馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

タイトル回収

Привет!

前回、カザフスタンのファストフードのことを書きましたが、全世界的に展開しているチェーン店の中でもカザフスタンで人気なのがスターバックスです。スターバックスといえばご当地マグカップが有名ですね。以前この記事で紹介しましたが、 mickymm.hatenablog.com カザフスタンのカップは特にお気に入りです。これ以来毎日使っています。そしてこのカップ以外には期間限定メニューが国によって違うくらいで、ほかのメニューは世界共通なのだと思っていました。こちらのサラダコーナーを見るまでは。 一見どちらも普通のサラダですが、なんと左にあるのは「馬肉サラダ」です。馬肉サラダ…。日本やロシア、イギリスなどほかの国で見たことがないので、おそらくカザフスタン(あるいは中央アジア)限定だと思われます。ご当地メニューがあったとは。

この一週間後、週末に郊外にある大型スーパー「メトロ」に連れて行ってもらいました。アスタナはそんなに大きくない町なので、少し車で走るとすぐ地平線が見えるようなだだっ広い場所に出ます。メトロはそんな土地にぽつんと立っているのですが、その日はメトロの前に黒いものが点在していました。今は冬で雪が積もっているので黒いものは目立ちます。遠くから「あれはなんだ」と見ていたのですが、近づくにつれてその正体がはっきりしてきました。 え、もしかして…馬…?馬の群れが雪の中でたたずんでいたり、雪の下の草を食んだりしているのです。カザフスタンといえば馬のイメージがあったので、ブログのタイトルにもそこからインスピレーションを得ていたのですが、アスタナが想像以上に都会で馬を全く見かけませんでした。そうこうしているうちに本格的に冬に突入したので、本物の馬を見るのは次の春までお預けだなあと思っていたところだったのです。こんなところで出くわすとは。遠くから見るとなんだか牛のようですが、間違いなく馬です。こんなところで会えるのか。

今から思えばこの時から馬との縁があったのかもしれません。そのあとすぐに知り合った方がこの地で乗馬をしていると聞きました。しかもご好意でその乗馬クラブに友達と共に連れていってくださるというではありませんか。カザフスタンでしたかったことナンバー1の乗馬がかなってしまいました。その方曰く、アスタナには3,4個ほど乗馬クラブがあり、施設のレベルはそれぞれのクラブにより全く違うとのこと。今回連れて行ってくださったところはかなりしっかりしているところでした。そしてその後ほかの人から聞いた話も併せて考えると、どこの乗馬クラブでもほっておかれるそうです。

乗馬場にはかなり立派な馬が5頭いて、そのうち一頭は競技の練習でバーを飛び越えたりしており、そのほかにはそれぞれインストラクターさんが横についていました。そのうちの一人と一頭に近づくと、インストラクターさんは馬の上に乗るのを手伝ってくれた後「これまで乗った経験は?」と聞いてきます。牧場の引馬体験は何度もしたことがあるのですが、おそらくそれを聞かれているわけではないようなので、「一度だけ」と答えます。今から10年ほど前にモンゴルの草原でもっと背の低い馬に乗ったことがあるのですが、ほとんど感覚を覚えていません。インストラクターはその話を聞くと、「とりあえず、手綱はこうもって。できるだけ馬の顔に近いところで持つんだ。そう、そして前に進むときはお腹をけって。方向転換は手綱をしっかり行きたい方向に引っ張ったらこいつはわかるから。とりあえず壁際にトラックがあるからその上を歩いてみようか」と優しく教えてくれました。彼は馬をひいてはいないものの、横について一緒に歩いてくれます。なんだ、ちゃんと見てくれるやん、と思っていたら私と同じくらいの経験しかない友達はインストラクターなしで一人で歩いていました。のちに聞くと「基本操作を教えてくれたあとは『行ってらっしゃい!』といわれただけで、そのあと声をかけられることといえば『もっと早く歩きたい?走りたい?』とか『日本って島が何個あるんやっけ?』とか『日本では馬食べる?』とかだけだった」そうです。それは彼女の筋が良かったからなのか、そのインストラクターさんのやる気がなかったからなのかは不明です。私のインストラクターさんはこまめに「もっと手綱意識して」「馬が首を下げても振り落とされないようにしっかり合わせて」とアドバイスしてくれます。一度「日本って馬いないの?カザフではみんな子供の時から乗れるよ」といわれました。本当に!?でも確かに日本では馬に乗る機会はほとんどありません。馬は賢いので、こちらが怖がっていたり反対に調子に乗っているとばれそうだと思い、馬の気持ちになってみることにしました。しかしそうすると「なんで人間を上に乗せなければいけないのだ」という思いでいっぱいになってきたので、申し訳ない気持ちになります。しかし一時間もする頃にはしっかり指示通りに動いてくれるようになり、気怠さもなくなり(はじめは私を乗せて嫌なのかと思うくらい気怠げに歩いていたのです)、すこし心が通じ合えた気がしました。

次の日にはお尻の骨と背筋、腹筋、その他下半身の筋肉が痛みましたが、もっとうまく乗りこなしたいので今後も通おうと思います。ほかの乗馬クラブにも行ってみたいです。

Пока!