馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

アスタナ万博2017②

Привет!

前回の記事の続きです。 mickymm.hatenablog.com

8階あるパビリオンのうち、まだ上から二階分しか紹介できていないので、すぐ本題に入りたいと思います。6階のテーマは「太陽エネルギー」だということは、フロアに入った瞬間に分かりました。 半球でもかなり大きな太陽の模型が鎮座していたのです。横には世界各国の太陽にまつわる神話の紹介が。エジプトやギリシャなどの有名どころと共にもちろんカザフスタンについても説明が書かれていました。アルマトイから150㎞の場所で、世界で最も古いと思われる太陽神のようなものが岩に描かれているのが見つかっているそうです。 写真の一番手前に書かれている絵がそれです。 太陽の模型の中には入れるようになっており、中では太陽の表面の温度や太陽が地球に与える影響などの情報が映像とともに流れていました。太陽の中を通り抜ける形で外に出ると、地球の模型が出迎えてくれます。地球儀は自転をし続けていて、太陽の光が当たらない裏側(夜になるところ)は街の明かりが点くので、都市部が一目でわかるその技術力の高さに感心してしまいます。 ソーラー電池で車を動かそうのコーナー。上からの光を、鏡の反射をうまく使って車の模型に当てると車が動くのですが、動き方があまりにも単調なので誰もいないときに鏡を触らず見ていると自動で車が前後していました。下にモーターがついているのかもしれません。発想は面白いのに。

5階のテーマは「風のエネルギー」です。フロアに入ると先ほどの太陽の下半球が出迎えてくれました。 下から見ても大きいな。風は目に見えないので、今のところ視覚的には太陽の存在感が最も大きいです。少し先へ進むと何やら数字が書かれたコーナーが作られていました。7の前にだけ鉄の棒が立っています。とりあえず3の前に立つと強い風が吹いてきました。ああ、そういえばここは風エネルギーのコーナーだった。この数字は風の強さか。5の前に立つと「暴風」という言葉が頭の中を流れていきました。ということは、7はもっと強いのか…もしかしてあの棒は飛ばされないようにつかまるためのもの!? 7の前に立つと風の音で何も聞こえなくなり、どうやってここから出られるのかも分からなくなりました。必死の思いで外へ出ると、それぞれの風の強さが票にまとまっていました。3は風速12-19㎞/時、5は29-38㎞/時、7はなんと50-61㎞/時だそうです。髪型を崩したくない人はここに入るのをお勧めしませんが、TMレボリューションごっこを安全にするにはぴったりの場所です。

4階は「バイオエネルギー」。理科が苦手だった私にはあまりピンときませんでしたが、ここもフロアに足を踏み入れた瞬間にだいたい分かりました。 床は区切りごとに様々な種類の穀物が敷き詰められています。ほかには研究室や実験室風のスペースが作られており、たくさんのフラスコや植物が並んでいました。またこの階にはカフェがあるので疲れた人にはお勧めです。

3階は「運動エネルギー」がテーマ。実は3,4階が吹き抜けになっているところに大きな器具が設置されていて、二人のお兄さんが丸の中で歩いたり、丸の上で走ったりすることでこの巨大な器具を動かしているのが4階から見えていたのでとても気になっていました。 1時間に一回なのか、それともお兄さんたちの気まぐれなのか、いつこのショーが開催されているのかはわかりませんが、丸の上で縄跳びをしようとして失敗するなど何度かヒヤッとさせられました。ほかにもこの階には自転車を漕いで発電量を競ったり、振り子の原理を紹介されていたり、体重移動によってボールを動かすようなゲームがあったり、参加型の展示が多くとても楽しかったです。

2階は「水エネルギー」。入ってすぐの水車が目を引きます。 世界各地の水力発電のダムが映像で紹介されていたり(日本の黒部ダムもありました)、海上で作られるエネルギーの紹介があったり、できるだけ多く水を汲んでエネルギーを作り出すコーナーなどもあり、このフロアも楽しかったです。ところどころ去年の万博開催時には使われていたんだろうな、というような道具やカウンターなども散見されましたが、十分楽しめました。

ようやく1階に戻ってきました。前回書いた通り、この階だけはエネルギーの紹介ではなく国の紹介です。ユルタの中に入ると、壁に草原を馬が走っている映像が映し出され、民族的な楽器や衣装が展示されていました。一番奥にあるのは、なんとバイテレク。 そう、あの町の中心地にあるタワーのもとになった神話上の「生命の樹」です。この木は世界の上部と、真ん中と、下部をつないで人間の長い歴史を普遍的なものにするものだそうで(北欧神話のユグドラシルのようなものでしょうか)、世界の上部に住む「サムルーク」という魔法の鳥が毎年木の上に黄金の卵を産み落とし、それを食べるために下部に住む「アイダハール」という悪いドラゴンが上にやってくるそうです。ここで真ん中にいる人は「サムルーク」つまり善か「アイダハール」悪かを選ばなければならない、という神話だそうです。ちなみに説明書きには最後に「善か悪を選ばなければなりません。正義をとって悪いドラゴンを倒すのです」と選択の答えまで書いてありました。

パビリオンは堪能したのでそろそろ帰途につきましょう。お土産売り場ではあれだけ探した絵葉書が置いてありましたが、15枚入りで2000テンゲ(660円ほど)と少し高めでした。お土産物屋さんは有人と無人(自動販売機)があります。

過去、現在、未来のアスタナを体験できるパビリオンはとても面白かったです。疲れてきたので後半は駆け足になってしまいましたが、願わくば去年来たかった…。

Пока!