馬耳風風 (ばじ カザフう)

2016年7月末〜 2018年8月 モスクワ/2018年10月〜 カザフスタンのアスタナ

マトリョーシカの絵付け

Привет!

【前回までのあらすじ】セルギエフ・ポサードまでマトリョーシカの絵付けをしに来たはずが、マトリョーシカの製作過程を見学したところで終了だと言われてしまった私たち。これからどうする!?

とりあえず、絵付けがしたい、予約をしたはずだと伝えます。前日に電話して確認もしていますし、なんなら先ほど遅れそうだと電話もしたのですが…。やる気のない受付のお兄さんは「あ、そうなの?じゃあ4人で1400p追加で。と言われました。予約時に聞いたのは4人で3000pだったのですが、見学料金と合わせると2000pです。なんや、団体じゃなくても大丈夫やん。おそらく「予約が団体でしか受け付けていない」ということだったのだと思います。

受付の奥にあった絵付け用のスペースに通されました。すでに何人か子供がいましたが、私達が席に着くと、今回の講師となる女性がやって来てくれました。みるみるうちに私たちの前に筆、絵の具、水の入った小さいバケツ、そしてマトリョーシカが置かれます。このマトリョーシカは木を削って形を作った後に、顔と頭巾と腕だけはんだごてで描かれている簡単なものです。この下書きが絵心のない私には最大の不安要素だったので(グジェリ焼き参照)、一安心です。

筆を選ぶと、頭巾から塗るよう指示されました。全く色を決めていなかったので、慌てて周りを見渡して参考にするマトリョーシカを決めます。私がかなり迷っていると、先生に暖色がいいよ、とアドバイスされました。お友達はたまたま見つけたロシア国旗(🇷🇺)の模様にすることに決めたようで、頭巾に白を塗り始めたのを見た先生は、さすがに止めはしなかったものの、どうして暖色がいいか歴史から話し始めます。初めこそしっかり聞いていましたが、そこまで要領よくはないので(ロシア語を理解しようとしながら細かい作業ができませんでした)、途中で「あ、聞き流していい話だ」と判断し、作業に没頭しました。

この先生がいつ息をしているのかと思うほど本当によく話します。頭巾を塗り終わったので次はどこを塗ればいいですか、と聞くと5分くらいマトリョーシカの素敵なところについて話し続けていました。その一方で線上にはみ出してしまった私の絵の具を細い筆で消してくれます。本当にマトリョーシカが好きで、それをいろんな人に伝えられるのが嬉しいんだろうなあというのが伝わって来ました。受付のお兄さんとはえらい違いです。ある時はふっと耳に入って来た単語が「モーツァルト」や「プーシキン」だったのでなんの話をしているのかと焦りましたが、伝統的な色使いについてだったようです。昔ながらのものは美しいよね、ということでした。よく聞いていると私が土台をズボンと同じ色に塗っていたことをちょっと注意していたようです。上から黒く塗りなおしました。 服にお花を描きたいんです、と言って許可をもらい、なんとか完成したーと見せると「服にお花があるのに葉っぱはないの?」とダメ出し。頑張りました。もういいかな、と片付けようとすると「ちょっと付け足していい?」と先生の筆が入りました。上の写真で赤いところは先生が描いたものです。立派になって…!

完成しました。 左が私、右が旦那のものです。自分のことに一生懸命で気づきませんでしたが、旦那の色使いのセンスには本当に毎回脱帽します。なんで頭巾が赤で服をピンクに塗るん。顔まで白くなっちゃって…お友達ご夫婦に「舞妓さんみたい」と突っ込まれていました。

先生は「私の作業机を見せてあげる」とさっきの部屋へ連れて言ってくれました。はんだごてや、他の作品を見せてもらいましたが、他の絵付け師さんの机にははんだごてがなかったので、人によるのだと思います。初心者にはありがたかったです。そのまま話の流れで先生が昔描いたというマトリョーシカの絵をもらうことに。モスクワは近いからまた教えに行ってあげるわよ、とまで言ってもらいました。

せっかくマトリョーシカの本場まで来たので、大きめのものを購入することにしました。そしてパスハなので、この街の景色が書いてある卵も。 後ろに置いているのが先生の絵です。

充実した、楽しい1日でした! Пока!

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マトリョーシカ作製現場

Привет!

日本は全国的に荒れ模様だとインターネットのニュースで見ました。くれぐれも気をつけてくださいね。モスクワも今週末までは寒いようです。もうすぐ4月後半なのに氷点下って何事ですか。

昨日の続きです! レストランでお腹がいっぱいになった私たちは、マトリョーシカ工房へ向かいます。実はセルギエフ・ポサードはマトリョーシカを始め、木製玩具の産地としても有名なのです。ここへ行けば絵付け体験ができると聞いて、連れて来てもらったのでした。

この街のランドマーク、トロイツェ・セルギエフ大修道院の前の大通りから少し入ったところに、旦那が予約してくれた工房はありました。 私のケータイは街について30分で寒さのために充電がなくなるという無能っぷりを発揮してくれたので、旦那に写真を頼んだのですが、入り口の写真をお願いするのを忘れていました。写真はお店の中に置いてあったこの工房のチラシです。裏はマトリョーシカの塗り絵になっています。サイトはこちらから。ロシア語ですが、写真もたくさんあって楽しいです。

ドアを開けると三面を囲む棚いっぱいにマトリョーシカやパスハ(イースター)用の卵が並んでいます。それだけでテンションが上がっていると、受付のお兄さんがやる気なさそうに顔を上げたので予約していたものです、と伝えます。予約時には6人以上からしか受け付けてないから、4人だったら6人分の料金(3000p)をお願いします、と言われていたのですが、そこで言われた料金は600p。やすくなった?と少し喜びつつ、奥の工房へ行かせてもらいました。 早速職人さんがただの木の棒からマトリョーシカを作るところを実演してくれました。高速で回転する機械を使って均等に削っていきます。一番小さいものはいいのですが、もう一回り大きいものを削り出す作業が圧巻の一言でした。内側を厚さが均等になるようにくり抜いて、差し込むための段を作り、下の部分は完成。切り落とします。上の部分も内側をくり抜いて段を作ったら、先ほどの下の部分を差し込んで最終調整をしていくのです。最後に一番小さいものが入るか確かめて、完成。普段何気なく見ていたマトリョーシカですが、これからはどんなに安物の顔が崩れているものでも「ここまでするのは大変だったんだろうなあ…」と感謝の念を持って見られそうです。その時職人さんが目の前で作ったものは友達の小さいお子さんにプレゼントしていました。

初老の職人と小さいお子さんの触れ合いを微笑ましく見ていると、机の上の木屑の中から私と旦那にも小さいマトリョーシカをくれました。

もはや感動します。壁に備え付けられている棚にはたくさん絵付けされていないマトリョーシカが並んでいました。他のロシア人のお客さんが「いくつあるの」と聞くと職人さんが「分からん…28くらいかな」と答えていました。あなたが作ったのではないのか。

振り返ると絵付け師の机が並んでいます。 受付に戻ると「これで終わりです」とさっきのやる気のないお兄さんに言われました。え、絵付けは?

次回、無事に絵付けができるのか!?そして面白い女性との出会いー乞うご期待!

Пока!

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Пасха в Сергиеве посаде

Привет!

朝の空気入れ替えの時に窓を開けると何かが入って来ました。桜の花びらかな(そんなわけない)と思ってよく見てみると雪です。窓の外は、やっぱり地面が真っ白になっていました。積もっちゃったらなごり雪でも何でもないよ。

昨日はイースターでしたね。ロシア語ではПасха(パスハ)と言います。日本人なので全く何もするつもりがなく、あまり日にちを気にせずに、いつもお世話になっているお友達のご家族とセルギエフ・ポサードでマトリョーシカの絵付け体験をする予定を入れていました。私と旦那にとっては初めての黄金の環進出です。黄金の環というのは、モスクワ近郊の地方都市の総称で、ロシア史やロシア正教でとても重要な役割を果たしていると言われています。

黄金の環の中でも最もモスクワから近いのがセルギエフ・ポサードです。この街はセルギエフ・ラドネシュスキーさん(ロシア正教会ではめちゃくちゃ偉い人です)が両親亡き後、お兄さんと二人でモスクワ近郊の森に移り住み、そこで修道院を建てたことに端を発しています。それが1300年代中頃でした。ところがお兄さんはこんな不自由な生活は嫌だとモスクワへ行ってしまいます。それからしばらくセルギエフさんは動物たちと静かに隠居生活を送っていましたが「あの森には修道院で暮らしている人がいる」と近くの町や村で噂になり、聞きつけた修道士たちが集まりました。そうして彼が作ったトロイツェ・セルギエフ大修道院を中心に町が作られたのです。初めの写真はその修道院の写真でした。

意図せず、こんな宗教的な街にイースターの日に行くことになりました。お友達の車に乗せてもらったので渋滞を予想して朝の6:30にモスクワをでます。早めにでたので通常の時間(1時間ほど)で到着しました。列車やバスでもモスクワから1時間半ほどで着くそうです。

マトリョーシカの時間まで余裕があったので、先述の修道院へ向かいます。今日がイースターだからか、中へ入る前に金属探知機とカバンチェックがありました。まずは町のシンボルとも言うべきウスペンスキー大聖堂。 この名前に聞き覚えはありませんか?そうです、モスクワのクレムリンの中にも同じ名前の聖堂がありますね。セルギエフ・ポサードのウスペンスキー大聖堂はクレムリンのものを模してピョートル一世が作ったのだそうです。

この中に恐る恐る入ると、やはり敬虔なクリスチャンの人でいっぱいでしたが、しんとしていました。奥へ行こうか迷っていると入り口にいたおじさんに何やら話しかけられました。よく聴いていると中国語!わからないのでロシア語でお願いします、と言ってもびっくりするくらい信じてもらえませんでした。ツアー客じゃないの?だったらまあ良いや、と言われた気がするのですが、騒ぐと思われたのでしょうか。

こちらは鐘楼です。 8時半から9時過ぎまで鐘が鳴り続けていました。時報かと思っていたのですが、今日学校で読んだ文章によるとパスハでは鐘を鳴らし続けるのが伝統、とのことでした。ちなみに内部はお土産物屋さんです。

修道士の寮があったり、なかなか素敵なお散歩コースがあったり、晴れていたことも手伝ってとても素敵な朝になりました。

普段から修道院の敷地内でパンが売られているようなのですが、この日はパスハ用のものも売られています。 よくイースターといえば「卵とうさぎ」ですが、ロシア正教ではうさぎは出てきません。真ん中の鶏が可愛すぎて買ってしまいました。この記事を書き終えたら食べます。

大修道院の真向かいにあるレストランでは、内装もメニューも「ロシアっぽさ」が味わえます。店の奥ではお土産物も扱っていますし、店内のいたるところにクマとサモワールが飾ってありました。 注文が終わり、一番はじめに出てきたのはこれ。 これはクリーチと言われるパンのようなケーキのようなものです。マースレニッツァからパスハまでの期間は肉や乳製品、卵を食べられないので、キリストの復活を祝うパスハに砂糖がたくさんかかったクリーチと卵を食べるのだとか。食後に食べようと置いていたら、通りがかりたびに店員さんに「これも美味しいので食べてくださいね」と言われました。

今日クラスメイトのフランス人Sさんも作ってきてくれました! 切ったらこんな感じです。

日本ではあまり馴染みのなかったイベントに出会えるとワクワクしますね。

Пока!

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島国

Привет!

今晩雪が積もるかも知れず、明日のお出かけに支障が出ないか心配しています。確かに今、空が晴れ渡っているので気温は低いんだろうなあ。

今日はあんまりロシアは関係ありません。語学学校のクラスメイトとの話です。今のクラスのメンバーはみんな仲が良くて、授業外でもみんなで出かけたりしています。話がずれますが、なんでみんな当日に「今晩うちに来ない?」と言うんでしょう。心づもりもあるので前日には言ってほしいなあ。この「いつ誘うか問題」は、おそらく出身国ではなくその人自身の性格の違いだと思っています。

そんな感じで授業が終わってすぐにみんなでランチに行きました。この学校に通い始める直前に行ったФаршというハンバーガー屋さんです。前回なかったランチセットがありました。 店員さんが「メインはミニハンバーガーだよ!ミニだからね!」と何度もいうのでどんなに小さいものが来るのかと覚悟していたのですが、一つで満足でした。ハンバーガーとサイドにコールスローサラダかフライドポテトが選べて、250p(500円)から。行きやすくなりました。

たまたま私の目の前にはイギリス出身のA君が、そして私の横には見知らぬドイツ人の子が。後からクラスメイトのJちゃんが連れてきた別のクラスの子だとわかったのですが、当のJちゃんは向こうの方に座っていたので、ちょっと混乱しつつ3人で軽い自己紹介から話し始めました(A君のことはよく知ってるけど)。

初めこそ「どうしてロシアにいるか?」という話題から兄弟の話など当たり障りのない会話だったのですが、突然ドイツ人のSちゃんが「ところでブリグジット(EUからイギリスが抜けたこと)についてどう思う?」と突っ込んだ話題をA君に向けました。驚く私とは対照的にさっきと変わらない調子で「まず、あれは僕のミスじゃないからね」と冗談ぽく言うA君。そこから自分はヨーロッパ人であること、でも今のEUとイギリス両方の経済状態が心配なことなどを熱く語り始めました。Sちゃんもドイツの今の生活レベルが下がっていること、移民の問題などについて自分の意見を述べます。EUに入ったこともドイツに行ったこともない私は聞くだけでしたが「ごめん、日本からしたら入りにくいよね。でも無関係なことではないと思うから」と私への気遣いも忘れないでいてくれます。

そう言えば、3/29(イギリスがEU脱退の手続きを始めた日)のメトロで配られた新聞を授業で読んでいる時「イギリスは島国だからヨーロッパだけどちょっと違うというか、独自の考え方やプライドがあるでしょう?他よりも優れているという感覚が他のヨーロッパの国々よりも強いよね」という話になりました。すかさずA君が「そんなん日本も島国じゃないか」と言い返していましたが、私はちょっと違うと思います。その時に思い出したのが、鎖国した日本と大英帝国を作っていったイギリスの違い。同じ理由ではないとはいえ、結果としては正反対の道を進んだのではないでしょうか。

そもそも他の国と比べて日本には本当に住んでいる外国人が少なく、私が日本にいた時はそもそもアジアだということすら忘れていたように思います。先ほどのEUの件についても例えば大陸の方でアジア圏が一つの統合体を作るとして、そこに日本は参加するのだろうか…などと考えながらドイツ人とイギリス人の話を聞いていました。文明が発達してこれだけ世界が小さくなったのです。確かに「関係ない、違う」と国を閉じてしまうわけにはいかないよなあと思ってしまう出来事でした。

Пока!

ついに「ロシア情報」で一位になりました!いつも応援ありがとうございます。これからも頑張ります!

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新アルバート通り

Привет!

今週の日曜日と来週の何日間か雪が降るんですって…もう4月も後半です。来月母が来てくれるので、どんな服装にすべきか聞かれましたが、全く想像がつきません。暑いのか寒いのか、そもそもコートが必要なのかどうか。過ごしやすい雰囲気とは聞きましたが、どんなのが過ごしやすかったっけ。

先日、友人と新アルバート通りへ行きました。旧アルバート通りに方はこの記事で書いたとき以来怖くて入らないようにしていますが、大きな本屋さん、ドームクニーギがある新アルバート通りに友達がおしゃれなビュッフェを見つけて誘われたのです。 入り口はこんな感じ。обедбуфет というレストランの名前はそのままです。обед(アビェッド)はお昼ご飯、буфетはビュッフェと読むと聞けば納得いただけるかと思います。もうちょっと捻ってよ。

中に入ってみると店内は思っていたよりも広く、座席も十分にありました。 前菜、メイン、付け合わせ、アメリカン(ハンバーガーなど)、中華、スープにデザートなどのコーナーが並んでいます。 種類がありすぎて優柔不断な私はかなり悩んでしまいました。前菜、メイン、付け合わせは100gでの値段がそれぞれ決まっているので、お皿は分けないとおそらく怒られると思います。スープも100gでの値段が書いてあったのにも関わらず、レジでは「一皿での99p(200円ほど)よ!」と言われました。それならもうちょっと入れればよかった(いやしい)。

初めにテンションが上がりすぎて、サラダが多めのこんな感じに。サラダの上に乗っている白い立方体が見えますでしょうか。なぜか豆腐だと勘違いして友人とたくさん取ってしまいましたが、フタを開けるとクリームチーズでした。豆腐の味を想像して食べるクリームチーズほど重いものはありません。これでお値段580p(1200円ほど)。子供が遊ぶスペースも完備されていて、高校生から主婦までたくさんの人で賑わっていました。

旧アルバート通りは観光客向けですが、一本ずれただけの新アルバート通りは若者文化の中心地という感じで、周りもおしゃれなお店がたくさんあります。モスクワではハンバーガー専門店が人気になって久しいですが、このお店の並びにあるblack starという名前のハンバーガー屋さんに至っては隣のお店の前まで列が伸びていました。マースレニッツァの時期にここを通りがかると、前から何か歩いて来ます。 旦那と話しながら歩いていたのですが、すれ違う時ばかりは口を噤んでしまいました。どこか目をつけられたら日本に帰れなくなる気がしたのです。モスクワ中心部は興味深いところばかりです。

Пока!

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言葉が「できる」基準

Привет!

一日中しとしとと雨模様だからか、ものすごく眠いです。休み時間も眠たい顔をしていたからか、Jさんが持って来たボール型のストレスリムーバー(イライラしたら握ってストレスを解消するものです)をみんなで投げ合いながら類義語や対義語をいうゲームを始めてくれました。おかげでラスト2時間は目が覚めました。

この間友達と、友達のお子さんとレストランへ行きました。偶然横に座った親子三代で来ていた家族のお父さんが、折り紙の本を睨みながら持参した折り紙で色々と作っています。前菜が運ばれて来ても食べながら折っているので、その熱意に感心して見ていると、突然こちらのテーブルにいた友達のお子さんに出来上がった作品を渡してくれました。 鶴です。しかも尻尾を引っ張ったら羽が動くタイプの。結局お子さんより私の方が興味を示したために、持って帰らせてもらいました。ありがとう、と言いながら、好奇心から「その(折り紙の)本は英語で?それともロシア語で?」と聞くと「英語だよ」とのお返事。そして続いて「ロシア語上手だね!もう長いことロシアに住んでるの?」と聞かれました。来て間も無い頃はこう言ってもらえると喜んでいましたが、落ち着いて考えてみると私が言ったのはほとんど単語です。動詞すら入っていません。さすがにこれで「ロシア語が上手」というのは何が何でもハードルが低すぎやしませんか、と思ってしまいました。嬉しいけど。

最近こういうことがよくあります。先日始めて一人でタクシーに乗る機会があったのですが、しばらく走ったところで「あなたは中国人?ベトナム人?」と聞かれました。慣れた質問なので「日本人ですよ」というと、折り紙を折っていたお父さんと全く同じセリフを言われてしまいました。「ロシア語上手ですね、こちらに来て長いんですか」と。いや「日本人です」くらいならこちらに来た日でも言えましたよ…と思いつつ、そこから色々と会話をしました。こっちで何をしているか、どこでロシア語を勉強しているか、日本の首相がどんな人か、その運転手さんの出身地、タクシー運転手という仕事のいいところと嫌なところ、などなど。ここら辺まで話して「褒めるなら今じゃないか」と突っ込もうか悩みましたが、家に着いたのでお礼を言って降りました。

別の機会にもタクシー運転手さんに友達の家に寄ってから私の家へ行ってくれるように伝えたら、褒められただけでなく運転手さんがガムを食べるときに「あなたも要りますか?」とくれたりもしました。みなさんの外国人に対する「ロシア語ができる」基準が低くて少しびっくりしてしまいます。

例えば日本でどう見ても外国人という出で立ちの人が「私は◯◯人です」と言っただけで「日本語話せるなんてすごいですね」となるでしょうか。…なんとなくなる気がします。ただ、今学校でクラスメイトたちは私が英語を話せないかもしれない、という考えが全くないかのように当たり前に英語を使って来ます。私が何か間違えて「英語が本当に下手でごめん」と謝ると一応否定してくれますが(それでもやっぱりヨーロッパの人に比べるとたどたどしいし発音が悪いので悲しくなります)、英語が話せているという基準はかなり高いと感じています。

やはりロシア人も日本人も自分の母国語が難しいという、ある意味でプライドを持っているのだろうな、とこの頃徒然に考えています。ロシア語も日本語も英語もコミュニケーション手段でしかないのにここまで差が出るのが面白いです。でもロシア語を褒められて調子に乗っていると大抵次の日の学校で先生に「8ヶ月もやっているのにこんなことも覚えてないの!」と怒られるので、バランスが取れているなあと思いながら今日も宿題を頑張ります。

Пока!

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お国柄が出る「〜風味」

Привет!

今、雪が降っています。雪が。4月の12日に。と書いているうちにやんでしまいましたが、天気が安定しません。昨日までこんなに晴れていたのに。

今日は「宇宙の日」です。世界で初めて宇宙に行った人、ユーリ・ガガーリンはロシアから宇宙に1961年の今日飛び立ったからだそうです。先生によると、当時二人の宇宙飛行士が訓練を終えていたそうですが、ガガーリンの方が見た目が良かったので選ばれたのだとか。また、ガガーリンの言葉として有名な「地球は青かった」ですが、ここロシアでは彼の言葉として有名なのは「поехали (さあ行こう)」です。「地球は青かった、じゃないの?」と聞くと、ぽかんとした顔をされました。だからガガーリン柄のTシャツに「поехали」と書いてあったのか。

学校にはお菓子が詰まった自動販売機があるのですが、最近うちのクラスで流行りのお菓子はこれ。 ラスクです。袋の色が色々あるなあと思いつつも自動販売機なので一番前にあるものを買うしかありません。私が購入したのはピンクの袋に入ったものでした。袋をよく見てびっくり、なんと「カニ味」と書いてあるではありませんか。この記事でもカニ味のポテトチップスを紹介しましたが、モスクワでは(あるいはロシアでは)カニ味が人気で驚きます。どうしてパンにカニ味をつけようと思いつくのだろう。味はやはりあまり合いません。いつもなら誰かがこのお菓子を持っていると「少しちょうだい」と貰いに行くクラスメイトたちも、誰も私のところに来ませんでした。早く無くしたい私が「これいる?」と自分から近づいても「ピンクの袋だ…!いや、今日はお腹いっぱいなんだ、ありがとう」と言われてしまいました。さてはみんな知ってたな…?唯一知らなかった先生にあげると「これまずいね」とはっきり言われました。そうでしょう。25p(50円ほど)なのでいいですが。ちなみに写真は次の日に買ったスメタナ(サワークリーム)と玉ねぎ味のものです。複数の味展開をしているお菓子は大抵スメタナ味かカニ味のレパートリーがある気がします。

別の日にポテトチップスの鮭味も発見しました。 味はまあまあです。なんでポテトチップスに魚介類の味をつけるのかなあ。日本で売り出したらどうなるか考えようとしましたが、私の乏しい想像力では全く結果が見えませんでした。

また、この自動販売機は時々商品が落ちてこなくてみんなで揺する羽目になります。こんな風に。 授業中にガタン!バタン!!と聞こえて来たら、事務の人が買うのに失敗したんだなあとわかるようになりました。そして、私はこれまでこうやって自動販売機を揺すってちゃんと商品が落ちたのを見たことがありません。結局のところ業者の人を呼ぶのが一番なようです。

Пока!

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