モスクワ奮闘記

2016年7月末にモスクワに引っ越してきました。

ステレオタイプとの付き合い方

Привет!

青空が少しでも顔を覗かせると、嬉しくてスキップしてしまうような秋の昼下がりです。こんにちは。いつも天気の話からはじめてばかりですみません。こんなに空を見上げて、天気予報の気温の欄をチェックする毎日になるとは、2年前日本にいたときには考えられませんでした。不思議なものです。日本の空より少し青空の色が薄い気がしますが、貴重な雨に濡れない日を大切に生きていきたいと思います(大げさ)。

今日電車の中で本を読んでいると、乗り換えの駅を過ぎてしまっていて、すぐに引き返しましたが十分遅刻してしまいました。教室に入ると、みんなでメトロで配られる新聞のある記事を読んでいます。急いでいたのにも関わらず、私もちゃっかりともらってきていたので席に着くと同時に読み始めました。 この週末、ロシアの各地で「若者と学生の国際フェスティバル」が開かれていたそうで、その催しに他の国から来ていた学生へのインタビュー記事です。彼らにした質問は3つ。①革命による社会変革か、緩やかな社会進歩か、どちらが優れているか。②社会制度として理想なものは。③世界の国の中でどの国家が理想的か。…一番初めからすごい質問です。ぼーっと過ごしていた大学時代にこんなことを急に聞かれたら裸足で逃げ出してしまっていたと思います。

アフガニスタン、イラク、エクアドル、スロバキアから来た四人の答えが載っていました。それぞれの答えを読んだあと、先生が私たちに聞きました。「あなたたちはこの3つの質問にどう答える?」まあそう聞かれると思っていました。

今私たちのクラスはイタリア人、フランス人、日本人(私)、そしてカナダ人だけれどこれまで世界中で暮らして来て、ほとんどカナダに住んだことがなく、スイス人の奥さんがいるWさんの四人で勉強しています。その中でフランス人が「①に関しては間違いなく革命の方がいいよ」というと、みんなが「さすがフランス人」という反応になりました。

これまで一年間この学校にいて、馴染みがあった国の人ともなかった国の人とも個人対個人として話す機会に恵まれ、私は「○○人ではなく、○○さんと個人で見よう。その国の人、みんながみんな同じような性格な訳ではない」と考えるようになってきていました。基本的に今もこの考えは変わっていませんが、最近はそれに加えて「みんな自分に期待されている反応をしているのではないか」と思うようになりました。

例えば先述したイタリア人のRさんも何かにつけて「女性礼賛」と「どれだけ自分のお母さんが好きか」という話をよくします。そして毎回その後に言うのです。「ほら、だって僕はイタリア人だから」

私も人のことは言えません。Rさんに「旦那さんはロシア人?日本人?」と聞かれたので日本人だと答えると、彼にキラキラした目で「本物の侍やん!」と興奮されたのですが、否定できませんでした(ちなみに旦那は侍ではありません)。また、今授業では「人の性格」をテーマに色々な単語を勉強しているのですが、クラスメイトに「忍者ってどんな性格?」と聞かれた時にそれっぽいこと(我慢強い、とか秘密を守る、など)を答えてしまいました。

ただ、全部の期待に応えられる訳ではありません。例えば「日本人って盗みを働いたりする人が全く存在しないって本当?フードコートで携帯をテーブルに置いて席を離れても盗まれないんでしょ?」と聞かれた時に「いや、存在はするよ。一応そういうことはしない方がいいと思う」と答えました。ここで私の言葉だけを信じて本当に実行された場合、責任が取れないと思ったからです。

こんなことを話すうちに「この人たちはもし私以外の日本人に会わなければ日本人に対する感じ方は私への感じ方そのものになってしまう」と初めは恐れていましたが、周りは会話の糸口の1つとして相手だけではなく自分のステレオタイプをも上手く使っているのだ、と気づきました。なので、私も肯定したり否定したり、個性を表す1つの手段として付き合っていければ、と思っています。

そして同時に、Wさんだけはこんなステレオタイプにとらわれていません。彼は「何人?」と聞かれると「地球人」と答えています。というのも、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸などの色々な国を見てきており、それぞれの土地に暮らす人の習慣や政治体制の知識も深いのです。今日の新聞記事に対しても、2つ目の質問について「それぞれの国が、その土地特有の理由から今の社会体制で進んでいる。例えばスイスの社会体制はいいと言われるけど、あれは高い山があるからこそできるんだ」という意見を言っていました。

彼と話していると、私の世界はなんて狭いんだろう、もっと色々なことを学んで、色々な人に会い、様々な土地を見なければ、と思わされます。この勉強は一生終わらないだろうな。

Пока!

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