馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

受験当日(前半)

Привет!

さっきまで晴れていたと思ったら突然大粒の雨が降ったりやんだり、なかなか読めない天気が続いています。しかも気温はそんなに高くありません。せっかく一日が長いのになあ。

さて、ほとんどの検定試験では申し込みをしなければ、当日に行っても受けることはできません。ТРКИももちろん例に漏れず、自分が行きたい会場のホームページに書かれている申し込み方法に従わなければなりません。私が行ったプーシキン国立ロシア語大学(Государственный Институт русского языка и.м. Пушкина)のホームページによると、試験の前日までに電話して受験したい旨を伝える、とのこと。前日でいいの?ということで、1週間ほど前に電話してみましたがなかなか繋がりません。結局、1時過ぎから4時くらいの間のみ電話に出ると決めているようでした。ようやく繋がったn回目、繋がったことにホッとしながら「何月何日に試験受けたいです」というと「わかりました。10時にパスポートを持って来てください。それでは当日に」と言って切られてしまいました。…名前も聞かないんですか…?これはおそらく当日に突然行っても受けられる類の試験だったのではないかと思います。

メトロからバスに揺られていきます。住宅地の中に埋まるようにひっそりと立っている門を抜けると、キリル文字のモニュメントが無造作に置かれていました。 ちょっとギョッとします。目の前に見えている本館ではなく、その左にそびえる建物が試験会場です。

30分くらい余裕を見ていたはずなのに、モスクワ名物の渋滞に捕まったため最終的にはバスを降りて30分ほど走った私が汗だくで到着した時には、すでに受験生たちが申込書に記入をしているところでした。私も慌てて用紙を受け取り、記入を終えるとみんなで列になってぞろぞろと受験料を払うために会計まで向かいます。ここで注意なのが、支払いは現金のみということ。私の後ろにいた人はカードしか持っていなかったので本館のATMまで走らされていました。

そうこうしているうちに集合時間から1時間が経ち、やっと試験が始まります。この受験会場ではレベル毎に教室が分かれておらず、みんなで一緒に受けるので「じゃあ1の人は〇〇時まで、2は××時、3は△△時までね。あ、もう始めていいですよ」というようにゆるく始まりました。

初めは読解。問題用紙を開けてびっくり。対策の時に長文のテーマの傾向はだいたい掴んでいたのですが、それと全く違うものが出てきました。それでもマークシートなので答えは4択です。とりあえず全部埋めました。

試験終了だな、と思った時間に試験監督が教室に入ってきました。あれ、監督してなかったの?彼女は私たちに尋ねます。「今から少し休憩挟みたいですか?それともすぐ次のパートを受けますか?」全員が周りの出方をうかがって曖昧な答えを返していると「あ、じゃあ次の試験問題を配りますね」と言って手紙(ライティングの試験)が回ってきました。

この試験では2つの私的な手紙と、1つの公的な手紙を50分で書かなければいけません。公的な手紙は「一身上の都合で」などの決まった言い方が多いので、頭に残っているうちにその問題から解くことにしました。さあ、クレームの手紙か、はたまた申請書か、それともお詫びの手紙か?と思って試験問題を読んでみると「あなたはジャーナリズム科の学生です。この度新聞社での半年間に及ぶインターンを終えました。学部長にインターンでしたこと、そして学んだこと、それがどう未来に繋がるかを報告しなさい」という報告書でした。報告書の練習を全くしてこなかった上に、設定まで細かく決められています。私の持っている語彙の中でなんとか書き上げました。ほかの二つは対策通りだったのでひと安心です。

このパートが終わると、もう13時でした。試験監督に「お昼休憩にするか、試験を続けるか」と聞かれた瞬間、今度は何人かの「お昼休憩!」という声が揃ったのでようやく休憩に入ります。いつも教えてもらっている先生に「公的な手紙、報告書だった!」と報告するとすぐに返事が来ました。「何か書いた?」「もちろん」「よくできました!試験を受けるだけで偉いわ。そして合否のどちらでもあなたの人生になんら影響はないんだから」…先生、不合格になると思っていますね?

さて、残すところ3パートです。 Пока!

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ロシア語検定(ТРКИ)

Привет!

もう6月ですね!モスクワは日の出が3時50分、日の入りが21時過ぎなので一日が長く感じます。気がつけばこの日の長さを堪能するのも今回で3回目。2年前、モスクワに着いたばっかりの時にあまりに日が沈まないので驚いたのがついこの間のことのように感じますが、確実にこの街に慣れてきたことも実感します。

そんなこの2年間、ほとんどずっと週5日のペースで学校に通っていました。クラスが上がる時に簡単なテストはあるものの、 滅多なことがなければ不合格にはならないので気がつけば1番の古株で、一番上のクラスにいます。ただ、語学の常でいくら勉強しても知らない単語はあるし、聞き取れない時も多々あるし、何より話す時に流暢とは程遠いので中途半端にしかロシア語を習得できていないように常々感じていました。

そこで、だらだら続けるのではなく一つ目標を決めるのはどうかと思ったのです。そんな時一番分かりやすい目安となるのはやはり語学試験です。ロシア語の試験はいくつかありますが、私が選んだのはТРКИ(テルーカイー)というもの。単純に旦那が受けたことがあり、家に参考書があったからです。

ТРКИ とはТест по Русскому языку Как Иностранномуの頭文字をとったもので、直訳すると「外国語としてのロシア語の試験」です。Test Of English as a Foreign Languageの頭文字をとったTOEFLのロシア語版だと思っています(実際英語圏ではTORFLと略されるそうです)。TOEFLと同じで、ロシアの大学の試験を受ける上での基準になりますが、点数が出るTOEFLとは違って英検のように受けたレベルの合否がでます。

レベルは6つ。低い方から並べると ・基礎レベル(элементарный уровень)
・標準レベル(базовый уровень)
・1級(ТРКИ-1)
ロシアの大学を受験することができます
・2級(ТРКИ-2)
学士の資格を取ることができるレベル
・3級(ТРКИ-3)
プロの通訳レベル
・4級(ТРКИ-4)
ネイティブレベル

テストはどのレベルでも5つのパートから成り立っています。「会話(говорение)」「聴解(аудирование)」「語彙と文法(лексика, грамматика)」「読解(читение)」「手紙(письмо)」で、手紙は作文能力を見られるものです。

先生と相談して今回私が受けることにしたのは2級でした。私のレベルが1級と2級の間くらいだったので、せっかく準備するなら確実に合格するものではなく、挑戦しようということになったのです。その時が3月でした。友達が来たり親戚が来たり、バタバタしていたのが終わって本腰を入れて試験対策を始めたのが4月。実際の過去問を開いてみて驚きました。全然わからない。

この参考書に2回分のテストが丸ごと入っています。

まず、学校でよく長文は読んでいたので力試しと思って解いてみたのですが、語彙が足りずテーマしか分かりませんでした。文法は150問を90分で解かなければいけませんが、これも語彙が足りず、マークシートはペンを転がして埋めていく始末。ということでこの二つは語彙を増やさなければ話にならないということが分かりました。

手紙は3パートあります。試験用紙にいくつか載っている広告の中から一つ選んで友達に勧めるもの、学校や会社に出す公的な手紙(クレームやら申告書など)、そして新しく人を探しているという知り合いへ向けて、彼が出す条件に合った人を紹介するという手紙。これがなかなか大変でした。手紙の形式を覚えるのはもちろんのこと、言葉を尽くして何かを紹介することの難しさを思い知ります。

そして会話。誰かが話すことに驚いたり共感したりしながら一言返す(どの感情で答えるかは指示されます)もの、求人広告をみて電話をかけるロールプレイ、映画の1シーンを見て何が起こっていたか、どうしてそうなったと考えるかを5分ほど話すもの、あるテーマについて試験官との議論、など普段あまり使っていない語彙が求められるものが多く、先生と話せば話すほど自信を失います。即興で話すといつも以上に文法の間違いも犯します。ただ、2年間ロシア語圏から出ていないので、聴解があまり問題にならなかったのが唯一の救いでした。

試験が近づくにつれて憂鬱になっていき、2年間何をしてたのだ、と自問する日々を送りました。それでも、勉強は努力が確実に現れるというところが素晴らしいところですね。試験1週間前には文法問題の正解が増えてきました。手紙もケアレスミスはまだまだ多いものの、何を書けばいいかがパッと思い浮かぶようになりました。会話もちゃんと文章が口から出てくるようになりました。読解は一番はじめに解いた後、他のことに時間を取られて手をつけていませんでしたが、試験二日前にやってみると何が書いてあるのか理解ができるようになっていました。

先生も「すごい進歩ね!試験が二ヶ月後だったら確実に合格だわ!」と言ってくれました。試験は明後日だけど。

さあ、いよいよ試験当日です。続く。

Пока!

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魚週間

Привет!

ご無沙汰しています!大学の卒論執筆並みに勉強していました。それについてはまた後ほど。

先日、近所のペレクレストック(スーパー)の海鮮コーナーで見慣れた単語を見つけました。その名も「パンガシウス」…日本にいるときは近くのイオンでよく買って食べていました。ロシア語でも全く同じ名前で売られていたのです。しかもふた切れで80p(160円)程。 パンガシウスのムニエル、キノコソースのせ。他の白身魚に比べると身がしっかりしていて崩れにくくジューシーなので、調理もしやすい上に食べやすいという優れもの。おススメです。フライにしても最高でした。お酒によく合います。

内陸のモスクワではあまり魚の種類がなく、マグロなどは冷凍のものしか大抵手に入りませんが、先週1週間は違いました。「魚週間(рыбная неделя)」というイベントが行われたのです。 ロシア中から集められた魚たちの販売はもちろん、屋台ではその場で食べられました。赤の広場近くの革命広場にできた特設会場に足を踏み入れた瞬間、焼けた海産物の匂いが漂ってきます。シーフードが大好きなのにモスクワに住んでいる旦那と最終日の日曜日に行ったのですが、かなりの人出でした。 入った瞬間からエビやホタテなどのシャシリク(バーベキュー、通常は豚肉)を焼いていたので、思わず足を止めた旦那を引っ張って「一応一周見てから何を食べるか決めよう」と提案します。一歩進むたびに魅力的な食べ物が多すぎて、このままではお腹もぱんぱんになりそうですし、何より破産しそうです。

周りの人が食べていて美味しそうなものがありました。 揚げた小魚です。Корюшка(コリューシュカ)というこの魚は今が旬のサンクトペテルブルク産が有名な魚だそうですが、今回はサハリンのものでした。食べた瞬間…これはししゃもだ!と2人とも大はしゃぎです。一番大きい魚はなんと子持ちししゃもでした。日本にいるときはよく朝ごはんで食べていたので、懐かしい気持ちでいっぱいになります。 「イカが食べたい」と呟く旦那と次に見つけたのがこちらのバゲットに挟まれているもの。ちゃんとお手拭きも無料で置いてあります。中にはイカ以外にも、エビやマグロなどが選べました。こちらは注文してから5分後にとりにきてね、と言われたのでその間に次に食べるものを探しに行く旦那。

サンドイッチを受け取った私が彼を発見したのはフィッシュアンドチップスの列の中でした。こんなに揚げ物を食べて大丈夫でしょうか。 揚げたての魚とポテトをお皿に盛ってくれました。これで300p(600円)。魚も脂っこくなく、ポテトはカリッとしており、店員さんはイケメンで言うことがありません。

サンドイッチの方は中のドレッシングがびっくりするほど美味しかったです。もう少しでドレッシングのレシピを聞きにお店まで突撃するところでした。

ここで2人ともお腹がいっぱいになったためフードファイトは終了。販売の方を見に行きます。 子供達が釣りを楽しんでいるプールの水がどうしたらこうなるのかと言うほど汚くて驚きつつ、ショーケースに並べられた魚を見ながら歩いていると、 たこ!!たこです!一瞬買いそうになりましたが、よく値札を見ると1kg1800p(3600円)…まずモスクワの普通のスーパーでたこを目にしないのでこれが安いか高いか分かりませんでしたが、一匹何グラムか想像もつかず、買うのは諦めました。

この横にあった屋台ではないレストランスペースでは、牡蠣が一つ250p(500円)で売られていたり、モスクワにおける海産物の貴重さを改めて実感します。

青空のもと、普段はあまり食べない海の幸を堪能できて楽しい1日でした。

Пока!

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中央市場

Привет!

三寒四温の日々が続くモスクワからこんにちは。日本も涼しいと聞いたので、これを読んでいるみなさんも体調など崩されませんように。札幌の気温を見ているとモスクワとほとんど変わらないどころかより寒いようで、ほんの2年前まで持っていた「極寒の地」というモスクワのイメージが音を立てて崩れていくようです。

時にはバケツをひっくり返したような雨が降ったかとおもえば、数時間後には何もなかったかのようにからっと晴れる、なかなか先の読めない天気が続いているのですが、晴れている5月のモスクワほど散歩に向いている場所はなかなかありません。芽吹いた緑の間から差し込む陽光のもと、どこまででも歩いて行けそうな気になるのです。

長い冬の間は行き慣れたところに向かってしまっていた足も、こんな季節は新しい場所を開拓しようとどんどん前に進みます。今回行ったのはこちら。 Центральный рынок(ツェントラリヌィ・ルイノック)、その名も中央市場です。Трубная(トゥルーブナヤ)駅を出て すぐに見えるこの建物は、地上3階、地下1階の4階建てです。

地上部分は全てレストランで、1、2階はフードコート、3階はロシア料理のレストランなのですが、実は3階については今日先生に聞いて知りました。3階があることすら気がつかなかったのです。先生曰く、エレベーターを使わないとたどり着けないそうで、そのレストランでは独自のかまどを使って調理している伝統的なロシア料理を出すそうです。なかなか良かったそうなので、機会を見つけて行ってみたいと思います。 今回私たちが行った1、2階のフードコート部分(写真のように吹き抜けになっています)は世界の料理が食べられる国際的なもの。日本はもちろん、韓国から中国、ベトナム、インド、ジョージア、ウズベキスタン、ギリシャ、イタリアにフランス菓子まで食べられます。

日本料理に関しては1階に「東京」という寿司屋さんが、2階に「ウミ」という寿司と牡蠣のお店がはいっていました(先生曰くウミの方が美味しいそう)。ただこの日の気分が寿司ではなかったので別のお店へ。

辛いものが苦手なくせにナンが好きなので日本ではよく近所のインドカレー屋さんに通っていたのですが、モスクワに来てから一度も食べていなかったのを思い出して二階にあるインド料理のお店に決めました。 ここはおそらく手前と奥でお店が分かれていたのですが、気がつかずに奥のお店で注文をします。レジ横にかかっていた黒板に「タンドリー」「バターチキンマサラ」と英語で書いてあったのでそのまま注文したら、ご一緒にラッシーなどはいかがですか?と聞かれました。ラッシー!その言葉の響きを聴くと突然飲みたくて仕方なくなります。食いつくように「マンゴーラッシーもお願いします!」と答えた私に店員さんが「もしかしてインドに行ったことあります?」と笑顔で尋ねました。え、どうしてですか?と質問に質問で返すと「料理名をよくご存知なので」とのこと。モスクワではまだインド料理が珍しいので「マサラ」や「ラッシー」などの説明を求められるそうです。「日本ではインド料理がポピュラーなんですよ」と返すと納得してくれました。 こちらがそのバターチキンマサラ。注文するときに確認すると「少し辛いです」と言われていたのですが、全く辛くありませんでした。むしろバターが香り高く美味しい、と思わず呟いてしまうほど。ラッシーの方は…どちらかというとミックスジュースでした。言われたらマンゴーの味がかすかにするような、ヨーグルトの風味も残っているような、というくらいで、少し思っていたものと違いましたが、もしかしたら本場はこうなのかもしれません。 こちらはタンドリー。ナンの上にチキンがのせられていて、左に行くほど辛くなっていく4種類のスパイスが付いてきました。ナンは少し生地が薄めでしたが、紛れもなくナンでした。カレーに合います。

食べながらインド料理屋さんの向かいにある「ウミ」を見ていると、見覚えのある形が目に入りました。 日本地図やん!食べ終わってから確認しにいくと県境もちゃんと書かれていて、県庁所在地にはマークが付いている、珍しくちゃんとした日本地図でした。ここは信用できます。

少し楽しみにしていた地下の市場はあまり物がなく、ほかの市場に比べるとかなり小規模でした。 でも魚の水槽は綺麗です。「中央市場」というより「中央フードコート」という感じでしたがこんなに多国籍のフードコートは見ているだけで楽しいのでおススメスポットです。

Пока!

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時計の修理

Привет!

毎日20度超えの暑い日が続いています。確か去年の今頃に雪が降ったことを思うと、去年がどれほど異常気象だったのか分かりますね。それはみんなビックリするはずです。

さて、旦那はあまり腕時計をつけない人なのですが、去年10月の彼の誕生日前に突然「時計が欲しいなあ」と言い始めたので、誕生日プレゼントとしてあげました。 ロシアの「OKAMI」という若いブランドです。ブランド名を見た時に「おおかみ…?」となったのですが、それもそのはず、日本の技術を使っているのが売りのブランドだそうです。文字盤のところに夜か昼かを示す表示が出てくるのに一目惚れして買ったら、まさかの日本とも関わりがあるものでした。精密機器に対する信用は相変わらずありますね。

旦那は喜んでつけてくれていたのですが、今回ばかりはつけていたからこそ悲劇が起きました。1月末に行ったジョージアで念願の温泉を堪能した後。旦那が深刻な顔で私に「謝らなきゃいけないことがある」と言ってきたのです。私は身構えました。「温泉の床に時計を落として、ガラスが割れてしまった」…見てみると、おそらく地面に当たったであろうところから放射線状にヒビが入り、内側にもガラスが落ちてしまっているため時計の針も動いていない様子でした。写真に撮り忘れたのが悔やまれます。それにしてもわずか二ヶ月ほどの命でした。

それからしばらくはバタバタしていたので何もできず、四ヶ月ほどしてやっと修理に出せるか聞いてみる気持ちになりました。

街中には時々こんな感じで 時計の修理工が店を出しています。Ремонт часовというのが「時計修理」です。このお店は他にも鍵の作成やアクセサリーの修理などもしているようです。ここの人に時計を見せながら「このガラスの部分って交換可能ですか?」と聞いてみました。彼は少し見てから「これは今すぐできないのでお預かりする形になりますがいいですか?明日か明後日…あ、明後日は祝日(戦勝記念日)なので休暇が終わった頃に仕上げておきますよ。費用ですか?1500p(3000円)でどうでしょう。大丈夫ですか。では、ここに電話番号を書いておいてください。出来たらお電話します」と流れるようなやり取りで修理をしてもらうことが決まりました。電話番号の下には合意した「1500p」というメモも書いてくれます。

この話を次の日学校で先生に話すと「あ、息子のお気に入りの腕時計も電池が切れてるんだけど、そんなお店がうちの周りで見つけられないの。もし良かったら行ってきてもらえない?」と言われました。はじめてのおつかい。この前頼んだところに行こうと思って、戦勝記念日の次の日に行ってみると「週末までおやすみします」という張り紙がでていました。休暇ってこの人の休暇か。

仕方がないので近くのショッピングセンターに出ているブースでお願いすることにしましょう。 ここは「時計修理」の下に「電池交換」と書いてあります。ここは一軒目ほど設備が整っていませんが、基本的なことであればすぐにやってくれそうです。案の定、先生の息子さんの時計を見せると、ものの1分で電池を交換してくれました。しかも先に350p(700円)だけどいいですか?と聞いてくれます。モスクワにおけるサービスの向上が著しいです。

そして日曜日、今度は旦那の方の時計修理ができたと電話がかかってきました。ちょうど私の手が離せなかったので旦那に代わりに対応してもらうと「来店されたのは女性だったのですが…」と明らかに戸惑っていたそうです。すみません。

次の日取りに行くと、1枚めのような綺麗な状態の時計が出てきました。もう 直らないかと思っていたので感激です。

街中を見ているとこのРемонт(レモント=修理)という看板をよく目にします。少しくらい壊れても直して長く使えるのはいいですね。旦那にも大切にしてもらいたいと思います。

Пока!

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ボリショイ劇場新館

Привет!

今日から1週間雨が続くそうで、少し暗い空に塞ぎ込みそうになるのを、色々な楽しいことを思い浮かべて吹き飛ばしたいです。またモスクワでは一部地域からお湯の供給がストップしはじめました。お住いの方はこちらのサイトに住所を入れるといつから止まるか教えてくれますよ。昨日のニュースで大量にお湯を貯めるための桶が売れていると言っていました。この迷惑な年間行事は何世紀まで続くのでしょうか。

さて、先日友人に誘っていただいて、ボリショイ劇場新館に行ってまいりました。 ボリショイ劇場本館の正面から見て左手にある階段を少し登ったところにあるこの新館は、2002年に建てられました。2005年から6年ほど続いた本館の改修工事の際には主にこちらで上演されていたそうです。

今回誘ってもらったのはバレエ「コッペリア」。初めて見る演目なのでテンションも上がります。

入ってすぐのクローク前のスペースは本館よりも広くなっていました。落ち着いた色合いで、近代的なデザインというよりは本館のようなクラシックなデザインなので私は好みです。やっぱりボリショイに来た!という感じが出ます。

本館に比べると少し価格帯も低めに設定されているので、見に行きやすいかと思います。劇場自体も本館より小規模なので、どの席に座っても舞台が近いのです。例えば3階の端の方の席でもこの近さ。 それでいてバレリーナたちのクオリティはやはりボリショイなので高い、というとてもいい劇場体験でした。

劇場の天井も綺麗です。

「コッペリア」というお話は適度にまとまっていて、楽しく見られる演目でした。お昼の回だということもあってか、チケットには「12歳以上」と書いてあるものの小さいお子さんもたくさん来ていました。これも新館だからこそかな、と思います。それにしてもみんな静かに見ているので驚いてしまいます。

「コッペリア」というのはある人形職人が作り出した女の子の人形です。あまりにも人間そっくりに作り出したので、同じ村に住む人たちは彼女が人形だということを知りません。ある日、村人の青年、フランツが彼女に恋をしたことからお話が始まります。フランツには恋人、スワルニダがいたのです。彼女がコッペリアにやきもちを焼いている時、人形職人が自分の家の鍵を落としたのを見つけ、好奇心から友達と家に侵入することにしたスワルニダ。家の中でコッペリアが人形だということに気がつきます。そこに人形職人が帰ってきました。友人たちは追い出されますが、スワルニダはなんとか隠れ切ります。そこにフランツもコッペリア会いたさに侵入してくるのです。人形職人はフランツを酔わせ、彼の魂を抜き出して人形に植え付けようとしますが、そんな人形職人の悪巧みを目撃したスワルニダがコッペリアのフリをしてなんとか阻止しようと奮闘する、というドタバタなお話。

バレリーナたちが人形も演じているのですが、指一本動かさないので思わずこちらも息を飲んで見てしまいます。しかし一度動き出すと、そのコミカルな動きで観客から笑いが漏れます。とても暖かな劇場内の雰囲気が素敵でした。 ポーランドを舞台にしているのでそれぞれの衣装も可愛く、ずっと見ていたくなります。幕が降りた後もしばらく拍手が鳴り止まなかったので、フランツとスワルニダは何度も出てきてくれました。

ボリショイ劇場の本館は少し敷居が高いなあと思っている方は、新館の方から楽しんで見るのもおススメです。

Пока!

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ロシアのクイズ番組

Привет!

また用事で植物園の近くに来たので、園に面したイワンチャイ(ロシアのシベリアのお茶)のカフェでお茶を飲んでいると、カフェの窓越しに園内にいる人から何やら話しかけられました。口の動きだけでその人の言いたいことを読み取れるようなロシア語力はないので(日本語でも難しい)戸惑っていたら、それを察知したのか「まあいいや」とでも言いたいようなジェスチャーをされてしまって申し訳ない気持ちで座っています。

今日は最近よく見ているクイズ番組を紹介しようと思います。THT(読み方は「てー・えぬ・てー」)というテレビ局ではコメディの時間が毎日あり、新喜劇のような寸劇の番組や、スタンドアップコメディの番組、その場で考える即興劇など毎日色々な番組が笑わせてくれます。ただやはり、これらはかなりの語学力が必要なので私はいつも一緒に考えられるクイズ番組を好んで見ています。

例えば、この「Где логика?(論理を見つけられる?)」 写真は公式ホームページより。 アズマット・ムサガリエフさんという俳優でありコメディアンである人が司会をするこの番組。毎回2人一組のゲストを呼んで、二組が早押しクイズで競い合います。クイズの内容はシルエットを見ながらどの有名人のものかを当てるもの、低クオリティのアニメをみて、それがなんの映画を表しているのかを当てるクイズ、など色々とありますが私が好きなのは「共通点は?」というコーナーです。

例えばこちら。 この三枚の写真を見て、それぞれが表しているものの共通点を見つけてみてください。

私は基本考えても分からないのですが、これに関しては司会者が1枚目の画像を「チリ」と呼んだ時に思いつきました。真ん中の写真はイギリスのエリザベス「女王」ですよね。三枚目は昆虫…というかこの場合は「甲虫」です。分かりましたか?

答えは「ロック・グループ」です。1枚目が表しているのは「レッドホット・チリ・ペッパーズ」、2枚目は「クイーン」、3枚目は「ビートルズ」です。

中には、答えが分かっても日本人からすると納得できないものもあります。ロシアの文化的な知識が必要なものです。 1枚目はロシアで一番有名な現代美術「黒の正方形」、2枚目は茄子、3枚目は「赤い旗」ですね。出演者の答えを言っても、Игра(イグラ=遊び)と聞こえて納得できなかったので先生に聞いてみました。するとしばらく考えた後「それ、イクラじゃない??ほら、黒いイクラ(キャビア)、茄子のイクラ、赤いイクラ(所謂いくらです)で意味が通じるでしょ!」…本当だ!と即座に理解できたのはロシアに住んでいるからかもしれません。 ロシアのスーパーでは野菜をペースト状にしたものが「イクラ」という名前で売られているのです。

余談ですが、1枚目の写真の絵画はロシアで一番高額なものだそうです。「黒」を表す時にあの絵を使うのか、と興味深く感じました。

この番組の司会者、アズマットさんはアストラハンというロシアの南、中央アジアに接した地方の出身だからか、顔立ちはヨーロッパというよりアジアのそれです。THTには他の番組にもよく登場されますが、ヨーロッパ系の人たちの中で彼だけはすぐに分かります。

まだまだロシアの有名人には明るくないですが、お気に入りの人を見つけるとそれだけでテレビを見るのが楽しくなるのでおススメです。リスニングの成績にも顕著に表れます。もう一つ、好きなクイズ番組があるので、また機会を見つけて紹介しますね。

Пока!

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