馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

バイテレク

Привет!

一週間強ぶりですが、気が付けば時代は変わり、GWも終わり、変化が多い期間でしたね。ちなみに平成が終わった瞬間は日本から遊びに来てくれていた友達と馬を食べていました。おいしかったです。「令和」も「ヌルスルタン」も音が耳になじむようにはなってきたのですが、この前まで「平成」、「アスタナ」だったことを考えると違和感が残ります。ロシア語の先生が言うように10年ほどすると慣れるのでしょうか。そのころにはこの街にいないような気もしますが。

さて、先述したように友達が来てくれたので、ヌルスルタンで観光らしいことを久しぶりにしました!観光地らしい場所はそんなに多くないのでこの半年ちょっとで回ろうと思えば可能だったのですが、今回のためにとっておいた場所へはじめに行きました。そう、この街を象徴するタワー、バイテレクです。 mickymm.hatenablog.com

この散歩のときに見ていたものです。高さ105mのこの塔は、ポプラの樹の上にある卵、という神話を基に設計されています。バイテレクの中にその説明があるかと思っていたのですが実際は全くなかったので、この神話に関しては2017年に行われたアスタナ万博のパビリオン内に書いてあったので、気になった方はこちらの記事の最後のほうをお読みください。 mickymm.hatenablog.com

入り口は防衛省側(青いドーム屋根の建物)側にあります。半地下になっているので階段を降り、相変わらず機能しているか分からない金属探知機を通ってチケットを買います。大人二枚、と伝えると「1400テンゲです」と答えた後チケット売り場のお姉さんは何かを付け加えました。「え?なんですか?」と聞き返す私に「だから、風です。上にあがると風で揺れると思いますので気を付けてくださいね」と答えるお姉さん。この日は暖かかったのですが風は強かったので、疑問には思いませんでした。確かに上に向かって広がるこの形は上に行くほど揺れが大きくなりそうです。ちなみにチケットはレシートのような見た目のなので、エレベーターホールの係員さんに見せるまでしっかり手に持っておいてくださいね。

エレベーターからはハン=シャティール(ショッピングセンター)方面の景色が一望できます。105mなのでそんなに高くはないのですが、周りの建物もあまり高くはなく、平坦な土地なのでかなり遠くまで見ることができました。 卵の中につきました。タワーの外から見ると卵部分が黄色いので嫌な予感はしていたのですが、まあ内側から見てもせっかくの外の景色は黄色く見えるよな…。これが少しもったいないと感じた部分です。せっかくハン=シャティール、バイテレク、大統領府、そして川を挟んでピラミッド、と一直線に並んでいる中に立てるのに。卵の中は二階構造になっていて、二階部分にはナザルバエフ前大統領の手形が置かれています。一階部分にはまばらだった人が、この手形の周りにはかなり集まっていました。列はないので、人がいなくなったすきを見計らって手形に手を置いた者勝ちです。写真をそのあたりにいる人に頼んだり、頼まれたり、みんな嬉しそうに大統領の手形に手を置いています。私も置いてみました。 結構大きいですね…。たしかにこれは大統領をかなり身近に感じることができます。どこかでここに手を置くと何百回か(あるいは何千回か)に一回の確率で国歌が流れ出すと聞いたのですが、私たちがいるときには何も起こりませんでした。あの噂は本当かしら。手形を離れると、係り員のようなお姉さんから「英語で少し解説してもいいですか?」と聞かれ、お願いすると「そこの手形は前大統領のもので、願い事をしながら手を合わせるといいですよ」と言われました。手を合わせる前に教えてほしかったです。手形の横にはこんなものが。 色々な宗教の本拠地がある国を代表する木で作られたようで、よく見ると「SHINTIO(神道)」の横に手書きで「桧」という漢字が書かれています。おお、日本からも来ているのか。そもそもこの街の設計は黒川紀章さんです。日本では知られていませんが、つながりが深いのだなあ、と感じました。さて、このあたりでまっすぐ歩きにくいことに気が付きました。目の前にいる人のところまで行こうと思っても思うように進めないのです。普通に立っていてもふらっとなります。…これはもしかしてめまい?そんなに疲れていたっけ、どうしようと友人のほうを見ると彼女もふらふらしていました。あ、そういえばさっき上は揺れるって言われた!と二人で思い出します。恐るべし風の威力。常駐している係りのお姉さんたちが涼しい顔をして立っているのが信じられません。あまり長居していると酔ってきそうだったので地上へ降ります。

ヌルスルタンにきたら一度は行っておきたい場所でした。もし来られたらぜひ!

そしてこの記事を書きながら何度も「アスタナ」と書いては消して「ヌルスルタン」に変えていたのですが、この国でも混乱しているのが分かる現場に出会ってしまいました。ハン=シャティール前にもともとI LOVE(ハートのマーク)ASTANAと書かれたオブジェがあったのですが、この日行ってみるとそのまえに真新しい白いオブジェが置かれていました。 何が面白いって後ろのアスタナのオブジェが撤去されていないことです。おかげで後ろから見るとはじめは何が起こっているのかよくわかりませんでした。 これは4月29日の出来事ですが、つぎの日に訪れた人によるともうアスタナは無くなっていたそうなので貴重なものが見られたのかもしれません。それにしても3月21日に名称が変わったので、1か月でこのオブジェを作ったのでしょう。そう思うと本当に突然名称が変わったのだということが分かります。

Пока!