馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

アスタナ万博2017①

Привет!

実は去年(2017年)アスタナで万博が行われていたことはご存知ですか?私はカザフスタンに来ることになって初めて知りました。当時はモスクワにいたので来ようと思ったら数時間ですぐ来られたのに。

現在はメインのカザフスタン館だけ残されて、あとのパビリオンは解体されてしまっています。アスタナはあまり背の高い建物がなく意外なほど遠くまで見わたせるので、我が家からもこのカザフ館が見えるのですが、はじめは「何あの球体」という印象でした。その上、夜になるとその球体は光るのです。ある時は緑色に光って地球を表し、ある時は白く光って表面に「アスタナ」の文字を浮かび上がらせ、ある時は赤く光って太陽を表し、窓から眺めていても飽きません。ある時、その球体のそばを通ったのでおもむろに旦那に尋ねたところ「アスタナ万博のメインパビリオンだよ」と教えてもらいました。ずっと球体の内部に入ってみたかったので、見学できると知ってすぐの週末に二人で遊びに行きました。 これが件の球体です。2017年万博全体のテーマは「未来のエネルギー」でした。なのでこのパビリオンも全体的にエネルギーにまつわる展示になります。パビリオン近くにあるチケット売り場で一人1500テンゲのチケット代を払います。え、一人500円で入れるの!?夜にあれだけ光っているのに!?

内部は8階建てになっており、それぞれ階ごとにテーマが決まっています。裏口から入ってしまったのか、コートを預けるところまで球体の中をぐるっと回る羽目になりました。一階の主なテーマは「国の展示」とのことで、ユルタ(移動式住居)のようなテントが2,3個あります。中ではそれぞれ展示があるようなのですが、たまたま私たちがのぞいたユルタの中では今話題のVRを体験できるスペースになっていました。様子を見ながら二人でのぞいていると、係りの人が「今ならジェットコースターが空いていますよ」と言って私たちの希望も聞かずにVR眼鏡を手渡してきます。初めてVRを体験したのですが、ヒトの視覚は凄いですね。実際はなにも動いていないのに、ジェットコースターのアップダウンする感覚がかなりリアルに味わえました。このユルタ内の他のコーナーでは特別な靴を履いてウォーキングマシーンの上に乗りながら何かと戦うゲームも体験できるようでした。 少し酔ったので、その場を離れます。とりあえず違う階も見てみよう、ということで向かったエレベーター(写真右の人がいるあたりです)では、そこの係の人に問答無用で8階のボタンを押されました。ここの人は少し押しが強いようです。せめて説明をください。

到着した8階のテーマは「アスタナ-賢い街」ということで、未来のアスタナのモデルを展示していました。説明によると今から30年後、2050年頃の想定だそうです。街の模型の上に想定される都市の様々な問題の解決方法が映し出されます。写真では少し伝わりにくいですが、上の銀色のUFOみたいなものに映し出されるのを読む形になっています。たしかにこんな街に住みたいなあと思わせてくれるような、理想的な街の模型でした。しかしそこからふっと視線を窓の外に向けると 結構近いところに見える草原。この万博会場は街の端にあるので、すぐそこまでステップが迫っているのです。ここが30年後に本当にこうなるのかなあ。

8階まで上がる方法こそエレベーターでしたが、降りるのは階段一択のようです。おそらく車いすの人などは特別にエレベーターを使えると思いますが、基本的には順路に沿ってみていくと階段へ導かれます。ここは人間のエネルギーを使うのね。 7階のテーマは「宇宙エネルギー」。ロケットを打ち上げているバイコヌール基地もあるカザフスタンにとってはお得意の分野でしょう。人と宇宙の歴史が書かれた廊下を宇宙飛行士に見守れながら通って進むと、宇宙ステーションでの生活などが展示されていました。モスクワでも宇宙飛行士博物館によく行っていましたが、アスタナのほうが最新版を展示してあります。モスクワも刷新していくのをお勧めしたいです。 宇宙でコーヒーを飲むための研究がどれほど大変だったか、という説明とともにコーヒーメーカーが展示されていました。地上でも使えそう。

そこから先へ進むとなんと月面を歩いているような気分になる(重力は地球のものですが)ジオラマが作られていました。月面歩行ができてテンションが上がっている旦那。 思ったより楽しかったので、紹介は後編へ続きます!

Пока!