馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

日本について質問されたこと

Привет!

大騒ぎしていましたが、昨日はそれほど温度が下がらず日中は-26度ほどでした。これならバスで市場へ行けます。家の中が暖かいので軽装になりがちですが、分厚めのコートを羽織ると寒さはほとんど感じませんでした。タイミングが悪くバスを20分ほど屋外で待っていたのですが、自分のことより購入した生卵は凍ってしまうのではないかと心配でたまりません。結果は全く凍っておらず、卵かけご飯を楽しめました。よかった。

ロシア語を習い始めてから、タクシーの運転手さんだけでなく先生とも話すことができるようになり、現地の人と触れ合う機会が増えました。そうなると日本に特別な興味や思い入れのないカザフに住んでいる人の日本に対するイメージが垣間見えます。今日はその中で印象に残っているものをいくつかご紹介したいと思います。ちなみに先日、タクシーに乗ったら「生きている日本人!初めて見た!」と言われました。もうすぐで「じゃあ生きていない日本人には会ったことがあるんですか」と聞きそうになりましたが、大人なのでやめました。

最近多いのは「テレビやインターネットで見たんだけど、本当?」というタイプの質問。ロシア語の先生は毎授業の導入としてこの手の質問をしてくるのですが、毎回「それどこで見たの?」というものばっかりです。例えば「酒って日本のウォッカって聞いたんだけど、アルコール度数は40度あるの?」など。これに「酒はそこまで度数が高くない。15%くらいかな」と答えると「そんなに低くて酔える?酔えなかったらアルコールを飲んでいる意味がないでしょう?」と言われました。これだから強いお酒の国は。先生によるとソ連時代は男性がウォッカを、女性はウイスキーを飲むのが普通だったそうです。
忘れられないのはとか「邪魔になったおばあさんを捨てる山があるって本当?」と怯えながら質問されたことです(先生はご年配の方です)。一瞬何のことか分からず固まっていると、一緒に授業を受けている友人が「姥捨山か!」と小さく叫びました。ああ、なるほど!え、どこでそれを?「本で読んだのよ」…誰がその本をロシア語で書いたんだ。
続けて「あ、レイカンってなに?」と聞かれました。霊感?冷感?友人は前者を、私は後者を思い浮かべたのでそれぞれ説明したのですが、先生が聞きたかったのは本の文脈から前者だったようです。これは「精神」と「霊」の違いを説明するのが大変でした。イスラム教における死後の世界について勉強すべきだったかもしれません。それにしても先生はどんな本を読んでいるのでしょう。

また、休暇の話をしている時に聞かれたのが「日本では、部下が休みを取らないと上司がとても怒って、週末や長期休暇を絶対取らせるんでしょう?」ということでした。思わず「え、それはどの世界にある日本の話?」と聞き返してしまいます。「そう、じゃああの噂はおとぎ話だったのね」と返されました。ちなみにいろんな国から来た生徒を見ている先生によると、日本や韓国はハードワーカーで仕事をしすぎだという印象がある一方、アラブ諸国ではいつ働いているのかと聴きたくなるくらい休暇が長いそうです。カザフスタンについては「普通」とのこと。日本の社会人の夏休みや冬休みが長くて1週間だというと「どうやって旅行行くの?」と聞かれました。その中で行くんですよ。

先日ロシア語の授業に行こうとした時に先生から電話があり「今日の天気は最悪だからお休みにするね」と言われました。通常これくらい曇っていて雪が降っていたら暖かいのですが、なんとこの時は-20度以下だったのです。風も強く、体感気温は-40度でした。それは休講になるわ。

ある時、タクシーの運転手さんに「日本ってこれからどんどん沈むの?」と突然聞かれました。え、そうなの?私も初耳です。「沈まないんならよかった!いつか行きたいと思ってたから。南極の氷が溶けて日本も沈むってインターネットで見たんだよ。カザフはしばらく大丈夫そうだけど」と言われたのですが、確かにそう思うと日本と対照的な地理だよな、と一人考えながら「おそらく沈むとしてもあなたが生きているうちは大丈夫だから安心して日本に行ってみてね」と伝えます。日本人にとってもカザフスタンはあまり馴染みがない国ですが、反対にカザフの人にとっても未知の国なんだろうな、といつも思います。それでも「日本人だ」と伝えると「やっぱり!日本人はカザフ人と顔立ちが似ているからね」と親近感を持ってくれているようで、嬉しいです。これからもどんな質問が来るか楽しみにタクシーに乗ってロシア語の授業に向かおうと思います。

Пока!