとこの日は大統領の就任式が行われていたそうで、その祝砲だったようです。びっくりした。

これら一連のイベントのせいか、先週末からありとあらゆるSNSが繋がりにくくなっています。InstagramやTwitter、Facebookなどは見なければいい話なのですが、こちらでメジャーなメッセージアプリのwhatsappが繋がらないのには弱りました。文章で打てないとなると緊急の連絡は電話をする羽目になるからです。色々と不便ですが、1週間近くが経った今日はもうかなり元どおりに使えるようになってきました。

もちろん、この国で進歩していることもあります。以前はすべてのゴミを一箇所で集めて広大な土地に埋め立てていたのですが、先日ゴミステーションの横を通りかかった時に見慣れないものを見つけました。 写真の左側に公園にあるようなゴミ箱が写っているのが分かるでしょうか。なんとここ、ペットボトルや洗剤の空容器など、プラスチックのものを入れるようになっていたのです。ただ、これらだけを集めてリサイクルをするのかと言われると疑問が残りますが…。とりあえず、分別が始まっただけでも大進歩です。これからもこの制度がなくならないことを願うばかりです。

Пока!