馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

世界の遊牧民2019

Привет!

7月ですね!そこまで暑くない上に雨も降らないからか、私の気持ちの上では5月くらいなのですが、今年ももう半分が終わってしまったと思うとなぜか少し焦るきもちになります。最近は雨も減って、毎日朝起きたら青空が見えるのでうれしいです(日の出は5:02)。青空に雲が浮かんでいると、この街の空の広さを実感します。

土曜日の夜遅くにふっとFacebookを眺めていると、民族衣装を着た人が草原で馬に乗っている写真が流れてきました。かっこいい!どこで見られるの?と思っていたら「世界の遊牧民2019」というイベントがヌルスルタンで行われているとのこと。これは行くしかない!よく見るとこの週末の二日間のみの開催のようです。渋る旦那と友達を説得して日曜日に行ってきました。しかしあんな草原まで行くのに結構かかるのではないだろうかと危惧しながら家を出たのですが、車で20分ほどで到着してしまいました。驚きの近さです。 イベント会場です。青い空と、緑の地平線に白いユルタが太陽の光を浴びて輝いています。こんなに大量のユルタは初めて見ました。確かにこれほど遊牧民の雰囲気を味わえる会場が市内からそう遠くないところにある街という意味ではヌルスルタンはぴったりです。それぞれのユルタには、今回のイベントに参加している様々な国の旗が掲げられていました。キルギス、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、イラン、モンゴル、トルコ、ブルガリア、そして韓国です。韓国にも遊牧民がいたとは知りませんでした。 私たちが会場に入った時、ステージ上ではモンゴルのグループが演奏していました。ホーミーのような不思議な音です。ステージの前にはテントと椅子が置かれているのですが、あまり椅子の数は多くなく、大半の人はその周りに置かれた干し草のベンチの上に中央アジア風の(風の、ではなく中央アジアの、かもしれませんが)布団を敷いて座っていたので、私たちも同じようにします。

干し草の上に座る経験は意外とあまりできないので嬉しかったです。イベントも人でごった返しているというほどでもなかったので、子供達も布団の上ででんぐり返しをしたり、大人も寝転んだりしています。平和。

モンゴルの演奏が終わったので、もう少し会場を見て回ろうということに。ステージ右横には木でできた柵が作られていましたが、その内外に大量の馬と民族衣装を着た人たちが! むしろ柵の内側の方が馬が多いのですが…これは柵ではなくて馬を繋ぐためだけのものなのかな。
近づくと、まずその馬の大きさに驚きました。小さい馬もいるのですが、立派な馬が多かったです。小さな子供達は抱え上げられて乗せてもらっていました。

この人たちは韓国から。カザフに来て一番の写真映えをする場所だったので、みるみるうちに携帯のカメラロールが埋まっていきました。柵(?)の奥では、皆さん馬に乗りながら弓の練習をしています。会場の人口の半分はそれを見ているのでは、と言うほどこの馬の周りは人が多かったです。また皆さんのかっこいいこと。 背景にユルタも入れられました。

会場内では、なぜか目の前に本物の馬がいるのに、獅子舞のように人間二人を立てに並べて上から布をかぶせて作り物の馬の頭をつけた「なんちゃって馬」も歩いていました。やたらと背が高いと思った。馬は流石にすぐ「偽物だ!」と気がつきましたが、その後に遭遇した「なんちゃってラクダ」は一瞬偽物だと気がつきませんでした。 顔がリアル。ふたこぶラクダなのでちゃんと二人分の頭のスペースがあっていいアイデアだと思いました。ひとこぶラクダはどうするんだろう。

そうこうしているうちに、ステージ前でショーが始まりました!初めは鎧をつけた歩兵が剣を交え、一人が倒れると次の相手が名乗りをあげる、というもの。倒れた人が時々「まだかな?」といいたげに顔をあげるのに気を取られ、1戦目以降はあまり集中できませんでした。 右にある台とキャベツは後から使います。

そこからは騎馬兵が鎧をつけた人の持つ盾に向かって矢を放ったり(一度は成功したのですが、二度目は脛に当たったので痛そうでした) 馬上で逆立ちをしたり 騎馬兵が槍で地面に落ちている座布団を拾い上げたり、走り抜けながらキャベツを切って行ったり、多岐にわたるパフォーマンスを見せてくれました。キャベツだけ毛色が違ったので驚きましたが、主催者側はかなり力を入れていたのか、終わった後にはキャベツがたくさん転がっていました。

ここらでお腹がすいてきたので、会場の中心近くにあるテントへ行くと、なんとプロフが!!一つ700テンゲ(230円くらい)です。大きなプロフ鍋で炊いた、本物のプロフです。これを先ほどの干し草の上で食べると、もう本当に美味しかったです。

ステージ左手には相撲リングがあり、私が見たときは韓国の選手たちが戦っていました。ここも結構な人手で、みんなリング状に腰掛けて試合を眺めています。 写真右端には相撲を眺める馬もいますね。会場内を歩いていると、自転車感覚で時々馬に乗っている人に出くわすので、遊牧民感覚を簡単に味わうことができました。

リングの周りには、色々な国から来た小物を売る売店(ユルタ)が。旦那にちょっと引かれながらもステージで流れている音楽に身を任せて踊っていると、突然その売店のおばさんに手招きされました。なんだろうと近づくと、おばさんは私の手を取って踊り出したのです。ひとしきり踊ると、私はその売店の商品を見ることにしたのですが、そこでそのおばさんがイランからきたこと、英語もロシア語もカザフ語も話せないことを彼女のジェスチャーから知りました。そのお店が扱っていたのは綺麗な布製品で、本当に素敵だったので、いつかイランに行ってみたくなります。細かい話になると、横で店を出していたペルシャからきたと言うカザフ語ができる女性を呼んできて、値段交渉などに応じていました。ただ私も友達もカザフ語ができないので、なんとか英語で話をしてもらいました。刺繍はどうしてあんなに魅力的なのでしょう。

会場のあちこちに乗ってみたかった遊牧民のブランコがありました。 立って二人で漕ぐタイプのものです。実際やってみると、木の軋み具合がちょっと不安になること、立っているので地面がより遠くに見えて怖いことがわかりました。なんでもやってみないとわかりません。友達も旦那もあまり怖くないのか、笑顔でたくさん漕ぐので、余計にそう感じたのかもしれません。私たちが降りると、子供達が駆け寄ってきてすぐに埋まってしまいました。こんなところで育つこの子達がちょっと羨ましくなりながら、この日は会場を後にしました。

想像していたよりもずっと楽しかったです!

Пока!