馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

カラオケ@アスタナ

Привет!

昨日、バザールで新鮮な卵8個と、その他諸々を買ってホクホクでバスに乗ろうとした瞬間に氷の上で滑って転んでしまいました。ご丁寧に荷物を下敷きにする形だったので、体の下でなにかが潰れた感覚をおぼえます。バスの中にいた人と外でバスを待っていた人たちがみんなで助け起こしてくれ、荷物も拾ってくれ、バスの座席まで譲ってくれました。周りの人の優しさと卵への心配で少し泣きそうになりました。家に帰ってすぐに荷物を解くと、私の目に飛び込んできたのは1つだけ割れた卵と粉々になった洋梨。ほかの7つの卵は無傷でした。倒れ込んだ場所が良かったようです。あるいは梨が弱かったのか。

さて、先日旦那の職場の人から「カラオケをするけど来る?」と誘ってもらいました。アスタナにもカラオケがあるんですか!二つ返事で行きます、と答え、当日を楽しみにしていました。 場所はここ、コリアンハウス。ここでなら個室のカラオケが楽しめるというのです。

お店に入ってすぐのところにスタンドマイクが置かれた写真スペースがあり、否が応でもカラオケの気分をかきたてられます。中には個室が5、6室あり、この日予約してもらっていたのは一番大きな部屋でした。 ここは上の階がレストランになっているので、料理を注文したらそこから持ってきてもらえます。名前の通り韓国料理がメインですが、寿司などもありました。私はミートボールと冷麺を気に入ってずっと食べていました。

韓国系ということで、カラオケの形式はモスクワで慣れ親しんだものと全く一緒です。

mickymm.hatenablog.com 入っている曲も同じだったので私も旦那もある程度どれを歌うか決まっていました。それにしても相変わらず珍しい曲が入っているのに有名な曲がなかったりして、日本で行くのと少し勝手が違います。

大人数で、飲んで食べて歌って楽しんでいると暑くなってきました。すると何度かここに来ているという人がおもむろに立ち上がって、部屋にかけられた絵に近づくではありませんか。 彼が絵の後ろに手を入れて何かを調節しているのを見ていると、次第に絵から冷たい風が出てくるのを感じました。これ空調だったの…。

開始から数時間、宴もたけなわになってきた頃のことです。突然ドアが開いて店員さんが入ってきました。驚く私たち。すると店員さんは「いつもご利用ありがとうございます。この曲が終わったら、お店からのサービスでプロの歌手に一曲歌ってもらいますね」と高らかに宣言しました。

約束通り、その時に歌っていた人がマイクを置くと、その店員さんはカラオケの機械に持参したパソコンをつなげ、回線を確認すると外で待機していたらしいプロの歌手を部屋の中に招き入れました。カザフの女性は美人が多いのですが、この時入ってきた女性二人組もとても綺麗で、一人の手にはマイクが、もう一人の手にはアルトサックスが握られていました。ここで先ほどの店員さんがなぜか突然英語で「いつもあなた方が来てくださるときはとてもうれしいです。感謝の気持ちを込めて、店からのプレゼントをお贈りします。それではお楽しみください」と口上を述べました。言い終わるなりミュージックスタート。どこかで聞いたことはあるけれど曲名はわからない、英語のロックです。サックスに合わせて圧倒的な声量と安定感のある音程で歌手が歌いあげます。 これまで身内でワイワイとしていたところに知らない本物の歌手が来ると、盛り上がればいいのか聞き入ればいいのか少し迷います。周りの人たちも同じだったようで、音に合わせて乗っているけれど微妙な空気が流れたまま、一曲を終えた彼女たちは一礼をして出ていきました。するとまた店員さんが入ってきて、カラオケの機械を元通りにします。たまたま次に曲を入れていた人は「歌いにくい」と嘆いていました。彼には悪いですが、おそらくみんな自分じゃなくてよかったと思っていたことでしょう。

予約した人が常連だったからか、それとも大人数だったからか、はたまたお店の気まぐれか、真相は闇の中ですが、貴重な体験ができました。そしてやっぱり大声で歌うのはストレス発散にぴったりです。

Пока!