馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

ヤロスラフ宮廷跡と市場

Привет!

昨日からうちのクラスに新しい生徒が来て、フランス人二人、イギリス人(育ちはフランス)、イタリア人(大学はフランス)、日本人(生まれも育ちも日本)の5人で勉強しています。そろそろ本気でフランス語を始めるか迷ってきました。音は綺麗なんだけどなー自分が話しているところが想像つきません。

さて、まだまだノブゴロド編を続けたいと思います。クレムリンは通り抜けられるようになっていて、駅やホテルのある方から入ってまっすぐ進むとそのまま川へ出ます。 ヴォルホフ川です。今回泊まったホテルの名前にもなっているこの川は、ノブゴロドの街を二分しています。クレムリンがない側には、修道院や宮廷跡などが点在していました。

時間もあったので、ゆっくり歩きながらヴォルホフ川に架かる橋を渡ります。途中、おそらく近くの大学か高校で卒業式があったらしく、着飾った少年少女がたくさん歩いていました。可愛いなあ…と見ていると、突然「一緒に写真を撮ってください!」と言われてなぜかドレスの子たちに囲まれて一緒にフレームに収まりました。街にはびっくりするくらいアジアの人がいなかったので、珍しかったからかと思いましたが、見ているとその子達は次から次へと通行人に声をかけて写真を撮っています。…100人と写真を撮らないと帰れないとかかしら。

橋を渡りきると、 これまで見た中で一番教会がぎゅっと一箇所に集まっています。中世にが市場が開かれたこの土地ではかつてヤロスラフ賢帝の宮廷があったので「ヤロスラフ宮廷跡と市場」という名前で世界遺産に登録されています。今では12〜17世紀に作られた7つの教会がここに含まれているそうです。ほとんどは白い壁をしているのですが、1つだけ赤いレンガ造りで目立っている教会がありました。おそらくもともとは他の教会と同じように白い壁だったのが、年月を経て漆喰が剥がれ、中のレンガが見えているという感じです。なかなか興味を惹かれるのですが、よく見たらピサの斜塔のように少し斜めになっている気がします。他の観光客と一緒になって遠巻きにその教会を見たり写真を撮ったりしていた時です。どこからか現れたおばさんが、教会のドアについていた重そうな鍵を開け、入っていくではありませんか。しかもしばらく出てきません。おそらくあの人は休憩を終えた係りの人やな。 これは中に入れてもらえそうだ…と3人で重いドアを開けました。入るとやはりチケットブースがあり、一人50p(100円)だと言われました。チケットを受け取ると「まず横に階段があるからそこを登って二階から見てくださいね」と順路の説明を受けます。

それにしても、これまでたくさんロシア正教の教会や聖堂へ行きましたが、一番殺風景な内装です。おそらく昔は他の教会と同じく壁一面にフレスコ画が描かれていたのだろうと想像しながら見渡します。天井付近にかろうじてフレスコ画が残っていました。 ほんとうに「かろうじて」真ん中上部に絵が見えると思います。そして他の部分から、この教会の特異さが感じていただけますでしょうか。ここまで古くなるということは、相当歴史がある建物なんだろうとその場でガイドブックの地図からこの教会の名前を割り出して調べてみました。パラスケヴァ・ピャトニツァ教会と呼ばれるこの教会が建てられたのは1207年。いや、十分古いんですが、さっきまで1040年付近の教会を見ていたので「いやいやソフィア大聖堂よりは150年以上後やん。何がどうなったらこんなボロボロになるねん」と突っ込まずにはいられませんでした。

さて、気を取り直して係りのおばさんに言われた階段を探します。教会で二階に登ってもいいよ、というのは初めてだったのでワクワクしながらあちこち見て回りますが、なかなか見つかりません。おばさんに言われた順路は二階からだったのに、一階をほぼ見終わるのではないかというころ、やっと見つけました。 え、これ登るの…?

段の高さが違う、一人分の幅しかない、手すりのない階段に手こずりながらなんとか登りきりました。相変わらず漆喰の禿げた壁をに囲まれたロフトのようなところに出ます。 何に使われたのか想像ができないのですが、説明書いて欲しいなー。

そこから見下ろすと、柱を支える梁の部分にたくさんのコインが乗っていました。噴水などに投げ込まれているのと同じようなものでしょう。ただ、梁の部分の許容範囲が狭いのでここからコインを投げて梁に乗せられたら願い事が叶う、と勝手に決めて私たちもトライしてみました。 全然成功せずに地面にコインが落ちる音ばかり響いて、おばさんに笑われていそうなので途中で諦めました。難しいな。

慣れてくると、この朽ちかけた教会も居心地が良くなってきます。結局私たちは20分近くそこでゆっくりしていました。それにしてもこの国にはファンタジー好きの心を満足させてくれるような建物が多いです。想像力が鍛えられます。

他の教会も中に入れたのですが、定休日のところもあったり、少し疲れてきたこともあってクレムリンの方へ戻ることにしました。 対岸からクレムリンを臨んだ図。のどかで美しい景色でした!いい天気なのでクルージングできたら気持ちいいだろうなあ。

Пока!

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