馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

正教のクリスマス

メリークリスマス!

今更…ではありません。今日はロシア正教会のクリスマスで、ロシアでは今日もまだ街中に「ジングルベル」やら「All I want for Christmas is you」やら、それロシアのクリスマスソングやらが流れ続けているのです。12月25日は本当に何もせず、街を歩いていても平日と変わらなかったのですが(新年のお祝いがあるので楽しい雰囲気ではあります)、昨日今日はイベントも多く、人もあふれています。

つい先ほど2ヶ月近くぶりに太陽をこの目で見ることができ(本当はダメですが、思わず太陽の丸い形を見てしまいました)、慌てて旦那を誘って外に出たら雹が降ってきました。何故だ。

ということで、クリスマスイブの昨日は私がロシア語を勉強し始めたときのクラスメイトだったNくんがモスクワに遊びに来ていたので、当時の先生と3人でカフェに行きました。そこで先生が「クリスマスだからこれ飲まなきゃ!」と(勝手に)頼んだのがホットワイン。 お昼から…と思いましたが、クリスマスに飲む伝統だそうで、周りもみんな飲んでいました。りんごやシナモンなどが入っています。

そして夜は友人のお家でクリスマスパーティーに呼ばれました。そこでもホットワインをお鍋で作って出してくれたのです。ここには切ったオレンジが入っていました。普通のワインより飲みやすかったです。そして「クリスマスの伝統的な食事」として作ってくれたのが、кутья(кутяとも。クーチャと読みます)。これは蜂蜜入りの水で炊いた甘いご飯に、ドライフルーツやケシの実、くるみなどを混ぜたものです。甘いご飯には少し抵抗がありましたが、とてもロシアっぽいなあと思いました。

そしてクリスマス当日の今日。トベルスカヤ通りの広場でやっているクリスマスのイベントを見に行きました。ヨーロッパのクリスマスグッズを扱っているお店の中で、伝統的なお菓子を売っているところがあったので買いたかったのです。 まずはこちら、шакотис(シャコティス)。写真の下の方に見えているものです。リトアニアやポーランドで食べられるお菓子です。ウィキペディアによると小麦粉1kgに30から50個の卵を使います。それらで作ったメレンゲ生地を回しながらかまどで焼き、垂れた生地が固まってクリスマスツリーのようになった可愛いお菓子。私たちが見ているときにも焼いていました。 固まり切らずに垂れてしまった生地を集めては上からかける、というのを繰り返していました。たいへんそう。

その斜め向かいで売っていたのは「трдельник(トゥルジェリニク)というもの。どんなものか調べるためにウィキペディアを見てみたら「伝統的なлакомствоで…」と書いてあります。лакомство という言葉を知らなかったので調べると「美味しいもの」という意味でした。ステキな単語!これは中央ヨーロッパの国々で食べられているもので、起源はチェコやスロバキアあたりだそう。小麦粉と卵で作った生地を木や鉄の棒に渦巻き状に巻いて焼くものです。 お好みで周りのチョコレートスプレーやクルミなどのトッピングもOK。みんな美味しそうにたべていました。

聖堂では昨日の夜からクリスマスのコンサートをやっていたそう。また機会があれば見てみたいです。

Пока!

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びっくりしたこと⑥

Привет!

昨日たまたまディズニーチャンネルをつけたら映画「ルドルフとイッパイアッテナ」を放送していて、我が目を疑いました。ジブリだったら有名だしわかるけど、ルドルフもするのか…!久しぶりに日本の街並みや標識を目にして嬉しくなります。完全吹き替えで、日本語は全く聞こえませんでしたが、それはそれで楽しく見ることができました。子供向けだから分かりやすいロシア語だったこともありますが。「イッパイアッテナ」という猫の名前は、ルドルフに名前を聞かれた時に「(色んなところで色んな風に呼ばれているから)名前はいっぱいあってな」というセリフから来ているのですが、ロシア語では「их миллионов(イフ ミリオノフ:それらは沢山ある)」となっていました。また、イッパイアッテナがひらがなや漢字を覚えるシーンでは、一瞬だけ「い」という字がうつったかと思うとロシア語の「и」になっていたり、画面いっぱいにイッパイアッテナが覚えた日本語の文字が表示される中にキリル文字が混じっていたり、色々と工夫されていました。各国版を比べてみたら面白そうです。

本当にモスクワでは日本のものがさらっと出てくるのでびっくりします。近頃は普通のスーパーにもオムツや洗剤以外の日本製品(あるいは日本のもの)が増えてきました。去年の末にびっくりしたのはこちら。 梅酒!う!め!しゅ!9ヶ月前、サンクトペテルブルクのラーメン屋さんで梅酒が珍しいからと頼んだのがはるか昔に感じられます。ちょっと高いので書いませんでしたが(下の表示を二倍して円換算してください)、この流れでチューハイが来ないかなと今から夢見ています。それにしてもこのアルコール大国(最近は違うけど)にしては梅酒の導入が遅かった印象です。

そして昨日発見したのは、これ (動揺して写真がぶれてすみません) Япония: натуральный УМАМИ(日本:自然のうまみ)。旨味がそのままロシア語でもУМАМИと書いてあるところからもう面白かったのですが、その下には「分かりやすい味をつけたい人にオススメ」と書いてあります。分かりやすい味…?味の素みたいなものでしょうか。これまで実家から荷物を送ってもらう時も、友達が日本から遊びにきたときに手土産としてくれる時も味の素は常にそこにいましたが、これがあればもう日本から輸入する必要もないかもしれません。この日は洋食の予定だったので買いませんでしたが、今度是非試してみようと思います。

同じ棚には蕎麦や米麺もあり、 これで年越し蕎麦すればよかった…と後悔しました。バタバタしていて蕎麦のことをすっかり忘れてしまっていたのです。あとはここに味噌が来たらもう言うことはありませんが…流石に求めすぎでしょうか。

それにしても、私がこちらにきてからの一年半ほどで、モスクワはかなり変わったなあという印象を持ちます。もっと長いスパンで見ると本当に違う街みたいだという話も聞きますが、あながち大げさでもなさそうです。これからモスクワはどんな街になっていくのか、楽しみだと思った瞬間でした。

Пока!

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水曜日のヴェルニサージュ市場

Привет!

朝起きて、雪が積もっているのを見て嬉しくなった1月5日です。皆さまいかがお過ごしでしょうか。思えば、去年の今頃は-25度やなんやと大騒ぎしており、今年の0度と考えると25度も差があるのか…とあまりの気温の変化に驚いています。

そんな中、着ぐるみは暖かいのか、モスクワの中心地近くにあるハリストス大聖堂に「くまのプーさん(ディズニーの方)」が現れ、観光客と写真を撮ってはお金をせびったそうです。ニュースでは「私たちの知っているプーさんではないようです」と言っていました。旧アルバート通りだけではなく、聖堂にもあの怖い着ぐるみが出るのか…そういえばこの間トベルスカヤ通りでも遭遇しました。モスクワ内の安息の地がどんどん減っていきます。

プーさんといえば、ずっと欲しかったロシア版プーさんグッズをやっと買えました!中に重りがついていて、ぽてぽてと歩きます。夏にサンクトペテルブルクで見かけ、秋には赤の広場で見かけたのですが800p(1600円)もしたのでなかなか手が出なかったのです。

今回買ったのはヴェルニサージュ市場。はじめに行ってからというもの、モスクワに来てくれた友人や家族を週末によく連れて行っていたのですが、今回初めて平日に行ってみました。毎日開いているという話も水曜日と週末しか開いていないという話も聞くので、とりあえず間違いなく開いている水曜日に。

そこは週末の個人観光客向けとは出しているお店も出し方も全く違っていて面白かったです。主に業者やモスクワ市内のお土産物屋さんが買い付けにくるので、大量購入が前提なのです。べレスタ(白樺の皮細工)もこんな風に並んでいました。 ここから掘り出しものを見つけるのが楽しい!また心なしか値段も週末より安かった気がします。

もう一つの特徴は、マトリョーシカ屋さんが少ないこと。週末はこれでもかとマトリョーシカ屋さんが軒を並べ、ある友人に言わせると「マトリョーシカ酔い」までするほどですが、多種多様なお店が並んでいました。可愛かったのはガラス細工のお店。ちょうどクリスマス時期だったので、ツリーの飾りがたくさんです。 だいたい一つ200pから。左端にいる青い服を着た女の子はロシアのサンタさんの孫娘にして助手、スネグラーチカです。手作りで表情が一つ一つ違ったので、よく吟味して一つ買いました。

また、絵付け師さんのための木細工も溢れるくらいあります。絵付けされる前のマトリョーシカに、大きなスプーン、木箱、おもちゃ…絵心があれば楽しそうですが、いかんせん私の才能は壊滅的なので見るだけに留めました。 木のおもちゃのお店。

もちろん休日にはみたことがないような、絵付けされた木製品もあります。あるお店であまりの可愛さに足が止まり、値段を聞くと安くて思わず即決してしまったのがこの二つ。

左は鍵をかけるもので、この絵柄はロシアの伝統的な田舎のお家だそう。このお家はヨーロッパ的な図柄のものもあり、それぞれカラフルで選んでいてい楽しかったです。100p(200円)。

右はトイレ型の貯金箱。ドアを開けるとちゃんと便器があります。昔のロシアでは家の外にトイレが独立していたそう(鍵かけの図柄では右端にありますね)。ドアの上に書いてあるのはденьги не пахнут(お金は臭わない)。これはよくロシアで使われることわざ(とお店のおじさんは言っていました)で、お金の出所はどうでもいい、という意味だそうです。これが貯金箱に書かれているのも、トイレに「臭わない」と書かれているのも面白いです。

ちなみにドア部分に書いてあるのはздесь сбываются мечты (ここで夢が叶う)。貯金して何に使うか夢が膨らみますね。

マトリョーシカだけではない、ちょっと変わったお土産が沢山の水曜日のヴェルニサージュでした。またシーズンが変わったら商品も変わると思うので、ちょくちょくみに行こうと思います。

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赤の広場でスケート

Привет!

雪がほとんどないモスクワのお正月はなんだか変な感じです。去年の今頃はカザンで-18度を経験して泣きそうになっていたのが遠い昔に感じられます。

25日は人が多すぎてできなかったスケートですが、プルシェンコのアイスショー前に再挑戦することにしました。自分たちでやってみてからプロの滑りを見たほうが感動できる気がしたのです。

まずはモスクワで一番広いゴーリキー公園へ。スケートリンクがあると聞いていたので、15時くらいに行って1時間くらい滑るくらいの計画で行ってみると「15:00-17:00まで閉めます」と書いてあるではありませんか。なんで2時間も!待っているとショーに遅れそうだったので、ここでスケートをすることは諦めました。ちなみに私たちのように前もって調べない人のためにもう一つ情報を書いておきます。月曜日が定休日です。 2018年の目標は事前準備をしっかり、にしようと思いました。

でももうスケートをする気満々で手袋と帽子をつけ、ズボンの下にヒートテックも履いてきたのです。このままおめおめとスケートをせずにスケートを見に行くわけには行きません。ということで、赤の広場へリベンジしに行きました。 後ろに光っているのがグム百貨店。この赤の広場のスケート場は「グムのスケートリンク」という名前です。

平日の16:00まではリンク代が無料とは知りつつ、着いたらもう15:20だったので16:00からの回のチケットを買います。他の場所は「午前中」「午後」のようにざっくり時間帯が決められていますが(ゴーリキー公園は15:00前と17:00以降)、ここ赤の広場では1時間ずつ区切られているのです。そしてその後30分は休憩時間。つまり14:30-15:30の回が終わった後、30分の休憩を挟んで16:00-17:00の回が始まるのです。チケット売り場にはかなり長い列ができていました。次が私たちの番、という時になって横からおばあさんが割り込んできます。彼女は「16:00までの無料チケットを手に入れなきゃ行けないから、先行かせて!」と私たちが了承する暇もなくチケット売り場のお姉さんに話しかけていました。しかし時は15:35。お姉さんに「今休憩時間だからもう無理ですよ」と冷たくあしらわれていました。「明日は?明日もやってる?」と食い下がるおばあさん。そんなに無料がいいか…。

リンク代は1時間400p(800円)、スケート靴のレンタルは300p(600円)でした。 チケットを手に入れ、今度は入場口に並びます。

16:00の10分前にゲートが開きました。スケート靴を持っている人も多いので、できるだけ早くレンタルの小屋にある荷物や靴を預けられる無料ロッカーを押さえておいた方がいいと思います。またレンタルする時は補償金として一人2000pを一時的に払わなければなりません(返す時にお金は帰ってきます)。パスポートは不可とのことだったので、お金の用意を忘れずに。

他のスケートリンクと比べると小さめでしたが、今シーズン初スケートにはちょうどいいサイズ感でした。何しろロケーションが良いのです。 歴史博物館やクレムリン、ワシリー寺院を見ながら滑ることができるのはロシアでもここだけ!ついでに観光客にめっちゃみられます。スターになった気分です。

スケートなのに社交ダンスをしているカップルや、真ん中でスピンを決める小さな女の子、スピードスケートでもしているのかというようなスリルを求める若者など色々な人がいますが、とても楽しかったです。ずっとクリスマスソングが流れているのもロマンチックでした。

場内には子供用のサポートがたくさん用意されており これに掴まって滑る子供達が本当に可愛いく、私もこれを使いたくなりました(身長的に不格好になること請け合い)。

1時間経つ前に体力の限界が来てギブアップ。混み合う前にスケート靴を返し、会場を出ようとすると、入る時に使ったチケットをゲートにかざさないと出られない仕様になっていました。出るときはいいやん!と思いましたが、とりあえずチケットをなくしていなくてよかったです。

少し高いですがいい思い出になりました。次はゴーリキー公園でリベンジしたいです。

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アイスショー「くるみ割り人形」

С Новым годом!
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

年越しは我が家に旦那の同僚の方々をお呼びしてみんなでプーチンの演説を聞きました。その会がお開きになった後、友人の家で朝6:00まで踊り明かした結果、元旦はほとんど寝てすごしました。今年は規則正しい生活を心がけたいです。

さて、年末に友人に誘ってもらい、アイスショーを見に行きました。

有名なフィギュアスケーター、エフゲニー・プルシェンコが2006年から取り組んでいる本人主催のアイスショーです。くるみ割り人形は去年からやっているようで、今年のショーには「くるみ割り人形2」という題名が付いていました。前日にお誘いいただいて、慌ててチケットを取りましたが、300p(600円)から4000p(8000円)のVIP席までありました。私たちは500p(1000円)の席を。いつも思ったより手軽にプロの芸術が見られるこの国はすごいなあ、と思います。

場所はメトロのプロスペクト・ミーラ駅にあるオリンピースキー。昔オリンピックの時に使われたドームです。

500pの席でもこの辺りで、とても見やすかったです。開演前でもテンションが上がる幕が降りていました。

19:00開演の予定が、実際始まったのは19:30前というロシア仕様。それまで何度も拍手が起きては「始まる始まる詐欺」を繰り返していたのもそろそろ慣れてきました。

いよいよ会場が暗くなって、始まりました!幕にプロジェクションマッピングで綺麗な映像と猫のお化け(?)が映ります。この猫がくるみ割り人形のあらすじを話してくれるので、子どもも楽しめる親切設計。というかこれだけ街中でくるみ割り人形の劇をやっていれば、ロシアの子どもであらすじを知らない子はいないのではないかと思います。日本でいう桃太郎のような。

大きなクリスマスツリーも出てきました。おもちゃ役で小さな子どもたちも滑っていて可愛いです。今回はプルシェンコの4歳の息子も登場しました。お父さんそっくりのサラサラ金髪ヘアーと大物オーラで、すぐに「あの子か!」と分かります。会場でも大人気でした。本当に可愛かったです。英才教育を受けているんだろうなあ。

第一幕でくるみ割り人形がネズミの王様を倒してしまったので、第二幕がどうなるのか気になりながら20分の休憩に入りました。

舞台上ではよくスケート場であるような大きな機械で氷をならし、その周りでは妖精の格好をしたスケーターが子ども達に歯磨き粉を配っていました。

第二幕はまさかのフロート(ディ○ニーランドのパレードで出てくるような乗り物)から始まりました。 船を操縦するのはプルシェンコです。
スケートで滑ってへんやん…というツッコミをしていいものか迷いましたが、本人が楽しそうなので全てを許せる気がします。

そこからは「中国の踊り」や「花のワルツ」などチャイコフスキーの名曲に合わせてアイスショーが進みました。中国の踊りではまさかのトランポリンが出てきたり、スペインの踊りでは牛の被り物をしたスケーターが出てきたり、見ていてかなり面白かったです。

花のワルツでは上から降りてきた布にスケーターが掴まって、空中ブランコのようなことまでしていました。もはやアイスショーというかサーカスの様相を帯びてきました。スケートの刃で布を切ってしまわないかドキドキする点では、サーカスよりスリリングです。

ロシアの踊りでは、マトリョーシカとシロクマが出てきて「ここは本場だった」と思い出しました。

2時間ほどでショー自体は終了。バレエのくるみ割り人形もいいですが、アイスショーもとっても楽しかったです。何よりあの旦那が寝ませんでした!

最後はスケーターの紹介。はじめの方は「○○学校の生徒たち」という感じでしたが、主役級になってくるにつれて「○○大会で優勝」や「○○大会何連覇」などの肩書きが付いてきます。普通に聞いているだけで「めちゃくちゃすごい人たちじゃないか」と実感しました。これ、初めに言ってくれても良かったな。

プルシェンコは流石の表現力で、集団の中で踊っていてもすぐに彼がどこにいるか分かるほどでした。毎年アイスショーをやっているそうなので、もしこの時期にモスクワにくる方は是非!

Пока!

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true cost

Привет!

2017年ももうあと数時間ですね! 今年最後の記事は、モスクワに最近出て来たユニークなレストランの紹介です。

その名も「true cost」…名前の通り、本当の値段で料理を食べよう、というコンセプトのお店です。 今回私が行ったのは地下鉄キタイ・ゴーラド駅から歩いていける店舗でしたが、モスクワにはほかにトベルスカヤ駅とパーク・クリトゥーリ駅にあるそうです。他の店舗も行った友人によると、店舗によってメニューも若干違うそうなので、いろんな店舗に行って比べてみるのも面白そうですね。

このレストランはその名の通り「本当の値段で食事をしよう」というコンセプトのお店です。今モスクワでは殆どのレストランが原価の3倍の値段で食事を提供しています。もちろん利益の部分は税金や店員の給料、店舗の運営費ですが、それらを引いた分はオーナーの収入になります。このレストランの創設者であるアレクサンドル・カーンとイリオドール・マラーチはその「オーナーの収入分」をカットして、レストランの入場料でまかなうことにしました。

なので、このレストランでは入った瞬間に入場料を支払います。12:00-16:00は150p(300円)、16:00以降は500p(1000円)。お昼はいいですが、夜は少し高いかな、と思いつつ席に着きます(お昼に行きました)。 入場料を払うとこんな腕に巻くチケットをもらえます。日本でもないのに無料のお水まで出てきました!これだけで入場料を払う価値があったと思ってしまいます。

そしてメニューを見てびっくり。ブリヌイが3枚で26p(52円)…!?隣には「モスクワのレストランでの平均値段」が並んでいるのですが、このブリヌイに関しては120p(240円)。おお、この差を考えると夜の入場料500pだって全く高くありません。

メニューを見ながら思わず差が開いているものを探して頼んでしまいました。この手前のアレクサンドロピザは190p(380円)。他のレストランでは510p(1020円)でした。そもそもめちゃくちゃ大きい。友達と二人で食べて、これだけでお腹いっぱいになりそうでした。

奥にあるのはパストラミとラタトゥイユのサラダ。107p(214円)。元々は410p(820円)。不足気味の野菜がたくさん食べられて嬉しかったです。

しかし、これだけでは勿体無いのでもう一つ頼みました。 3種類のスモークドフィッシュをつけるリエット。251p。元々の半額です。パンもふわふわで美味しく、大満足でした。ここでお腹が本当にいっぱいになり、もう注文できませんでした。メインに行けなかった…!(シャーベットは別腹で26p(52円)だったので食べてしまいました)

ビールもハイネケンの500mlが110(220円)とお安めです。というかモスクワ市内のレストランでは280pもするのですね…スーパーで買ったほうが安いじゃないか…。

面白かったのはレモネードが2種類あり(普通のと白いの)、どちらも詳細に「カルピス」と書いてあります。え?しかも「ゆずジュース(сок юдзу)」も。白いほうが少し安かったので注文しました。 来たものをのんでみると本当に「ゆずカルピス」にレモンを入れたような味です。めちゃくちゃ美味しい!!!そしてちゃんとレモネードだったんですが、もしかしてどのレストランでもカルピス使ってるの??

内装もオシャレで、店員さんの対応もモスクワとは思えないくらい良く、思わず長居してしまいました。次はカムチャッカのカニがあるというトベルスカヤの店舗に行ってみたいです。

さて、今年も一年間読んでくださってありがとうございました。今年はモスクワを離れてさまざまな場所に行くことができ、本当に充実した一年になりました。来年もまた今のモスクワやロシア圏のことについて書いていくつもりなので、どうぞよろしくお願いします。

良いお年を!
Пока!

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オーケストラコンサート

Привет!

気がつけばモスクワに来てから1年半、すっかりこちらの生活にも慣れたのではないかと思っています。そんな中、ついにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聞きに行くことができました!

もともとロシアに来る前に見ていた「オーケストラ!」という映画で聞いて大好きになったチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はロシアにいる間に絶対生で聞きたいと思っていました。なので、こちらに来てすぐに「チャイコフスキーのコンサート」を聞けると思った時にはそれはもう本当に嬉しかったのです。しかし、実際にはチャイコフスキー楽団がロシアの映画音楽を演奏するというものでした(詳しくはこちらの記事を参照ください)。

今の私はあの自信喪失していた頃とは違います。自分が聞きたいコンサートくらい探せる筈だと思い「ヴァイオリン協奏曲」のロシア語を調べるところから始めました。Концерт для скрипки с оркестром (直訳すると「オーケストラとヴァイオリンのための協奏曲」となります)。そしてインターネットの検索画面に「モスクワでのコンサート」と曲名を入れて検索にかけると、一発でヒット。しかも3週間後です。何度も演目を確認して、チケットを800p(1600円)で買いました。

場所は旧アルバート通りの端、ロシア外務省の目の前にある「パブロ・スロボードキン・センター」というオーケストラのコンサートに特化した劇場です。初めて行くところで、周りにもこの劇場を知っている人がいなかったのでかなり緊張しながら入ると、とても綺麗でした。

ソリストはグラフ・ムルジャさん。ロシア語ですがウィキペディアページもありました。いくつかの国際コンクールで受賞歴があり、現在はヴァイオリンの先生でもあるようです。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲以外の演奏予定曲は、オペラ「ルスラーンとリュドミーラ」より序曲(グリンカ作曲)、カプースチンのヴァイオリン協奏曲、そしてオペラ「ポルギとベス」よりファンタジアの4曲です。入り口で買ったパンフレットには前半でグリンカとチャイコフスキー、休憩を挟んで後半はカプースチンにファンタジア、と書いてありました。

ワクワクしながら席につき、時間になったのでコンサートが始まりました。放送でオーケストラと指揮者、ソリストの紹介があります。そしてすぐに「では、一曲目、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です」と放送の声が言いました。あ、初めはグリンカじゃないのか。そのまま前半50分弱チャイコフスキーが続きました。パンフレットの情報なんなんや。

演奏は本当に素晴らしかったです。夢にまで見たモスクワでのクラシック鑑賞。しかも演目は一番好きな曲。私の勝手な予想に反してソリストは恰幅の良い男性でしたが、彼が紡ぐ繊細な音色に引き込まれました。感極まって半泣きになっている私の横で気持ちよさそうに目を閉じている旦那。休憩時間に「めっちゃ気持ちよく眠れた」と言っていました。やっぱりか。夫婦共々大満足でした。

後半は後の三曲を楽しみました。なぜかドラムの音が大きくてクラシックというよりはロック感が強くなってしまったのが残念ですが、個人的には前半で充分楽しんだのでむしろ新鮮な気がしました。

帰りは雪が降っていましたが、こんな文化的な冬の夜もたまにはいいなあ、と思いながら帰ってくると、お湯はでないわ水はほとんどでないわ、そうこうしているうちに停電するわで、いろんな意味でロシアにいることを実感した1日でした(電気は珍しく2時間後に復活)。

Пока!

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