モスクワ奮闘記

2016年7月末にモスクワに引っ越してきました。

キジ島②

Привет!

体感気温1度のモスクワからお届けします。友人に「ロシアって寒いんでしょ?」と言われるたびに「いやいや、夏は暑いんやで」と返していたのですが、訂正します。夏が来たら、暑いのです。私が来た時は暑かったはずなのに…肝心の夏はいつ来るの…。

さて、今日はキジ島の木造建築コレクション紹介です。前回記事の教会を出ると、なぜかあれだけいたはずの同じ船の人たちが神隠しにあったのかというほど忽然と消えてしまったのでとりあえずロシア全土から移築されて来た木造建築群へ向けて歩き始めました。 こんな景色の中を3人で進むと、もうこの世界は人類がいなくなってしまったのかのような不思議な感覚に陥ります。それにしても写真を撮るたびに空の色が違うので何日間か滞在したようですね。全部同じ日です。

入り口でもらった地図には「誰々さんの家」とか「農具小屋」だとか書いてあったのですが、多すぎて手当たり次第入ってみます。なんだか人の家に勝手に入っているようでドキドキしますが、中に民族衣装のおばあさんが静かに立っていたので悪いことが見つかった子供のようにビクッとしてしまいました。大抵入れる建物にはおばあさんが一人立っていたり座っていたりして、見学する私たちを眺めています。 中は本当に民家です。どこもこんな風に赤ちゃんのかごが吊るしてあり、女性が作業する機織り機やテーブルが置かれています。テーブルは食卓も兼ねており、反対側にはペチカ(かまど)や食器などが入っている棚がありました。そして必ず部屋の一角には小さなイコン画がかかっています(方角を見忘れました)。母に案内らしいことがしたくて、見張っているおばあさんに「ここはなんの部屋ですか?」と聞こうとしました。口から出たロシア語は「ここは…ここは部屋ですよね」。おばあさんは「そうです」…会話止まっちゃった…!旦那が横から「これはなんですか」と具体的な質問を出してくれたおかげでおばあさんの緊張も解けたようで、少し説明してくれたあとに部屋の奥にあったドアを開けてくれました。そこには 刺繍をする綺麗な女性が!え、おばあさんは私たちが話しかけなかったらこのドア開けなかったの?このお姉さん一人でずっと刺繍してたの??ドアが突然開いても完璧に自分の仕事を(当時の女性を再現)していたこの女性のプロ意識は本当に尊敬します。この赤い刺繍はここ、カレリア地方の伝統的な刺繍だそうです。ちょうどされていた刺繍を見せてもらうと、なんと図柄の下書きがありません。ある程度伝統的な柄は決まっていて、考えながら縫っているのだとか。邪魔してごめんなさい…。私なら絶対初めと終わりで気分が変わっちゃっているパターンです。

そのままソリ置き場を見せてもらうと、入ってきたドアが閉められ、出口のドアが開けられました。退路がありません。仕方なく次の建物へ向かいます。道中で切り株にお兄さんが座って携帯を触っていました。私たちが近付いたのが見えると携帯をポケットに入れ、木を削り始めました。人おらんかったもんな。気も抜くよな。 右の模型からも分かるように、このお兄さんが削っているのはあの教会の玉ねぎ頭を形作る板です。これが組み合わされてあんな綺麗な球体ができるのが不思議でなりません。木の可能性に想いを馳せると気が遠くなります。ちなみにこの板に「キジ島」とロシア語で書いて、色付けされたものがお土産として販売されていました。

他にも風車小屋があったり、教会やバーニャ(サウナ)の中に入って見学できたり、歩いているだけでとても楽しかったです。そうして港の近くまで戻ってきたところに大きな家が見えました。 ここは大きいぞ…と中に入ると、やはりおばあさんがいます(そういえばバーニャにはいませんでした)。こんにちは、と声をかけると「あら、ロシア語話せますか?」と嬉しそうな顔になり、そこから怒涛の説明が始まりました。島の景色もRPGゲームに迷い込んだようだと思っていましたが、村の人に話しかけないと情報が得られないところまでゲームのようです。

内装こそ先ほどの民家と同じようでしたが、先ほどは知り得なかったことを教えてくれました。この家にもペチカがあったのですが、その上に人が寝られるくらいのスペースがあり、そこにはその家のおばあさんが座っていたそうです。曰く「ここなら暖かいでしょう?」とのこと。 写真左の服が干してある横のところですね。そこで子供達と遊んでいたのだとか。

私たちが興味を持って聞いているようだとテンションが上がってきたおばあさんの話は続きます。昔はここに15人ほど暮らしていたそうですが、女性ばかりだったそうです。男性はペトロザボーツクやサンクトペテルブルクへ出稼ぎに行っていたので、女性たちが自給自足の生活をし、年に何度か帰ってくる男性を待っていたのです。そうやって出稼ぎに行って帰ってきた男性からのお土産は鏡や壁掛け時計だったそうです。ここは大きい家だったのでお客さん用の部屋もあり、そこにはそんなお土産が飾ってありました。 左上にイコン画の端が、その下に置いてある箱の上には婚礼衣装の冠が置いてあります。説明してくれたおばあさんはとても興味を引くのがうまく、水道の上にある大きな歯ブラシ入れのような箱を指して「これはなんでしょう?」といった質問まで出してきました。パン入れだそうです。写真を撮り忘れたのが悔やまれます。また、家具の素晴らしさも伝えてくれます。メインの部屋の真ん中に置いてあったテーブルを触ってみるよう言われ、撫でていると一言「プーチンみたいでしょ?」…今なんとおっしゃいました?プーチンさんの肌はすべすべなのでしょうか。私たちがざわついたのを横目に嬉しそうに笑うおばあさん。 こちらがその「プーチンみたいな」テーブルです。椅子の脚の形がかわいかったのも印象的です。

Пока!

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