馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

民芸品博物館

Привет!

メトロで私の前に座っていたお兄さんの靴紐がほどけていました。そのことに気づいた私の横のおじさんが自分の足(というか靴)を振って合図します。…と、そのおじさんの靴紐もほどけているではありませんか。合図されたお兄さんは「あなたもね!」という感じでその靴を指差し、二人して屈んで靴紐を結びはじめます。その光景にほっこりしていると私はメトロのプリペイドカード、トロイカをなくしました。1000pほどチャージしたばっかりだったのについていません。

さて、モスクワの博物館の紹介です。今日は民芸品博物館。 ここも弟と行きました。整理して数えてみると、2週間で18個も美術館や博物館に入っていたそうです。それでもまだ行っていない博物館があるというのが信じられません。

この博物館は、正式名称をвсероссийской музей декоративно-прикладного и народного искусства, 訳すと全ロシア装飾工芸と民族芸術博物館、と言います。民族学に興味のある弟が見逃すはずはありません。地球の歩き方には最寄駅がцветной бульвар(ツヴェットノイ・ブリヴァール)となっていますが、環状線のНовослободская(ノヴォスラボーツカヤ)駅からでもいけます。歩いて15分ほど。サドーバヤの環状道路に面しています。

説明では「ロシアのあらゆる民芸品を展示」や「定番のマトリョーシカを始め、人形や織物、陶器など」と書いてあったのですが、マトリョーシカは2セットだけしかありませんでした。 しかも地下の廊下の端に。なので、マトリョーシカ目当てで行くとがっかりするかもしれません。

では、どんなものがあるかというと、ガラス細工と陶器、そしてパレフと呼ばれる、綺麗な絵が蓋に描かれた漆塗りの箱でした。 これは帝政時代につかわれていた、燭台などを展示した部屋です。部屋によって雰囲気がガラリと変わっていました。

随時企画展も開かれており、私たちが行った時は「クマが登場する作品」がテーマで、可愛らしいおもちゃからシーシキンの三匹のこぐまの絵が描かれたパレフ、クマが人を襲っている瞬間の木彫り(木彫りの熊なんて可愛いものではありませんでした)、など多岐にわたる展示で楽しかったです。

陶器コーナーはソ連時代に使われていたものが多く並べられていました。あの有名な鎌と槌をモチーフにしたソ連のマークはデザイン性が高いことに気づきます。 下の段のものは一瞬あのロゴマークがモチーフだと気づきませんでした。

また、陶器でつくられたチェスの駒は、鎌と稲穂を持った人たちと赤軍のソ連チーム(写真左)と、鎖で巻かれた人たちと金の鎧を着た王家の帝政軍(写真右)に分かれていました。確か1920年くらいの作品だったので、こういうのも一種のプロパガンダだったのでしょう。見ていて複雑な気持ちになりました。

相変わらず順序がなく、展示室ごとに座っているおばあさんたちに聞きながら回って行ったのですが、途中誰かの書斎を再現したようなコーナーがありました。周りには箱がたくさん並んでいます。ゆっくり見て回っていると、スタッフのおばあさんが私たちのところにやってきて「このオルゴールは実際に鳴らせるのよ!」と言って実演してくれました。 手前についているハンドルを回すと多彩な音が溢れてきます。聞き惚れていると、突然おばあさんが回しているハンドルが取れてしまいました。「ネジと一緒だから、すぐ付くわ」と言って頑張るも、なかなか付きません。慌て始めるおばあさん。全く責任はないけれど、その場を離れようにも離れられない私たち。かなり長い時間(実際には短かったかもしれません)見守っていると、とうとうネジにしっかりはまりました。どこかのアンティークショップのチラシが近くに置いてあったので多分借りたものだと思うのですが、無事に直って本当に安心しました。

少しわかりにくいですが、こちらがパレフのコーナー。 高級そうです。

思ったものとは少し違いましたが、民芸品からロシアの歴史が垣間見られる、面白い博物館でした。中心地に近いので、行きやすいです。

Пока!

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