馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

カムチャッカ④-ラクダ山-

Привет!

朝は20度に届かなくなったモスクワですが、カムチャッカはもう少し気温が低かったなあなどと思い出しながら書いていこうと思います。

さて、ゴツい車でベースキャンプに到着した私たちが久しぶりに揺れない地面に立って景色を堪能していると、ガイドさんに「あそこがラクダ山ですよ」と言われました。 ふたこぶラクダのようですね。確か今日の予定1つ目は「ラクダ山周辺の散歩」だったはず。…どこを「散歩」するんですか?

私たちの車には15人弱乗っていたのですが、他の車に乗ってこちらに向かっているツアーの人たちも一緒に出発するので 少し待つことになりました。そこらへんをしばし散策していると、何か可愛いものがいるではありませんか。 ロシア語ではСуслик(スースリク)、日本語では地リスと言うそうです。実は出発前日の夜にロシアの旅行番組орёл и решка(この時に日本に来ていたあの番組です)のカムチャッカ編をyoutubeで見て予習していたのですが、その中で「山にはナッツを持って行きましょう、可愛いのが来ますよ」と教えてくれていました。そのことをすっかり忘れていて手ぶらで来てしまった私たち。周りではパンをあげている人もいましたが、パンすら持っていません。諦めるしかないかと思っていると、旦那が餌を持っているふりをして近づいて行きました。なんて卑怯な…。鬼の所業です。信じてしまったリスは旦那の方に近づいてきたので、彼はこんな写真を撮っていました。 騙したことをリスに謝って、その場を離れたところで後発隊がやって来ました。 いよいよ始まります。

しばらく進むと、看板が立っていました。「ここより先はガイドと一緒でないと立ち入り禁止」…結構危ないところなの?そこまでは普通の茶色い(少し黒い)土の上を歩いていたのですが、少し先を見ると地面が白くなっています。 旦那と何度か「予定のメールや昨日の電話で、特別な装備で来てくださいって実は言われたんやない?」「いや『普通の状態で、普通の服でいい』って書いてあったで」「カムチャッカの普通って何か分からん」という会話をしました。ガイドさんの服装を見ると大抵は動きやすい服に登山靴なのですが、一人だけサンダルで来ている人がいました。少し安心しそうになって「いやあっちはプロや」と思い出します。

雪の上をザクザクと歩いていると(冬のモスクワを思い出しました)、突然全体が止まりました。なんと目の前には 大きな亀裂(クレバス)が走っています。かなり注意しながら覗き込むと、底が見えません。そこから冷やされた空気が湯気のように上がっていました。ジャンプしてもギリギリ届かないくらい間が空いています。ガイドさんが「ここで待っていて」と言い置いて、クレバスに従って歩きながらジャンプできそうな場所を探し始めました。こんな命の危険を感じる散歩は初めてです。

2、3分後、ガイドさんに呼ばれました。始めにガイドさんと若い男性がジャンプし、後から来る女性に手を貸していました(男性は自力で頑張れ、とのことです)。全員が渡りきり、いよいよラクダ山を目指します。直前の説明で、ラクダ山の周りをぐるっと回りますよ、と言われていたのを途中まで信じていましたが 周りがこのような景色になって来て疑い始めました。これ登ってるのでは…。

右手に見えるアバチンスキー山の山麓にある氷河の上を歩く3人の姿を眺めていると、気がつけば私が歩いている道は一人がやっと歩ける幅になっていました。一歩踏み外すと下まで転がり落ちそうです。命の危険を感じます(本日2回目)。 先ほどの疑惑がこの辺りで確信に変わりました。ああ、これ登ってるわ。確かにラクダ山の周りを一周しながら少しずつ高度が上がっています。ちなみに前の写真で前に写っている、山には違和感のある格好をしているのがシティボーイの旦那です。

そういえば、同じ車に小さい女の子が乗っていたのです。後ろから「いーやー(ロシア語ではНеееет(ニェーーーット)」と聞こえていて、まさかこんなところに来るとは思っていなかっただろうなあと思わず共感しました。私より二人くらい後ろを歩いていた大柄のおばさんが「休憩しましょう!みんなもう限界よ!」と叫んだので、急な斜面で休憩することに。いつ足を滑らせるかわからないスリルの中、体が休まったかは分かりませんが、また出発し始めました。

そこから30分ほどでラクダ山のふたこぶの間に到着。 絶景です。この景色を見ただけで、先ほどまでの辛さやスリルはどこかへ行ってしまい、来てよかったと言う思いでいっぱいになりました。単純です。

しばし皆で写真撮影などをしていると、近くに先ほどの女の子を連れた家族がいました。思わず「可愛いですね!何歳ですか?」と聞くと「4歳なんです」と返って来るではありませんか。4歳でこの山に登っているの!私たちも負けないように頑張らねばなりません。 …先ずはここから降りるか。

Пока!

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