馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

貴重な経験

Привет!

昨日で180記事書いていたことに投稿してから気がつきました。そして同時にはてなブログからメールが届き、このブログを開設してからちょうど半年が過ぎたことを知りました。いつも訪問いただき、そして読んでいただきありがとうございます。これからも見たこと、聞いたこと、感じたことを綴っていくので、お付き合い願います。

さて、半年住むとこちらでの友人も増えてきて、お宅にお呼ばれすることが多くなってきました。日本人のお家であればモスクワにいることも忘れておしゃべりに花が咲きます。そういった時間を過ごすと、やはり自分の心の拠り所となる場所や人たちがいるのは幸せだなあ、私は日本人なんだと実感します。

しかし、またロシア人や他の国から来ている人たちと同じテーブルを囲んでも、違う意味で自分が日本人だと痛感するのです。この前、そんなことが2日続けてありました。1日目はロシア人と日本人のご夫婦のお家にお邪魔させてもらいました。ご主人の趣味の一つが狩りだそうで(もちろん許可を得ています)、自分で狩ったトナカイを食べに来ないか、というお誘いでした。

ポテトと共に蒸し焼きにしたトナカイ。正直昔フィンランドで食べた時は臭みが強くてなかなかしんどかったのですが、これは臭みがほとんどなく美味しかったです。牛肉みたいでした。市場に出ていない肉をいただくのは初めてで少し緊張しました。おそらく日本ではなかなかできない経験なのではないかと思います。他にも一緒にロシアの伝統的なサラダとシー(スープ)も出してもらいました。サラダは作り方を聞いたので今度作ってみようと思います。 ロシアの甘いお酒。はちみつが入っているそうです。美味しかったのでまた探します。

そして次の日は、語学学校でクラスメイトだったパキスタン人のSさんのお家でランチをいただきました。彼の奥さんはヨーロッパの人で、彼自身もフランスの大学に通っていたことがあり、そこで級友だった日本育ちのアメリカ人ご夫婦も招くので是非、とのことでした。私の英語を話す力が著しく落ちていて、かなり自己嫌悪に陥りましたが、みなさんが親日家で色々尋ねてくれたり、ゆっくり話すのを待ってくれたりしたのでかなり救われました。なんといってもテーブルセッティングがIKEAのカタログで見たことあるようなオシャレさでテンションが上がります。しかし、そんな気分だったのもつかの間で、話題は自然にトランプ新大統領のことになりました。

実はアメリカ人の奥さんは移民とアメリカ人のハーフだったのです。そしてSさんもパキスタン人です。トランプ大統領が就任してからまだ1週間と少ししか経っていませんが、どんな政策をしているかはここまで届いています。しかしそれがこんな身近なところにすぐ影響が来ているとは思いもよりませんでした。印象的だったのは、Sさんの奥さんが言った「彼のスピーチは語彙が少なすぎる。それはそのまま彼の考えの足りなさを表している。そんな人が国のトップだなんて」という言葉でした。最近言葉についてよく考えるので、胸に刺さりました。

今回、思い知ったのは①自分の意見をしっかりと持つこと。とても仲のいい友人同士でも、しっかりと相手の意見を聞いた上で賛同や否定をし、自分の考えを述べていました。②自分の考えの根拠を狭めないために、色々な人と話すこと。勉強すること。そのためにも語学は必要。③そして何より、相手の国やアイデンティティを尊重すること。それをしてもらうだけで救われる気持ちがありました。

毎度毎度友人と集まる時に政治的な話をすべきだとは思いません。でも、ふっと話題がそちらに及んだ時に、きちんと話せるようになっていたい、相手の考えをしっかりと受け止めたい、と思いました。

Пока!

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