モスクワ奮闘記-イギリス出張中

2016年7月末にモスクワに引っ越してきました。

10月革命100周年

Привет!

朝、いつものようにニュースをつけると スターリンが出てきてびっくりしました。ああ、10月革命からちょうど100年目だ。

ただ、よく聞いていると「赤の広場では1941年のパレードを再現します」と言っています。あれ、革命記念日じゃないのかな。またはニュースのロシア語を聞き間違えたか。そんな疑問を持ちながら学校へ行く途中にいつものようにメトロで新聞をもらいます。 「血塗られたモスクワの1917年10月」と下に書いてありました。電車の中でめくってみると、はじめの6面がもう革命の話一色です。

歴史家による何が起きたか、という話から、8歳から14歳の子達が当時書いた革命の絵(表紙もそのうちの一つ)、当時の写真から当時の街の様子(おしゃれな人も貧しい人も、子供もインテリも色々な人が集まってモスクワの目ぬき通りを行進した)、当時のスローガン集、 亡命先からレーニンがペトログラード(現サンクトペテルブルク)に牧師(!)のふりをして密かに帰還した時の話、レーニンの演説の様子、サンクトペテルブルクの冬宮(臨時政府があった場所)での暴動の話、「彼らがいなければ達成しなかった」という見出しでレーニン、スターリン、トロツキーなどのバイオグラフィー、という具合で革命についてはこれ一部を読めば大体分かるくらい、たくさんの記事が書かれていました。

もちろん、学校でも新聞記事を読んだり、革命についてみんなで話したりしました。全部の記事は読めないので、バイオグラフィーを読みます。全員本名ではないことは知っていましたが、スターリンとは「スチール」という意味の言葉で、力強さを演出するためにつけられたであろうこと、またグルジア出身の彼はロシア語がまだ上手ではなかったために10月革命ではそんなに活躍できなかったことなどを始めて知りました。若い時のスターリンがかなり格好良かったことも。 家に帰ってきて、気になったのでテレビをつけると、赤の広場で行われていたのが1941年に「10月革命24周年」としてスターリンが開いた軍事パレード(当時はドイツが攻めてきている中、国民を団結するために開いたのでしょう)を再現するもので、2003年から行われていることを知りました。あれ、去年あったっけ。「歴史的にモスクワを守ってきた人」をテーマにした寸劇が行われ、馬上で戦う人々や、第一次世界大戦で戦う人々、革命の指導者なども再現されたようです。

また、ロシア共産党はプーシキン広場から革命広場まで行進しました。 共産党の演説もニュース番組で中継されて、なかなか画面が赤いなあと思いながら見ました。それにしてもソ連が74年続いたのは長いと見るべきか、短いと見るべきか。革命でロシアが(ソビエトが)理想的な国家になると夢見たレーニンは、100年後に社会主義国家が崩壊していると知ったら何を思うのだろうか。

先生がクラスメイトに「革命はするべきだったか、過ちだったか」という質問を投げかけると、みんな口を揃えて「過ちだった」と答えました。そのまま先生に「ところで今のロシア人はどう思っているのか」と聞き返します。先生は「多分何も思っていない。あれは歴史の一部で、起こった事実として受け入れている。みんな今のことしか、自分のことしか考えていないわ。100年前のように『未来のこの国のために』ではなく、未来もこの国が発展するために、自国の農家や酪農家の作ったものを値上げします、といえば『ああ、私には高すぎて買えない』ってみんな言う。まず『私』が先に来るのよ。自分の今の生活について『あの革命のせいだ』とか『革命のおかげで良くなった』とか考えてはない」と答えていました。でも、と続きます。「でも、ソ連時代に、素晴らしい芸術家や学者たちが『労働』が一番のソ連の思想に合わないからと殺されたり迫害されたことに関しては、みんな後悔しているわね。みんな同じように考えるようになってしまって、飛び抜けた人がいなかったために、国の発展が遅れたのだと思う」

そのまま、私に「日本は大きな革命…国がひっくり返るような革命はなかったよね。だから良い国なんだとおもう?」と難しい質問をされました。たしかに革命はありませんでした。江戸から明治への移行は「理想的」だとして色々な国のリーダーがそこから学んでいるそうです。でも、今日本にいるわけではないのでニュースを聞きかじる程度ですが、学者や芸術などを蔑ろにはしていないかな、とふと思いました。また、国のこれからを考える余裕がないのも同じではないか、とも。今ロシア革命を見直して、そこから学べること、今すべきことは何かを考えることが必要な気がしています。一人では無力ですが、国の体制に不満を持つ人がたくさん集まり、その中から一人飛び抜けた人が出てくるだけでそれまでとは180度体制を変えることができた国にいると、問題意識を持つことは大事だし、良い方向に少しずつ変えることはできるのではないか、と思います。

Пока! にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ
にほんブログ村