馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

ロシア語始めました

Привет! 最近は街中にずっと煙が立ち込めています。はじめは霧かと思っていたのですが、聞くところによると旧市街地のほうではセントラルヒーティングがなく、家の中を温めるのは木炭の役割だそうです。この木炭を燃やした時に出る煙がどこにも行けず街中にとどまっているわけですが、普段気にならないのはアスタナが風の強い街だからです。ところがここ数日はあまり風が吹いておらず、それはそれで体感温度が下がらないのでいいのですが、街中が煙たくなる、という仕組みのようです。良いことだけとはいかないようです。

さて、ロシア生活以降、イギリスと日本で4か月ほどブランクが空いたロシア語のレベルは、カザフスタンに来た当初驚くほど下がっていました。話していると自分でも「片言だな」と分かるほどです。言語は使わないと忘れます。モスクワよりもタクシーの運転手やバザールの人たちが話しかけてくれるので話す機会は増えたのですが、当然のことながら誰も文法を直してくれません。このままではだめだと思い、モスクワの時のように週5日でなくともロシア語を習うことにしました(いっそのことカザフ語を習うか迷いましたが、このままでは中途半端に知っている言語が増えるだけです)。しかし、ここアスタナにあるロシア語の学校をインターネットで検索しても全くヒットしませんでした。2年ほど更新されていない家庭教師とのマッチングサイトはありましたが、機能しているとは思えません。周りにも学校を探しているという話をしていたら、お友達が「こんなの見つけたよ!」とアスタナ国際大学のロシア語講座のチラシを持ってきてくれたのです。そのお友達もグループレッスンを探していた、とのことで二人で体験授業に行ってみました。

事前に電話して、参加したい旨を伝えると、事務のお姉さんは優しくこちらのレベルや都合のいい日を聞いてくれました。どうやらモスクワの語学学校のように毎日授業が開催されているわけではなく、希望者がいればこの大学に登録している先生を紹介してくれて場所も提供してくれるというシステムのようです。 入り口の写真。約束の日、大学につくと事務のお姉さんから「312号室で先生が待っているから直接来てね」というメッセージが届きました。入り口の警備員さんに聞くと「3階まで階段で登って左ですよ」と教えてくれます。3階につくと、右手に偶数の部屋が、左手に奇数の部屋がずっと続いていました。306、308、と順番に見ていくと突然316号室に飛びました。…私たちの常識がおかしいのか。ハリー・ポッターに出てくる9と3/4番線のように柱の向こうに存在するのかもしれません。今にも壁に突進しようとする私を止めながら、お友達がそこらへんに歩いていた学生さんに聞いてくれました。学生さんも308の次で足を止めてしまいます。あれ、もしかしてここの学生さんじゃなかったのかな。すると彼は何を思ったのか302号室に私たちを案内し「たぶんここだと思う」と言って去っていきました。隣の教室では数学の授業が行われています。ここは何の大学なんだ。302号室には私たちのほかに小さな女の子がスマートフォンをいじっていました。ほんまにここ?と思っていると、事務のお姉さんから電話がかかってきます。「今どこですか?大学の場所が分からずに迷っていますか?」「いえ、中にいるんですけど312号室が見つからなくて、302号室にいます」「分かりました、迎えに行きます」という会話を経てお姉さんが迎えに来てくれ、連れて行ってくれたのは320号室のまだ奥でした。ナンバリングはどうなっているんだ。

お友達のほうがロシア語のレベルは高かったのですが、私と一緒に授業を受けるといってくれ、いい先生も見つかって週2回、ご機嫌に通っています。電話で伝えたはずなのに私たちのレベルを先生が知らなくてキリル文字から始めようとしたり、体験授業ではなくて本格的に授業だったり、事務と先生の連絡がきちんと行き届いているのか不安になりましたが、それ以外は特に問題もなく1か月が経ちました。そこで気が付いたのです。…あれ、授業料を支払うのに必要な請求書をもらっていない。

そこから一週間後、突然メールで請求用紙が届きました。銀行で支払ってください、という言葉と共に。モスクワでは学校の事務にカードで支払っていたので、どうやってこちらの銀行に支払うか分かりませんでしたがとりあえずトライ。人生何事も経験です。私はこちらに銀行口座を持っていないので、旦那が口座を持っている銀行に行ってみました。請求用紙を見せながら「これに支払いたいんですが」というと「支払先の銀行がここではないので無理なんです。とりあえずそこのATMで現金を下ろしてから振込先の銀行に行ってください。パスポートも持って行ってくださいね」とのこと。大学が指定している銀行は…Народный банк Казахстана。直訳するとカザフスタン国民銀行といったところでしょうか。たいそうな名前がついているのにこれまで見かけたことがありません。とりあえず検索にかけてみると「HALYK BANK」と出てきました。この銀行ならよく見かけます。どうやらカザフスタン国民銀行のほうが正式名称で、HALYK BANKのほうが通称のようです。通称と正式名称の乖離が激しいです。 アスタナに来るとこのロゴをよく見かけます。 ここで何とか支払いを終えて、一安心で帰途につきました。

カルチャーギャップ(?)を楽しみながらロシア語もちゃんと話せるように研鑽を積んでいきたいと思います!

Пока!