馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

カムチャッカ⑦-川へ-

Привет!

やっと3日目に入りました。カムチャッカでの1日は充実していて一瞬ですぎた気がしていましたが、こう書いてみると中身が詰まっていますね。

さて、今日の予定は

ビーストラ川の川下り(そしてマルキンスキー温泉)

温泉は旦那が最も楽しみにしているものの1つです。屋外だということで、この日のために買った水着をしっかり荷物に入れてアパートを出ました。

タクシーはモスクワに比べて安いのですが、この日は前日に比べて集合時間が1時間遅かったこともあり、バスで集合場所のアバチャホテルまで行くことにしました。前日、タクシーの前を走るバスの番号を確かめていたのでバッチリです。

バスで何分かかるかわからず、この日もまた早めに出てきてしまいました。今日乗る車のナンバーは「108」だと聞いています。ありました! 昨日とおんなじやん。ツアー会社のロゴが消えただけです。え、川に行くのも昨日みたいなとこを通るの…?

車に乗って待っていると、続々と今日のツアーに参加する人々が集まってきました。昨日ラクダ山を一緒に登った人もたくさんいます。2日目なので軽く会話をしながら集合時間の9:45を迎えました。…ガイドさんはどこだ。他に行くところもないし待てるんですが、ガイドさんへは集合時間を10分早めて伝えるべきだという気がしてきました。

そんなこんなで10:10、ガイドさんらしき人が乗ってきた瞬間に車はホテルを出ました。またずっと舗装された道を通り、昨日と同じところで英語ツアーのグループ(ロシア外から来ている人たちのグループ、ガイドさんは英語)を拾います。彼らを乗せて1時間ほど経った頃、車が停まりました。 道の駅みたいなところです。

ガイドさんの説明によると、ここから後1時間ほど走らないと川につかない。川に着いたらすぐ川下りをして、それからお昼ご飯だからめっちゃお腹が空くと思う。ここのピロシキは美味しいから、ぜひここでお腹を満たすことをお勧めする。だそうです。

いくつかお店が並ぶ中、「ピロシキの天国」という怪し…いえ、素敵な名前のお店に連れられて入ります。そこにはこれでもか!とピロシキが並んでいました。全て90p(180円)均一です。 写真では分かりにくいのですが、成人男性の手のひらくらいの大きさです。モスクワでよくみるピロシキはこの半分くらいでしょう。そう思うと破格の値段なので調子に乗って、私はカッテージチーズとブルーベリーのを、旦那は鶏肉とキャベツのものを買いました。旦那はブリヌイまで買っています。このサイズだと具が二種類入るんですね。

バスに戻って出発する前に食べることにしました。熱々で、中身も詰まっていて、私は白いシャツにブルーベリーの汁をこぼしたほどです(半泣きで貴重な飲み水を使って洗ったので綺麗に落ちました)。確かにこれまでで食べたピロシキの中で一番美味しく感じました。

聞いていた通り、そこから1時間ほどで舗装された道路を外れて、ガタガタ揺られながらも川沿いに到着。いくつかテントが建てられていました。 ここでガイドさんから衝撃の発言が…「さあ、今からお昼です」。

川下りをしてからお昼を食べるんじゃなかったのか。今お腹がいっぱいです。むしろピロシキはまだ少し残っています。 ただ、ここで逃してしまうともうないと判断し、決死の覚悟でテントの中に入りました。

ガイドさんの息子さんも夏休みだからかお仕事を手伝っていて(旦那さんもガイドをしているそうです)、彼が運んで来てくれたお昼はこちら。 サーモンのスープとフライにされた何か。ここは川沿いだし、昨日の山でも出たのだから、と魚だと思っていたのですが、なんと肉とのこと。おそらく鶏肉でした。そして蕎麦の実とサラダも添えられています。

昼食を食べ終わると、ボートの用意ができるまで散策していいと言われました。 今からここを流れるのか。楽しみです。

Пока!

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カムチャッカ⑥-寿司レストラン-

Привет!

山から海という大冒険を終えて無事に市内まで帰ってきた私たちですが、お腹が空いています。モスクワでは、私は寿司を食べない(海がないので高価な上にそんなに質が良くない)のですが、海の幸であふれているカムチャッカです。寿司を食べに行くしかない、ということで地図アプリに「寿司」と入れてみました。なんと50m先に「サムライ」という寿司バーがあるではありませんか!ただ、地図で示されている50m先を見ると車道しかなかったので、1.5km先にあるらしい「京都」というレストランへ行くことにしました。地図アプリはモスクワで使えていた「その場所までの行き方」を示してくれる機能が死んでいたので、住所と大体の場所を覚えました。レーニン通り32、と。

しかし、行けども行けどもそれらしきものが見えません。途中にあった中華料理屋さんで妥協しそうになりましたが、強い信念を持って歩き続けました。建物の番号が30まできました。31、次にあるはず…あれ、33になった。しばらくその辺りをうろうろしましたが、32がありません。と、そこで気がつきました。ここ、レーニングラード通りだ。同じレーニンさんにちなんだ名前なので気がつきませんでした。ロシアでは(他のヨーロッパもそうかもしれません)通りの名前と、建物の番号を覚えておくと結構簡単に目的地に着けます。通りさえ間違えなければ。

慌てて地図アプリをもう一度立ち上げます。レーニン通り32は…ここから2.5km先だそうです。なんかもう帰りたくなってきました。

バスはたくさん通っているのにバス停がないので乗れず、レストランへ向かいながらバス停を探しました。 景色がとっても綺麗だったのが救いでした。今度は間違えないよう、GPSで自分の位置を確認しながら歩きます。目的地まで1kmを切ったところで疲れからかテンションが上がってきました。そこでバス停を発見。いやもうここまで来たなら歩くわ。心配なのは酷使されている旦那の町歩き用の靴です。

あと200mで「サムライ」のようにレストラン自体が存在しなかったらどうしようと不安に。それでも歩き続けていると、建物はありました!
とりあえず泣いて喜びそうになりましたが、まだ油断は禁物です。定休日かもしれません。

ドアをそっと引いて…中に入れました。ちゃんと営業しています(当たり前)。ロシア人でそこそこ埋まっている店内で空いている席に座ります。 なんとお手拭きとお箸が出てきました。店員さんの対応も良く、全てに感動しながらメニューを開きます。

ここまで来たんだから、と寿司の盛り合わせを頼むことはすぐに決定。ちょっと風邪気味だった私のために生姜茶を頼み、もう一品はカニ。このカニから運ばれてきました。 カ!ニ!なぜオレンジに入っているのに横にはレモンが添えてあるのか、中身のオレンジはどこ行ってん、などがどうでも良くなるくらい美味しかったです。そもそもカニを食べたのはいつぶりでしょうか。少なくとも一年半ぶりのカニ。絶対自分では作らないメニューを堪能しました。

そしてついに来ましたよ、寿司盛り合わせ! サーモンの刺身と2つ味噌汁がついてなんと1399p(2800円くらい)。モスクワではこれの半分で味噌汁もつかないで2000円くらいします。ちなみに乗っている寿司のネタはメニューによると、サーモン、マグロ、イカ、うなぎ、黒いとびっこ、エビ、スズキ(!?)、オヒョウ(!!??)だそうです。赤いイクラは追加注文しました。それにしてもオヒョウ?初めて聞いたので調べたら、カレイ科だそうです。国語辞典に「美味しいよ」と書いてある通り、本当に美味しかったです。勿体無いという気持ちのために一貫ものではなく巻き寿司から食べて行く私たち。メニューには「辛い巻き寿司」としか書いていないのですが、おそらくキムチが入っていました。

もう1つずつ味わって食べていたのですぐにお腹いっぱいになります。美味しい質のいいお寿司で満腹になる幸福感はたまりません。 内装に若干の中国は感じましたが、本当に素敵なレストランでした。帰りは歩く気が全くなかったので、また電話をしてタクシーを呼びます。

アパートに帰って来てスマホの歩数計を見ると、22km歩いていました。旦那の靴はなんとか初日で壊れずに済みました。ABCマートは「カムチャッカの雪にも火山にも砂浜にも負けません」という宣伝文句を使ってもいいと思います。

この日は疲れと時差で10時には二人とも寝てしまっていました。さあ、アクティビティ2日目です!

Пока!

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カムチャッカ⑤-山と海-

Привет!

全然2日目が終わらないカムチャッカ編ですが、どんどん書いていこうと思います。おそらく最も中身が濃かった日だったからでしょう。

さて、ラクダ山のふたこぶの間まで登り切って休憩していた私たちですが、ここで安心してはいけません。ガイドさんが「休憩を終わります!頂上目指すぞー!」と言い始めました。あ、ここで終わりじゃなかったのか。頂上(こぶの上)は狭くて全員で休憩できないので、こぶの間で休憩していただけのようです。

5分も登るとすぐに着きました。 向こうに見えるのがもう1つのこぶです。実はこちらの方が少し低く、ガイドさんに標高を訪ねたところ1210mくらいではないかと言われました。あちらの高い方のこぶが1230mだそうです。ただ、向こうの頂上に登るには、それこそ断崖絶壁用のロープなどは必要そうだったので諦めました。

頂上からの景色はこんな感じです。 ここからおりるのですが、かなり細かい砂の上をほとんど滑りながら下る格好になりました。どう頑張っても靴の中に砂が入って来ます。足元に集中しながら一歩一歩歩いていると、突然前のお姉さんに「どうしてロシア語が話せるの?」と話しかけられました。旦那と二人で「モスクワに住んで一年になるから」と答えると、そこから話がどんどん膨らみました。なんとそのお姉さんもモスクワに住んでいて、私たちと最寄駅が一緒だったのです。すごい偶然!ちなみに「一年前でよかったね。モスクワもこの10年ですごく変わったから。10年前なんてこんな感じだったわよ(カムチャッカの火山を見渡しながら)」とのことでした。 いや、モスクワがこんなわけないやん。と突っ込みたかったのですが、私たちは砂に足を取られまいと必死だったので無理でした。こんな状況で冗談が言えるお姉さんはかっこよかったです。

またあのクレバスを飛び越えて、やっとベースキャンプに戻って来ました。いくつかある建物の中に「столовая(食堂)」となぜかカタカナで「キッチン」という看板がかかっているものがあったのですが、そこの中でお昼ご飯です(この時すでに15時前) オリビエサラダ(写真外)と米に魚のピカタ。やっぱりカムチャッカはどこに行っても魚なのね!!とテンションが上がります。美味しかったです。パンやクッキー、お茶にジュースまで取り放題でテーブルの上に置いてあり、手厚いもてなしを受けました。

少し休憩してから、またあの大きな車に乗ります。さようなら、ラクダ山と火山!広大な大地を感じさせてくれてありがとう! …実はここで記憶が途切れています。行きはあれだけ激しい揺れに驚いたのに、歩き疲れたからかそんな揺れさえ心地よく、眠ってしまったのです。次に眼が覚めたときには、ジャングルの中を走っていました。なんで。

少し開けたところに出て、到着しましたよー、と言われたので車から降りると またさっきと全く違うところに。

次の目的地はどこだっけ…とまだはっきりしない頭で思い出します。ビーチ。Халактырскй(ハラクトゥイールスキー)という名前らしいビーチにつながるこの道を歩いていると、どこかのスピーカーからアメリカ音楽が聞こえて来ました。…ハワイかどこかのリゾート地みたいやん。

あの道を抜けると こんな素敵なビーチが!この写真だけ見るとプライベートビーチみたいですね。実際には私たちの後ろに地元の人がたくさんいました。ちゃんと入るつもりではなかったので水着は持って来ていなかったのですが、波と戯れるぶんには充分でした。…それにしては結構波が高く、サーフィンをしている人までいました。1時間はあっという間で、すぐに帰る時間が来てしまったのが残念でしたが、モスクワではお目にかかれないビーチに心踊りました。 一応反対側も。 このビーチは13kmもあるのだそうです。規模がいまいちわからなかったので神戸の須磨海浜浴場の長さを調べてみると、なんと1.8kmでした。…さすがロシアです。土地はあるもんなあ。

また車で1時間かけて、朝集合したホテルまで帰ってきました。この時19:00ごろ。さあ、夕食を探しに行きます。

(まだ続くんかい…と思いましたか?私も思っています) Пока!

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カムチャッカ④-ラクダ山-

Привет!

朝は20度に届かなくなったモスクワですが、カムチャッカはもう少し気温が低かったなあなどと思い出しながら書いていこうと思います。

さて、ゴツい車でベースキャンプに到着した私たちが久しぶりに揺れない地面に立って景色を堪能していると、ガイドさんに「あそこがラクダ山ですよ」と言われました。 ふたこぶラクダのようですね。確か今日の予定1つ目は「ラクダ山周辺の散歩」だったはず。…どこを「散歩」するんですか?

私たちの車には15人弱乗っていたのですが、他の車に乗ってこちらに向かっているツアーの人たちも一緒に出発するので 少し待つことになりました。そこらへんをしばし散策していると、何か可愛いものがいるではありませんか。 ロシア語ではСуслик(スースリク)、日本語では地リスと言うそうです。実は出発前日の夜にロシアの旅行番組орёл и решка(この時に日本に来ていたあの番組です)のカムチャッカ編をyoutubeで見て予習していたのですが、その中で「山にはナッツを持って行きましょう、可愛いのが来ますよ」と教えてくれていました。そのことをすっかり忘れていて手ぶらで来てしまった私たち。周りではパンをあげている人もいましたが、パンすら持っていません。諦めるしかないかと思っていると、旦那が餌を持っているふりをして近づいて行きました。なんて卑怯な…。鬼の所業です。信じてしまったリスは旦那の方に近づいてきたので、彼はこんな写真を撮っていました。 騙したことをリスに謝って、その場を離れたところで後発隊がやって来ました。 いよいよ始まります。

しばらく進むと、看板が立っていました。「ここより先はガイドと一緒でないと立ち入り禁止」…結構危ないところなの?そこまでは普通の茶色い(少し黒い)土の上を歩いていたのですが、少し先を見ると地面が白くなっています。 旦那と何度か「予定のメールや昨日の電話で、特別な装備で来てくださいって実は言われたんやない?」「いや『普通の状態で、普通の服でいい』って書いてあったで」「カムチャッカの普通って何か分からん」という会話をしました。ガイドさんの服装を見ると大抵は動きやすい服に登山靴なのですが、一人だけサンダルで来ている人がいました。少し安心しそうになって「いやあっちはプロや」と思い出します。

雪の上をザクザクと歩いていると(冬のモスクワを思い出しました)、突然全体が止まりました。なんと目の前には 大きな亀裂(クレバス)が走っています。かなり注意しながら覗き込むと、底が見えません。そこから冷やされた空気が湯気のように上がっていました。ジャンプしてもギリギリ届かないくらい間が空いています。ガイドさんが「ここで待っていて」と言い置いて、クレバスに従って歩きながらジャンプできそうな場所を探し始めました。こんな命の危険を感じる散歩は初めてです。

2、3分後、ガイドさんに呼ばれました。始めにガイドさんと若い男性がジャンプし、後から来る女性に手を貸していました(男性は自力で頑張れ、とのことです)。全員が渡りきり、いよいよラクダ山を目指します。直前の説明で、ラクダ山の周りをぐるっと回りますよ、と言われていたのを途中まで信じていましたが 周りがこのような景色になって来て疑い始めました。これ登ってるのでは…。

右手に見えるアバチンスキー山の山麓にある氷河の上を歩く3人の姿を眺めていると、気がつけば私が歩いている道は一人がやっと歩ける幅になっていました。一歩踏み外すと下まで転がり落ちそうです。命の危険を感じます(本日2回目)。 先ほどの疑惑がこの辺りで確信に変わりました。ああ、これ登ってるわ。確かにラクダ山の周りを一周しながら少しずつ高度が上がっています。ちなみに前の写真で前に写っている、山には違和感のある格好をしているのがシティボーイの旦那です。

そういえば、同じ車に小さい女の子が乗っていたのです。後ろから「いーやー(ロシア語ではНеееет(ニェーーーット)」と聞こえていて、まさかこんなところに来るとは思っていなかっただろうなあと思わず共感しました。私より二人くらい後ろを歩いていた大柄のおばさんが「休憩しましょう!みんなもう限界よ!」と叫んだので、急な斜面で休憩することに。いつ足を滑らせるかわからないスリルの中、体が休まったかは分かりませんが、また出発し始めました。

そこから30分ほどでラクダ山のふたこぶの間に到着。 絶景です。この景色を見ただけで、先ほどまでの辛さやスリルはどこかへ行ってしまい、来てよかったと言う思いでいっぱいになりました。単純です。

しばし皆で写真撮影などをしていると、近くに先ほどの女の子を連れた家族がいました。思わず「可愛いですね!何歳ですか?」と聞くと「4歳なんです」と返って来るではありませんか。4歳でこの山に登っているの!私たちも負けないように頑張らねばなりません。 …先ずはここから降りるか。

Пока!

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カムチャッカ③-山へ-

Привет!

カムチャッカでの活動が本格始動する2日目、朝起きると良い天気に火山が映える景色が広がっていました。 なんて素敵なところに来たんだろう。

さて、事前にもらっていた今日の予定です。

ラクダ山の散歩とビーチ散策

前日の電話で「アバチャホテルに8:45に集合です。オレンジの車が停まっているのでそこで待っていてください」と言われていました。バスでどう行けば良いのかわからなかったので、アパートのオーナーからもらっていた電話番号を使って前日にタクシーの予約をしました。

アバチャホテルはカムチャッカで一番有名なホテルだそうです。余裕を持ちすぎて、30分くらい前に着きました。 オレンジの車は…あ、駐車場に停まっているあれでしょうか。 え、散歩に行く車…?タイヤの直径は1mくらいあります。ここで旦那の顔が青ざめました。私は「なんやかんや言ってもカムチャッカやしな」とスポーツ用のスニーカーを履いていたのですが、旦那は「でも散歩やろ?」と新宿のABCマートで買った町歩き用の靴で来ていたのです。今からスポーツ用品店にも行けないし、覚悟を決めるしかありません。

この車に、クマが乗ってきました。いや、クマではなくて大柄の運転手さんのようです。彼は入ってくるなり「出席とりまーす。〇〇さん、いますね、××さん、OKです。日本からのお客さん…あ、二人ともいますね。ここで悪いお知らせです。皆さんは揃っているのですが、ガイドが遅れています。渋滞に捕まってしまったので、ここまで歩いて向かっているそうです。もう少しお待ちください」と言いました。ものの10分もすると汗だくのガイドらしき若い男性が乗ってきました。車ははすぐに走り出します。

初めは舗装された道路の上を走っていたので、周りの車よりも高い視線で遠くに見える火山を眺めながら気持ちよく走っていました。途中で英語ガイドに連れられたロシア外からの旅行者を五人ほど乗せると、車は突然舗装された道路を外れます。ついにこの車が本領発揮する時のようです。 窓から見えるのはこんな景色。50cmほどの段差も軽々と乗り越えていきます。軽々と、と書きましたが、乗っている方はたまったものではありませんでした。この揺れ、どこかで経験したことがあるな…と思っていたのですが、大阪にあるテーマパーク、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のアトラクションに似ています。ひっきりなしに続く縦揺れと横揺れ。アトラクションではよく「激しい揺れがございます。…」という注意書きが書かれていますが、このツアーも事前に言っておいて!と必死に前の座席の背中に付いている手すりにしがみつきながら何度も思いました。段差を超える時には横転してしまうのではないかというスリルも味わえます。ああいうアトラクションは10分ほどだから楽しいんですね。舗装されていない道路に入ってから30分走ったところで、突然「休憩だ」と車から降ろされました。

降りると、広大な大地が目の前に広がっていました。左に見えているのがアバチンスキー山、右はコリャークスキー山です。後ろの方でガイドさんの「お手洗いはそこらへんでどうぞー」という声が聞こえてきます。ああ、私はこの自然を感じに来たんだった。

旦那と自然の雄大さに圧倒されている写真を取り合っていると、ガイドさんが近づいて来ました。「ここの地面は、花崗岩と火山灰でできています。実はこの前までこんなにひどい道ではなかったのですが、先週降った大雨で洪水になって、地面が削られてしまって…その時のビデオがこちらです」とパニック映画のような動画を見せてくれました。撮影者は運転手さんだそうです。私たちが最大限楽しめるように、雨がエンターテイメント性をあげてくれたようです。

休憩が終わり、乗り込むと車内放送で運転手の「ここからは手すりに掴まれ!」という声が響きました。もうすでに掴んでいるのですが、これ以上どうすれば良いのでしょう。英語通訳では「ちょっと車が跳ねるようです」と言っていて、テンションの差に何を信じて良いかわからなくなって来ました。

そしてついに、雪の上を走り始めました。 夏に雪です!標高はそこまで高くないのですが、緯度が高いのでこの辺りには雪も残っているし、高山植物も生えています。

途中で突然車が止まりました。どうやら、普通のタイヤできた一般の車が雪にタイヤを取られて動けなくなっているところを運転手が助けに行ったようです。むしろここまでどうやって来たんだ。

休憩から1時間半ほど揺れに揺られて、ベースキャンプに着きました。 空気が美味しいです。

次回、散歩の定義とは…?そして旦那の靴は耐えられるのか。お楽しみに!

Пока!

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カムチャッカ②-1日目夜-

Приват!

カムチャッカへ行く前の日に宿泊先のオーナーへ質問メールを送りました。空港からどうやっていけばいいですか、と。時差の関係でカムチャッカの深夜だったにも関わらず、オーナーから丁寧に「この電話番号でタクシーを呼んで、この住所まで来てくださいね(303という数字を言うと割引してくれます)。バスは、空港から『ペトロパブロフスク・カムチャッツキー』行きの好きなものに乗ってください。街についてから7kmほど行ったら降りるといいですよ」と返事が来ました。

そうか、ここはタクシーアプリが使えないのか。電話で呼ぶといつ来るかわからないので、とりあえずバスで行くことにしました。先ほどの「ペトロパブロフスク・カムチャッツキー」とはこのカムチャッカ地方最大の都市で、行政の中心地になっています。カムチャッカの人口30万人のうち、25万人がこの街に住んでいるとか。

空港を出ると、視線の先にバス停らしき標識を捉えました。「好きな」バスで良いらしいので、来たバスの運転手さんにペトロパブロフスクまで行くか一応確認して乗り込みます。 こんな景色の中を進んで行きます。

このタイミングで旅行会社から次の日の待ち合わせ場所についての電話が来ました。それには旦那に出てもらって、私は(停車駅の名前が表示されないので)窓の外を見張ります。おそらく、そんな私たちの様子を見かねた隣に座っていた人が、旦那の電話が終わったのを見計らって「どこへ行きたいんですか」と声をかけてくれました。アパートの住所を見せると「ああ、それなら4つ先で降りれば良いですよ」と言ってその人たちはバスから降りて行きました。4つ…途中路上でお客さんを拾ったりするのを停留所として数えるのか分からず、いつでも降りられるように出口付近で待機していると、また別のお客さんに「どこへ行くのですか」と聞かれました。「そこへなら次に止まったら降りて右へ曲がってください」と教えてもらいます。 降りました。

アパートのオーナーから「9階で待っている」と言われていたので、9階までありそうな建物を探します。モスクワに比べて建物の高さが低く、大抵5階くらいまでしか無いのです。小型のスーツケースをゴロゴロ引きながら二人でさまよっても、それらしき建物が見つかりません。これではラチがあかないので、次に人に会ったら道を聞こうと決心(それくらい人がいませんでした)。

とその時、男性がこちらへ近づいて来るではありませんか。千載一遇のチャンス!しかもこちらが話しかける前に「Excuse me…もしかして迷子?」と英語で話しかけてくれました。こちらも慌てて「ここへ行きたくて」と住所を見せると「それならこの道の向こうだよ!多分あの建物。がんばって!」と言ってまたどこかへ帰って行きました。どうやら明らかに迷っている旅行者を心配して来てくれたようです。バスのお客さんたちといい、親切な人の多いこと!

無事にアパートに着き、オーナーに来てもらって鍵を受け取りました。その時点で夕方の6時。モスクワを出たのは前日の夜7時だったので、時差の関係もありますが丸一日経ったことになります。泊まるところを確保できてお腹がすいてきたので、先輩おすすめのレストランへ行ってみるとこにしました。 外観の工事中ですが、それがこちらの「サン・マリノ」。夜行列車でも食堂車の真横に部屋をとる旦那は、カムチャッカでもこのレストランから徒歩圏内にアパートを借りたのです。

予約していない、というと二人席に案内されました。メニューを見ながら二人で話していると、団体さんが入って来ました。あれ、もしかして日本からのツアー…?なんとこの日、団体の予約が入っていたおかげでカムチャッカの伝統ダンスのパフォーマンスがあったのです。 色々な説明をしながら、次々にダンスを披露してくれます。カモメの踊り、トナカイの踊りなど、動物の声や動きを真似しているものが多かったのが特徴的でした。

そして途中には「きのこのお酒(ノンアルコール)です」と瓶を取り出し、そのレストランにいた人全員に振舞ってくれました。 ムハモラ、という名前だそうです。私たちまでもらってしまって良いのだろうか…と思いながら、思いがけない幸運を堪能しました。基本的にロシア語の説明なのですが、ゆっくり話してくれたのでとても分かりやすかったです。

そうこうしているうちに、店員さんが料理を運んで来てくれました。 ホタテのカルパッチョ。ホタテって口の中で溶けるんですね!!

魚のスープ、ウハー(уха)。いつも家でも白身魚から出汁をとって作るのですが、ここではイカやエビなども入っていて、我が家で作るより何倍も味わい深いものになっていました。これ市販のブイヨンとか入れてないんだろうなあ。

ヒラメのホイル焼き。魚がふわふわ、という表現を初めて使いました。美味しいものってなんでどれもこれも口の中で溶けるのでしょう。

この日は「海の幸ピザ」がなかったことがショックでしたが、普段見られないものが見られたし、そのほかの料理も美味しかったし、大満足です。帰り際に先ほど伝統ダンスを披露してくれた人たちに呼び止められました。「ロシア語がわかるのですか?どこから来たのですか?」と。日本からだけどモスクワに一年住んでいて、カムチャッカ初日です、という話をすると「じゃあ少し郊外だけど、民族衣装や犬ぞり体験もできるところがあるからよかったら是非来て」とチラシをもらいました。今回は時間がなくて行けなかったのですが、次回は絶対行こうと思います。

明日から本格始動です! Пока!

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カムチャッカ①-到着-

Привет!

モスクワには4つ空港があります。そのうち1つは7月中旬にMAKSで行った空港。2つは日本からの直行便、アエロフロートが着くシェレメチェボ空港とJALが着くドモジェドヴォ空港。そして国内線のみ運行しているブヌコヴォ空港です。初めて行った空港だったのですが、国内線しかないし小さい空港なんだろうな…と想像していると、思っていたより二倍くらい規模が大きかったです。 エントランスだけでこれ。どーん。ああ、国内線で9時間近く飛ぶ国だった。それならこのサイズが必要ですね。

正面にヒョウがいる飛行機なんて初めて見ました(下に写真)。これはカッコいいのでしょうか。一年経ってわかった気になってきていたのに、この国のことがよく分からなくなってきました。狭い世界に住んでいたようです。 この飛行機の横に私たちが乗る飛行機が待っていました。ヒョウもいない普通のジャンボジェットで少し安心です。私の飛行機に乗る楽しみといえば映画を見ることなのですが、国内線だということもあり期待はしていないような、でも7時間も乗るし少し期待したいような、そんな気分で乗り込みました。座席の前にはモニターが付いています!これは何かしら見せてくれるのではないでしょうか(理解できるかは置いておいて)。

半年ぶりの空の旅が始まりました。目の前のモニターは動かず、真っ暗なままです。充電してきたはずのウォークマン®︎は電池が残り少ないと訴えてきており、機内wifiは存在せず、持ってきた本は間違えてスーツケースに入れてしまっていました。…エンターテイメントがありません。

唯一の楽しみになってしまった機内食はこんな感じでした。7時間の間で二回出てきます。 一回目は鳥or魚で魚、二回目は鳥or牛で鳥を選んだものです。基本的にメイン+パン+黒パン+バター+デザートという感じでした。黒パンが出てくる辺りがロシアですね。

なんとかハバロフスクに着きました。タラップで滑走路に降りる形式です(これから全てがこのタイプでした)。ハバロフスクの空港はかなり小さかったのですが、3時間近くを過ごした待合室の壁にはロシア各都市の名前と象徴のシルエットが描かれていました。例えばモスクワはクレムリン、ウラジオストックは橋、といった具合です。探してみるとカムチャッカもありました! …火山しかないことはよくわかった。

お土産物屋さんではなぜか五月人形のようなものや着物を着た女性の人形など日本風のものも多く、かなり東に来たのだと実感します。いよいよ搭乗開始時間になりましたが、もう少し携帯電話の充電をしたかった私たちは「まだ並んでいる人も多いし」とゲートへ行きませんでした。最終搭乗時間の15分前に言われていたゲートへ行くと、誰もいません。…え?

本当に狭い空港なので、私たちがしばし立ち尽くしている間に横のゲートの列が伸びて私たちのところまで来ました。同じような時間に飛ぶ飛行機はなかったはず。そのゲートの表示を見に行くと「カムチャッカ行き」と書いてありました。変わったなら!電光掲示板も変更して!

先ほどよりも小型な飛行機に乗り込みました。3時間弱のフライトとはいえ、サンドイッチが出て来ました。 ビーフか野菜か聞かれ、これが出て来たのですが、中はハムみたいなものでした。ポークじゃないよね?この絵はビーフだけれど。

拍手喝采に包まれながら飛行機が着陸しました(ロシアでは着陸するたびに拍手喝采が起きます)。ついにカムチャッカの地に降りたちます!モスクワではお目にかかれない山が連なっているのが見え、空は広く、これだけで来てよかったという気分になりました。飛行機から歩けそうな距離をバスに乗って、空港の入り口へ向かいます。 わー!日本語が書いてある!日本人多いんですね。いや、それよりも気になるのは、ここはもしかして空港じゃなくてビニールハウス…?

荷物受け取り所もこんな感じです。 絶対空港に転身する前はビニールハウスやん。若干不安になりながら、私たちは荷物を預けていなかったのでそのまま素通りします。一応このビニールハウス内にトイレはありました。

めちゃくちゃ逆光で申し訳ないのですが、こんな門をくぐって空港から出ました。出迎えがいる人たちを羨ましく思いつつ、目の前に広がるだだっ広い土地を見て途方にくれそうになりました。空港を出て「タクシー?」と流しのタクシー運転手に声をかけられなかったのは初めてです。いつもは鬱陶しいのに、無いとこんな不安になるなんて。さあ、ここから市街地までは25kmです。無事にたどり着けるのか…お楽しみに!

Пока!

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