馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

牡蠣を求めて

Привет!

氷点下30度が日常になってきたので、寒さ自慢のようにSNSに気温をアップしていたら、モスクワにいるロシア語の先生たちから「その調子!!」や「あともうちょっとで夏だから耐えて!」など多種多様なコメントが届きました。この調子で夏まで寒さが続くのは勘弁してほしいです。それに冬の次は春だよ、先生。

さて、アスタナより日本人が多いアルマトイには日本食レストランもいくつかあると聞いていたので、楽しみの一つにしていました。2年前にアルマトイに住んでいた方のブログに「スシダイ 寿司&オイスターバー」というお店がなかなかのクオリティだと書いてあり、一日目の夕食は生牡蠣パーティーを開催することに旦那が勝手に決めます。なにかとお店の入れ替わりは激しい国なのですが、二年前にできたばっかりなら大丈夫でしょう。一日目の観光を終えて中央バザールのあたりでタクシーを呼んで、行先のところに「スシダイ」と入れると二つ候補が出てきました。5㎞先と12㎞先。ブログに載っていた5㎞先のほうを迷わず選びます。

高層ビルが並んだビジネス街にあるという記述通り、アスタナでよく見るようなビルが並んだ場所でタクシーを下ろされました。オフィスビルなので土曜日の夜にはほとんど明かりがついていませんが、いくつかカフェやレストランが見えます。しかし…地図が指し示す場所に目指していたお店はありませんでした。人影もまばらなビルの間をひたすら探して歩きます。たまにすれ違う人を捕まえて「スシダイってどこにあるかご存知ですか」と聞くと、その人は「スシ」だけを聞き取ったらしく「あそこだよ」と教えてくれたのですが、違う寿司屋さんでした。生牡蠣が食べたかったのでそこには入らず、角を曲がるとクラブらしきものがあり、高校生くらいに見える若者が店の外まで騒いでいたのでここで探すのはあきらめることに。もしかしたら移転したのかもしれないと、そこから7㎞先のほうへ行きます。タクシーで走ること20分、今度は真っ暗な町はずれに来てしまいました。民家の中にどんどん入っていく車。電灯もついていない道で運転手さんは目的地に到着したと告げます。さすがにここにレストランはないだろうという場所でしたが、とりあえずタクシーを降りて周辺を探してみました。お店らしきものといえば怪しげなマッサージ屋さんが一軒だけ。あまりにも不安になってきたのでタクシーをもう一度呼びます。目的地をどうする?と旦那に聞いてみると、どうしても牡蠣を食べたくなっていた彼は「どこでもいいからオイスターバーに行きたい」と言いました。地図で検索してみると一軒だけ、しかもホテルに比較的近いところでヒットするではありませんか。これもなかったら諦める、とのことだったのでとりあえずここへ。 ちゃんとお店が存在していました!!半地下にある店内へ降りていくと、ドアを開けた瞬間に牡蠣が入った水槽が目に飛び込んできます。 これは正解を選んだのではないか。店内はそんなに広くなく、4人掛けの席が3つあるだけでした。驚くほど物腰が柔らかい店員さんに案内されて席へ着きます。メニューに生牡蠣が載っていなかったので尋ねてみると水槽の前に案内されて、それぞれの特徴を説明してくれ、選ばせてくれました。若い生牡蠣からよく成長した生牡蠣まで何種類もあります。すべてフランスから輸入しているとのこと。 白ワインも注文して、かなり大人の雰囲気が漂う夕食になりました。運ばれてきた生牡蠣は通常のレモンだけではなく、タバスコや玉ねぎ酢などいくつかの味で楽しめるようになっています。フランスパンとガーリックバターにピロシキはサービスです。この小さいピロシキが持って帰りたいほどの絶品でした!もちろん牡蠣も新鮮でおいしく、二人とも当たらずに楽しめました。旦那は相当気に入ったのか二つ牡蠣を追加。アスタナで食べられるようなレストランを知らないので、今食べないと!という気持ちだったのかもしれません。 私はかぼちゃスープ(まさかのカムチャッカ産蟹肉入り)とサーモンの照り焼きサラダ(写真)を追加。図らずも海産物を堪能します。アスタナもアルマトイも海からは遠いのになあ。はじめはどうなることかと思った一日目の晩も、店員さんの気持ちがいい接客と美味しい料理の数々で幸せなひと時になりました。ある意味思い出深い出来事でした。しばらく前のネットの情報はよく吟味ください!

Пока!