モスクワ奮闘記

2016年7月末にモスクワに引っ越してきました。

マリインスキーの白鳥

Привет!

サンクトペテルブルクを、そしてひいてはロシアを代表するバレエ劇場であるマリインスキーで「白鳥の湖」をみる機会を得た私たち。この際、本館だろうが新館だろうが関係ありません。期待に胸を膨らませ、席に着くとしばらくして幕が上がりました。

…そこには白鳥がいました。女性が「踊っている」ようには見えません。白鳥が文字通り羽ばたいていました。白鳥といえば、優雅な見た目に対し池の中ではかなりがっしりとした下半身が水を掻いていると言われますが、羽に見立てて羽ばたく振り付けをしているバレリーナの腕はその力強さを感じると同時に全身で優雅さを表現しているのです。人間の体にこんな動きが可能なのかと目を見張っているうちに、第1幕が終わりました。 なぜか毎回カーテンコールをします(カーテンコール中は撮影可能)。全力で拍手を送った後、軽食コーナーへ向かう私はなぜか爪先立ちになっていました。さすが、本物の白鳥は影響力が違います。

いつもの如く軽食コーナーに殺到している人たちの流れに乗って、でも精一杯優雅に歩きながら、列に並びます。レジに近づくにつれてどんな軽食があるのか見えてきました。 中でも目を引いたのはパンのイクラ載せでした。こういう劇場の軽食コーナーにあるイクラ載せといえば、パンに少しイクラが乗っていて、あとはレモンやサーモンやチーズのどれかが乗っている、という感じなのですが、この圧倒的な輝くイクラの量。ここがサンクトペテルブルクだから(海が近い)か、はたまた国内随一のバレエ劇場の余裕か。イクラに目がない旦那は迷う様子もなくこれを頼んでいました。私は食べにくいナポレオンケーキ(ミルフィーユです)を、妹さんは可愛いマカロンを。こういうところでも個性が出ます。食べながら、そういえば…と旦那に「第1幕は寝なかったの?」と聞いてみました。すると「全く眠くならなかった!」とのこと。初めてのことに驚きを隠せません。しかし、この値段を出さないと眠くなってしまうとは、なかなか高くつく目を持っているようです。

第二幕。
いよいよ黒鳥が出てきます。映画「ブラック・スワン」をみてから、白鳥と黒鳥は同じ人が演じていると知ったのですが、それでもこれまでは「全く別の人が演じている」ようにしか見えませんでした。衣装も違い、踊り方も白鳥より激しく、なんで王子はあれで気がつかないんだろう、と疑問に思うほどでした。

今回の白鳥は第1幕の時からほかのバレリーナの追随を許さない優雅さを出していて、すぐにどこにいるか踊りだけでわかります。これがプリマドンナか。そんな彼女が黒鳥をどんな風に踊るのかとても楽しみでした。

満を持して登場した黒鳥は、紛れもなくあの白鳥の優雅さを持っていました。ただ、ちょっとした手首の曲げ具合、足の上げ具合だけでガラッと印象を変えてきたのです。でも根底にあるあの白鳥だけが持っていた優雅さは失われていないーこれでは王子も「あ、あの白鳥が来たんだ!ちょっと服も違うし羽ばたき方も違うけどこれはこれで美しいな」と騙されるのも納得でした。

ただ何回見ても、そしてどれだけ素晴らしいダンサーが演じていても、騙されていたと知った王子が、王妃にすがりつくのを見ると「悪いフクロウの方が素敵かもしれない」と思ってしまいます。 幕が降ります。舞台美術の素晴らしさと衣装の美しさもこれまで見た中でダントツでした。

また休憩です。3階のロビーに展示されている衣装を見に行きました。 多くの劇場がこのように休憩時間も楽しめるようになっていて嬉しいです。

さあ、最終幕です。第2幕で私の心はかなり悪役のはずのフクロウに傾いていたので、最後の王子との戦闘シーンは思わずフクロウを応援していました。

この秋にこのマリインスキーバレエで「白鳥の湖」が東京と大阪で公演をすると聞いたので、どんな結末になるかは言及を避けますが、第三幕はスピード感がありました。 この演目の中で王子よりも存在感のあったフクロウ(写真真ん中の黒い人)。個人的には第2幕でマントを纏った姿がとても良かったです。このフクロウも、第1幕と第3幕では踊っているというよりフクロウとして舞っているという印象でした。鳥の動きって人間の体で再現できるのですね。

大興奮のまま劇場を後にします。サンクトペテルブルクでの初観劇は大成功でした。後日、友人がミハイロフスキー劇場の写真を送ってくれました。 あの綺麗な街並みに合わせた、素敵な外観の劇場が多いですね。またほかの劇場にも行ってみたくなりました。

Пока!

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